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ロンドン警視庁トップを解任=女性蔑視の「文化」改善できず―英


 【ロンドン時事】英首都圏の治安を守るロンドン警視庁初の女性トップ、クレシダ・ディック警視総監(61)が10日、辞任した。同庁ではこのところ警官による女性殺害や、女性蔑視・人種差別に絡んだ問題行動が相次ぎ発覚。市民の信頼が揺らいでいることを受け、事実上、解任された。  ロンドンでは昨年3月、帰宅途中の女性=当時(33)=が警視庁の現職警官だった男に性的暴行を受けた上殺された。新型コロナウイルス対策の規則違反を理由に女性に手錠を掛け、車で連れ去る悪質な犯行だったとされる。  12月には、前年に起きた殺人事件の現場で犠牲者姉妹の遺体を写真に撮り、チャットアプリで共有した警官2人が収監された。さらに今月に入り、ロンドン中心部の警察署などに所属する複数の警官が、女性のレイプや黒人の子供の殺害に関する冗談めかしたメッセージのほか、同性愛者らを侮辱するコメントをSNSで日常的にやりとりしていたことが、独立苦情処理機関の調査で明らかになった。  警視総監の任命権を持つパテル内相は先週、「われわれが目にしているのは単発的なことではなく、あまりにも多くのぞっとする振る舞いだ」と指摘。警視庁の「文化」に問題があるとして、抜本的な組織改革を求めていた。  警視総監人事に関与するカーン・ロンドン市長は10日、「(ディック氏に)人種差別や性差別、同性愛者嫌悪、いじめ、女性蔑視を根絶するよう求めた」が、「反応は満足のいくものではなかった」と述べ、解任はやむを得ないとの考えを示した。  ディック氏は警視庁で薬物組織犯罪対策や対テロ作戦で指揮を執ったほか、2012年のロンドン五輪の治安責任者などを歴任。17年4月に警視総監に就任した。 【時事通信社】 〔写真説明〕ロンドン警視庁の警視総監を辞任したクレシダ・ディック氏=10日、ロンドン(EPA時事)
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