「偏差値７３の高校から来た」＝勉強で悩みか、受験生刺傷で逮捕の少年―警視庁

　東京大の前で大学入学共通テストの受験生ら３人が刺され重軽傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された名古屋市の私立高校２年の少年（１７）が襲撃の際、「偏差値７３の高校から来た」と叫んでいたことが１８日、捜査関係者への取材で分かった。 　「１年前から成績が上がらず自信をなくした」と供述しているといい、警視庁少年事件課は、進学校に通う少年が成績不振に悩んでいたとみて動機を調べる。　 　同課によると、少年は１５日午前６時ごろ、夜行バスで東京駅に到着した。私服姿で東京都文京区の東大周辺を下見後、通っていた高校の制服に着替え、午前８時半ごろ、農学部正門前の路上で高校生ら３人の背中を次々と刃物で襲撃した。 　近くにいた警備員が「落ち着いて」と声を掛けると、少年は自分の腹部を突き刺すような動作を見せた後、刃物を投げ捨てた。「切腹しようと思った」と供述しているという。 　少年は取り押さえられた際、「親にも迷惑を掛けた」と騒いでいた。 　少年とみられる男が事件の際、警備員に向かって「来年、東大を受験する」と大声を上げていたという近隣住民の話もある。 　少年が通う高校は１６日、孤立感に悩み、自分しか見えていない状況で事件は起きたとして、「勉学だけが学校生活の全てではないというメッセージを発信してきたが届いていなかった」という旨のコメントを発表している。（了）【時事通信社】