元市議「市長から聞いた」＝香南市入札情報漏えい事件―高知地裁

　高知県香南市発注の公共工事をめぐる入札情報漏えい事件で、あっせん収賄罪などに問われた元市議志磨村公夫被告（６１）の初公判が１７日、高知地裁（吉井広幸裁判長）であった。志磨村被告は起訴内容を認め、「最低制限価格は課長ではなく、市長から聞いた」と述べた。 　同事件では、入札情報を漏らしたとして、官製談合防止法違反罪などで市住宅管財課長が起訴されたが、「公訴を維持するのは困難」との理由で３日に取り消された。 　志磨村被告は公判で「課長が（事件への関与を）話していると聞き、『課長から入札情報を聞いた』とうそをついたが、否認していると知り本当のことを話そうと思った」と供述。「本当に申し訳ないことをした」と涙ながらに謝罪した。 　起訴状によると、志磨村被告は昨年１２月に行われた市営住宅解体工事の一般競争入札で、最低制限価格などを業者に伝えた見返りに１０万円分の商品券を受け取ったとされる。 　清藤真司市長に取材を申し込んだが、回答は得られなかった。　（了）【時事通信社】