西側、中ロの連携に危機感＝ウクライナ情勢で―独安保会議閉幕

　【ベルリン時事】ドイツ南部ミュンヘンで開かれていたミュンヘン安全保障会議は２０日、３日間の日程を終えて閉幕した。中心議題となったウクライナ情勢をめぐっては、米欧が結束してロシアに対抗する姿勢を示したのに対し、中国は、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の東方拡大に反対するロシアを擁護する立場を鮮明にした。西側からは中ロの連携に危機感を示す声が相次いだ。 　中国の王毅外相は１９日、会議にオンラインで出席。外交的解決の必要性を訴える一方で、「ＮＡＴＯの東方拡大は、長期的な欧州の安定に寄与するだろうか」と疑問を投げ掛けた上、ロシアの「妥当な懸念は尊重されるべきだ」と述べ、会議出席を拒否したロシアの主張を代弁した。 　中ロは４日に北京で行った首脳会談で、ＮＡＴＯ拡大に反対する方針を打ち出している。 　これに対しストルテンベルグＮＡＴＯ事務総長は「中国が初めて、ＮＡＴＯ拡大への反対でロシアと連携している」と危機感を表明。欧州連合（ＥＵ）のフォンデアライエン欧州委員長も、中ロは「国際秩序を書き換えようとしている。法の支配より力の支配を優先している」と警戒感をあらわにした。　【時事通信社】