ケリー被告、有罪判決に困惑の表情＝メモ取り続ける―東京地裁

　日産自動車元代表取締役のグレッグ・ケリー被告（６５）は３日の判決で有罪を言い渡された瞬間、やや困惑した表情を浮かべ、通訳の言葉に熱心に聞き入った。声を発することはなく、裁判長が理由を述べる際はメモを取り続けた。 　事件の中心人物とされるカルロス・ゴーン被告（６７）の側近と評されたケリー被告は午前９時半ごろ、東京地裁の敷地内に姿を見せた。黒のスーツに赤のネクタイ姿。メモ帳を持ちながらゆっくりとした足取りで建物の中に入った。 　開廷前は傍聴席を長い間見詰め、緊張したような面持ちを見せた。最初に日産自動車に求刑通りの罰金刑が言い渡されると、裁判長を見た後、メモ帳に走り書きした。 　ケリー被告に対し、裁判長が証言台の前に移動するよう日本語で告げると、通訳が英訳する前に立ち上がり、落ち着き払った様子で歩きだした。 　「懲役６月、執行猶予３年」「（報酬隠しに問われた）一部期間は無罪」。裁判長が主文を読み上げ、英訳されると、弁護人を見たり、長身を一瞬揺らしたりした。被告席に戻ると椅子の背もたれに体を預けながら、左手でメモを取り、時折手を合わせるしぐさを見せた。（了）【時事通信社】