starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

安全装置導入、横転は防止=新幹線営業中、2度目の脱線―教訓生きたか「検証を」・福島沖地震


 宮城、福島両県で最大震度6強を観測した16日の地震は、東北新幹線の脱線を引き起こした。営業運転中の新幹線脱線は2004年の新潟県中越地震の時に続き2度目だった。JR東日本は当時の経験から、脱線しても車両がレールから大きく逸脱しない仕組みを導入。今回の地震でも車両の横転はなく、乗客4人が負傷したが死者はいなかった。過去の教訓は生きたのか。専門家は「検証が必要」と話す。  中越地震では上越新幹線が脱線。当時の航空・鉄道事故調査委員会の報告書によると、全10両中8両が脱線したが、横転はせずけが人もいなかった。ただ、そのうち1両は反対側の線路に接するように脱線し、仮に対向列車が来ていれば「衝突の恐れ」があった。  JR東はこの経験を基に、車軸に取り付けるL字型の「逸脱防止ガイド」を、今回の地震までに新幹線全車両に設置していた。  ガイドは、仮に脱線が起きてもレールに引っ掛かり、車両が隣の線路にはみ出したり、高架から落ちたりして大きな被害が出るのを防ぐ。同社はさらに、今回の脱線現場など強い揺れが予想される区間に「レール転倒防止装置」を整備し、レールが傾いたりしないよう固定を強化していた。  JR東によると、16日夜に福島―白石蔵王間を走行中だった東北新幹線「やまびこ223号」(乗客乗員80人)は全17両のうち16両が脱線。全68の車軸中60軸がずれていたが、このうち50軸については逸脱防止ガイドなどがレールに引っ掛かり、隣の線路にはみ出す車両はなかった。ただ、6号車はガイドなどが十分に機能せず、レールから1メートルほどずれて止まっていた。  東海道新幹線のレールに「脱線防止ガード」の設置を進めるJR東海のように、脱線そのものを防ぐ仕組みを導入している社もある。JR東は、今回の脱線事故に関する運輸安全委員会の調査後、対策の見直しが必要か検討する。  中越地震の脱線現場を視察した阿部和久・新潟大教授(鉄道工学)は、JR東の逸脱防止ガイドについて「最悪の事態に至らないような検討をしたのだろう」と指摘する。一方で、「地震動が想定範囲内だったのか」と疑問を呈し、「対策が機能したのか検証する必要がある」と話している。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕地震の影響で脱線した東北新幹線の車両=18日、宮城県白石市
    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.