進化示した鍵山＝４回転ループ跳び切る〔五輪・フィギュア〕

　２０８．９４点は男子フリーで世界歴代３位のハイスコア。鍵山は「びっくりした」と率直に言った。ネーサン・チェンと羽生結弦しか到達していなかった２００点台。昨季世界選手権銀メダルの１８歳は、五輪で初めての演技で進化を示した。 　２本目のジャンプは、試合で決めたことがなかった４回転ループ。着氷で崩れかけたが、右足だけで何とかこらえた。出来栄え点（ＧＯＥ）は０．６０点の加点。「なんで？　僕はちょっとマイナスの方で考えていた」と納得はしなかったが、大舞台で跳び切ったことに価値がある。 　北京で表彰台を捉えるには３種類目の４回転が必要だと感じてきた。今季序盤は冒頭に入れていたが、失敗すれば演技全体にも響く。安定しているサルコーを先に跳び、流れに乗ってループに挑む構成で五輪に備えた。 　サルコーはしなやかだった。ＧＯＥで３．４６点もの加点。勢いのままループも降りる狙い通りの流れだった。基礎点が１．１倍になる後半に組み込んだ４回転トーループからの３連続ジャンプは「自信満々」で、３点超の加点を引き出した。 　成功率が高いとはいえないループを五輪で跳ぶと決意したのは、「成長した自分を見せたい」との思いからだった。今回の好演は日本の団体初メダルをぐっと引き寄せただけでなく、個人戦に向けても大きな収穫になったことは間違いない。（時事） 【時事通信社】 〔写真説明〕フィギュアスケート団体、男子フリーで演技する鍵山優真＝６日、北京 〔写真説明〕フィギュアスケート団体、男子フリーで演技する鍵山優真＝６日、北京