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鬼の荒技、遠のく境地=横綱相撲の理想と現実―大相撲・白鵬


 大相撲の横綱白鵬が引退し、年寄「間垣」を襲名した。土俵上で数々の大記録を樹立し、相撲の普及や復興支援活動に熱意を傾けながら「品格」も問われた不世出の横綱。その光と影を検証する。  ◇30代からの「変化球」  2016年秋場所前、宮城野部屋の稽古場で31歳の白鵬がこうつぶやいた。鏡を横目に腰をぐっと低く落とし、「昔の立ち合いはここから立てていたけどな」。20代には、何の反動もつけず一気に深い前傾姿勢に入れたというのだ。  その日は、さらに弱気な言葉も漏らした。「昔と同じことをしても壊れて終わり。言い方は悪いが、だましだまし、変化球を使いながら」。この場所、左膝と右足親指などのけがで、横綱昇進後で初めて全休した。  10年初場所後に朝青龍が引退して一人横綱に。野球賭博、八百長問題と不祥事が続く中、文字通り天下無双の存在として角界の屋台骨を支え、理想の横綱相撲を追求した。  目指したのは双葉山が体現したとされる「後の先」。立ち合いで、一瞬遅れたように見えて、実は先手を奪い優位な体勢に持ち込む極意だという。当時の白鵬は「勝ちにいっていない、ではなく、勝ちに興味がない。負ける覚悟じゃないと」。理想の境地を口にしていた。  ところが、現役終盤は荒っぽい張り手や肘打ちのようなかち上げが目立つようになった。引退会見では「手を抜くことなく、鬼になって勝ちにいくことこそが横綱相撲だと考えていた」と振り返りながら、「理想とする相撲が取れなかったことは反省している」とも。理想と現実のはざまで優勝回数や記録を追い、大切なものも失っていった。 【時事通信社】 〔写真説明〕大相撲九州場所12日目、遠藤(左)にかち上げを見舞う白鵬=2019年11月21日、福岡国際センター
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