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タンチョウ、数増える=給餌頼み「まだ絶滅危機」―北海道


 北海道の釧路湿原などに生息する国の特別天然記念物タンチョウの個体数が増加し、絶滅の危機から一歩遠のいた。ただ、人が餌を与える「給餌」に頼る現状もあり、関係機関は自然下で餌を得られる環境づくりに乗り出している。  タンチョウは、明治時代までは全国で見られたが、乱獲や湿原開発などで激減。環境省によると、1952年には約30羽しか確認されなかった。しかし、NPO法人「タンチョウ保護研究グループ」(釧路市)によると、現在は約1900羽まで回復している。  背景には、積極的な給餌がある。道内では住民が穀物などを与え、国も84年以降、餌が不足する冬季に集まる鶴居村などに給餌場を設けた。生息数増加を受け、国際自然保護連合(IUCN)は絶滅の恐れがある野生生物を掲載した「レッドリスト」で、タンチョウのランクを「危機」から「危急」に一段階引き下げた。  しかし、同法人理事長の百瀬邦和さん(70)は「給餌なしでは生きられない。給餌場では密集が起きており、感染症などが流行すれば、途端に危機にひんする」と異を唱える。  環境省は、自然な採食と給餌場での密集緩和を目指し、2015年度から餌の量を削減。19年度は半分まで減らした。「日本野鳥の会」も自然の餌場を整備し、鶴居村でタンチョウが水場にたどり着けるよう、やぶ払いや倒木の撤去などを行っている。  札幌市近郊の長沼町で20年、100年以上ぶりに繁殖が確認されるなど、生息地は広がりを見せる。鳥類の歴史に詳しい北海道大の久井貴世准教授は「過密化など問題は山積みだが、道内各地に分布し、かつての生息場所に戻りつつある」と分析する。  百瀬さんによると、給餌場に来ないタンチョウも確認されており、「自力で餌を得られるようになれば、本来の意味で絶滅の危機を脱したことになる」と語った。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕餌を探すタンチョウの親子=15日、北海道長沼町
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