昨年衆院選「合憲」３件目＝１票の格差訴訟―広島高裁岡山支部

　「１票の格差」が最大２．０８倍だった昨年１０月の衆院選は投票価値の平等に反し違憲だとして、弁護士らのグループが岡山県内の選挙無効を求めた訴訟の判決が１０日、広島高裁岡山支部であり、河田泰常裁判長は「合憲」と判断、請求を棄却した。 　昨年衆院選での１票の格差をめぐる訴訟の判決は６件目。「合憲」と「違憲状態」が各３件と判断が分かれた。 　河田裁判長は「投票価値の平等は最も重要で基本的な基準だが、選挙制度の安定性を確保することも極めて重要な要素だ」と指摘。昨年衆院選の選挙区割りはいずれの点も考慮し、漸進的な是正を図ったものだと評価した。 　最大格差が２０１７年衆院選より拡大し、２倍を超えた原因は想定を超える人口の流出入が生じたことによるとし、「ずれとして許容される範囲内とみることができる」などと容認。「憲法の要求に反する状態にあったとまでは言えない」と結論付けた。 　訴訟は全国の１４高裁・支部に起こされており、３月までに判決が出そろう。　（了）【時事通信社】