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児童虐待描く映画「ひとくず」=客層広げ、ロングラン―上西監督「関心が抑止力」


 児童虐待を正面から描いた劇映画「ひとくず」が、大阪で10カ月のロングランを続けている。脚本、主演も務めた上西雄大監督(57)は今も舞台あいさつに立ち、「社会の関心が虐待を防ぐ抑止力になる」と訴える。  映画は、粗暴な空き巣犯「カネマサ」が虐待される少女を助けることで、自身が救われる物語を描いた。  制作のきっかけは、児童相談所で勤務経験のある精神科医から深刻な虐待の現状を聞いたことだった。「怒りで気持ちの置き場がなかった」。脚本を一晩で書き上げ、主宰する劇団「テンアンツ」のメンバーと制作に乗り出した。2019年に完成させると海外の映画祭で高い評価を得た。  大阪市淀川区にある映画館「シアターセブン」では20年11月から上映が続く。上西監督が育った街でもあるが、家では父親が母親に毎日暴力を振るった。「父を殺そうと思ったこともあった。誰かに助けてほしかった」。物語は自身の思いも投影する。  舞台あいさつでは劇団メンバーと作品に込めた思いを語り、虐待通報ダイヤル「189(いちはやく)」を記したバッジも配布。評判は口コミで広がり、何度も鑑賞する観客はインターネット交流サイト(SNS)で「おいくず」と呼ばれる。  同館スタッフの小坂誠さん(33)は「舞台あいさつをここまで続ける監督は初めて。熱心なファンだけでなく、今も観客層を広げているのが大きい」と話す。  今後も監督作が目白押しだ。公開中の新作「ねばぎば新世界」では俳優・赤井英和さんとダブル主演を果たし、最新作「西成ゴローの四億円」の公開も控える。  それでも「ひとくず」への思いは特別という上西監督。「新型コロナウイルスを心配せず、安心して映画館に来られる日まで上映を続けていたい」と力を込めた。 【時事通信社】 〔写真説明〕児童虐待を描いた映画「ひとくず」の脚本、主演も務めた上西雄大監督。自身が育った街でロングランが続く=8月22日、大阪市淀川区
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