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宝田明さん、人一倍強かった平和への思い=少年時代の壮絶な体験胸に


 宝田明さんは、スター俳優として映画に舞台に活躍する一方で、少年時代に壮絶な戦争体験をしたことでも知られている。平和への思いも人一倍強く、2020年のインタビュー取材の際には「戦争の愚かさや残酷さを次代に伝える使命がある」と力を込めて語る姿が印象的だった。  旧満州(現中国東北部)で幼少期を過ごした宝田さんは1945年の太平洋戦争終戦直後、旧ソ連軍の侵攻で銃撃を腹部に受け、瀕死(ひんし)の重傷を負った。麻酔もかけず、はさみで鉛の銃弾を取り出されたそうで、「半分失神する中、ジョリジョリと肉を切る音がいまだに耳に残っている」としかめた顔が忘れられない。  日本に引き揚げ、俳優として活躍を重ねる中でも、暴行や略奪を繰り返すソ連兵の姿が頭を離れなかったという。「私にとって戦争とはフィクションではなく、実体験なんです」。その思いが原動力となり、後年は平和の大切さを伝える講演活動などに注力してきた。  ロシアによるウクライナ侵攻によって、今も多くの人の命が奪われている。「戦争という名目で命を落とすなんてもうやっちゃいけない。戦争では理性も教養も吹っ飛んでいく。狂気の世界をつくるんです」。切実に語っていた宝田さんの姿が思い起こされる。(時事通信記者・加古雅樹)(了)【時事通信社】
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