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空飛ぶレンガの再来?! ボルボ伝統のスクエアボディ850 T-5Rエステートの魅力


ボルボ 850のスポーツタイプ特別仕様車として、1995年に発表された850 T-5R。日本国内では、T-5Rエステート(ステーションワゴン)とT-5Rセダンの両モデルが限定650台で販売されました。 特に人気を集めたのが、ステーションワゴンタイプのT-5Rエステートです。イギリスではツーリングカー選手権で優勝、日本ではグッドデザイン大賞を受賞するなど輝かしい経歴をもつ、ボルボ 850 T-5Rエステートの魅力を紹介します。 空飛ぶレンガの名にふさわしい850 T-5R エステート ボルボ 850 T-5Rエステートは、レースでの活躍を受けて開発された限定仕様のスポーツモデルです。もともとスポーティさを追求して設計されたボルボ 850は、異例の形でレースに投入されると、高い実力を証明してみせました。かつてレースで活躍した240の呼び名から「空飛ぶレンガの再来」とまで評されます。 ベース車輌の850も含めて、T-5Rの開発背景を振り返ってみましょう。 ステーションワゴンブームの火付け役ボルボ 850 ボルボ 850 T-5R エステートのベース車輌のボルボ 850 エステートは、先行して発売されていたセダンタイプに加わる形で1993年に登場しました。ボルボの新たな主力車種として位置付けられた850は、ボルボ初のFFレイアウトを採用するなど意欲的に開発されたモデルです。 日本にも同時期に正規輸入されると、大ヒットを記録。輸入車にもかかわらず、スバル レガシィとともにステーションワゴンブームの火付け役といわれています。「頑丈で安全なクルマ」という従来のボルボのイメージに、スポーティな要素を新たに加えた850は、日本のステーションワゴンにも大きな影響を与えました。 真の空飛ぶレンガはT-5R エステート ボルボ 850 T-5R エステートが誕生した直接のきっかけは、850でのレースへの参戦です。ボルボはかつて240ターボでレースに参戦し、直線基調のボディスタイルと輝かしい実績を評して「空飛ぶレンガ」と呼ばれました。 「空飛ぶレンガの再来」と話題になった850でのレース参戦ですが、さらにボルボの選んだ参戦車輌が注目を集めます。レースでは不利といわれるステーションワゴン、エステートを選んだのです。ボディ剛性の不足、リア側の重量など決してレース向きとはいえないステーションワゴンでの参戦は異例のことでした。 そして、1994年に英国ツーリングカー選手権(BTCC)で見事入賞を果たします。シリーズ優勝こそ掴めなかったものの、何度かの入賞で高い運動性能を証明。レース成績によって850 エステートに多くの注目が集まったことから、よりスポーティなT-5Rのリリースにつながりました。 なお、850 T-5Rはセダンも投入されますが、レースで結果を残したことを考えると、真の空飛ぶレンガはステーションワゴンのエステートです。 レースをきっかけに生まれたT-5Rエステートは数週間で完売 レースでの成功を受けて開発された850 T-5Rは、レース車輌のイメージを可能な限り投影したモデルに仕上げられます。チューニングが施されたエンジンに、専用のエアロパーツなどファンの心を掴む特別仕様車T-5Rは、限定2,500台が用意されたクリームイエローの完売後には、追加カラーが投入されるほどの人気ぶりでした。 日本国内でもおよそ600万円という高額だったにもかかわらず、限定台数650台(エステート500台、セダン150台)は数週間で完売。よりスポーティな限定仕様車だったことと、850が火をつけたステーションワゴンブームを背景に高い注目を集めました。 R-DESIGNのルーツらしく魅力的だった850 T-5R 現在のボルボのスポーツモデルには、「R」の文字が含まれるモデル名がつけられていて、総称して「R-DESIGN」と呼ばれています。そして、実はスポーツモデルとしてR-DESIGNが確立したルーツは850 T-5Rでした。 特別仕様にふさわしい数々のチューニングが施された、850 T-5R エステートの魅力を紹介します。 コンプリートカー並みの高性能モデル 850 T-5Rには、専用設計の2.3L直列5気筒ターボエンジンを搭載。ベースモデルの2.5Lよりも排気量が小さいものの、最高出力240ps、最大トルク30.6kg・mを発生するまでにチューニングされていました。0→100km/h加速は6.9秒を誇り、鈍重な印象の強いステーションワゴンのイメージを払拭します。 また、しっかりと固められた足回りやホイールなど、コンプリートカーと呼べるほど専用パーツが盛り込まれていました。 クリームイエローが「T-5R」の証 ホンダ シビック タイプRのチャンピオンシップホワイトのように、特別なスポーツモデルには専用カラーが用意されていることが少なくありません。850 T-5Rも例外ではなく、特別色「クリームイエロー」が限定車の証です。 850 T-5Rは、性能面だけではなく外装も専用設計でよりスポーティに仕上げられています。大きな開口部が目をひくフロントバンパー、ステーションワゴンらしからぬ大型リアスポイラーとレーシングカーを強く意識したデザインが印象的です。 ボルボ特有のボクシーなボディデザインとの組み合わせによって、より骨太な特別感あるエクステリアに仕上がっています。 ボルボ 850 T-5Rは即完売の人気車だっただけに慎重に取引したい ボルボ 850 T-5R エステートの発売の翌年には、実は後継車850Rも販売されました。しかし、こちらもT-5R同様即完売したという逸話が残っています。どちらも限定販売で希少性が高いため、つい細かな確認をしないまま取引してしまいがちです。 しかし、発売からすでに30年近くたっている旧車でもあるため、状態の確認はしっかりとしましょう。 また、売却する際に希少性を理解していない一般中古車店に持ち込むと、正しい評価をしてもらえないおそれもあります。ボルボ 850 T-5Rを取引する際は、必ず知識のある旧車専門業者に相談しましょう。 ...続きを読む
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