チリ大統領に左派ボリッチ氏就任＝ＴＰＰ批准に遅れも

　【サンパウロ時事】南米チリで１１日、学生運動出身で下院議員だった左派のガブリエル・ボリッチ氏（３６）が大統領に就任した。同氏は昨年１２月の大統領選決選投票で右派候補を破って初当選。チリ史上最年少の元首となった。 　ボリッチ氏は中部バルパライソにある議会の議場にノーネクタイ姿で登壇。「すべての国民を前に、（憲法と法を尊重して職務に励むことを）誓う」と宣言した。 　ボリッチ氏は、最重要課題として「新型コロナウイルス対策、経済回復、環境保護」などを挙げている。既にチリが署名して批准を待つ環太平洋連携協定（ＴＰＰ）については、当初批判的な考えを示していたが、現在は「（批准に向け）議論する用意はある」と軟化。ただ、優先度は低いとみられ、現地外交筋は「上院本会議での承認を待つだけだが、遅れる可能性がある」と指摘している。　【時事通信社】 〔写真説明〕１１日、中部バルパライソで、就任式に臨むチリのボリッチ新大統領（左から２人目）（ＥＰＡ時事）