「違憲状態」判断４件目＝衆院選１票の格差訴訟―仙台高裁秋田支部

　「１票の格差」が２．０８倍だった昨年１０月の衆院選は投票価値の平等に反し違憲だとして、弁護士らのグループが選挙無効を求めた訴訟の判決が１５日、仙台高裁秋田支部であり、見米正裁判長は「違憲状態」と判断した。無効請求は棄却した。 　昨年衆院選での１票の格差をめぐる訴訟の判決は８件目。違憲状態の判断は４件目となった。 　見米裁判長は、前回２０１７年の衆院選よりも格差が拡大し、２倍を超えたことなどを考慮。「選挙区割りは、憲法の要求に反する状態に至ったと言わざるを得ない」と指摘した。 　一方、大規模国勢調査の速報値が公表されたのは投開票日の約４カ月前で、国会が選挙区割りを違憲状態と認識できなかったと言及。「憲法上要求される合理的期間が経過しているとは言えない」と結論付け、より重い違憲判断には踏み込まなかった。 　訴訟は全国の１４高裁・支部に起こされており、３月までに判決が出そろう。　（了）【時事通信社】