次女の妊娠が分かったのは、私が31歳のときでした。女性の晩婚化、出産年齢の高年齢化が叫ばれる昨今においては、さしてリスキーにも感じられない年齢です。そんな私に、産院から出生前診断が薦められたのです…。
31歳で出生前診断!?産院の薦めにびっくり!
長女を産んだのは、28歳のときでした。20代の出産ということもあり、体力的にも問題ないでしょうと産院からも太鼓判を押されるほどの優良妊婦。
妊娠初期には切迫流産で、一時期寝たきりになることもありましたが、他はこれといって問題もなく出産まで至りました。
それから3年、31歳で再び妊娠。夫婦ともども一人っ子の私たちは、兄弟姉妹の育てられ方を知りません。
「生まれたらこうしよう」なんて、妊娠初期だというのに教育方針に頭を悩ませていたくらい呑気でした。
それくらい、30代で出産することのリスクなど全く頭になかったのです。だから、病院から出生前診断の話をされたときには寝耳に水でした。
そういった診断は、もっと高齢出産の場合に受けるものだと思っていたからです。31歳の自分にそんな話があるなんて思いもしませんでした。
薦められたのは血液検査
私が薦められたのはクアトロ検査というものです。母体の血液から胎児が健常児であるか、そうでないかを確率的に分析する方法です。
その産院では、30代の妊婦さんに薦めているそうですが、やるかどうかは任意です。検査費用は保険適用外で2万3000円とかなり高額。
検査では、ダウン症、無脳症、18トリソミーなどが遺伝的に生まれやすいかどうかを調べるそうです。
羊水検査のような確実性はないけど、針をお腹に刺したりすることはないので、感染症のリスクなど胎児に悪影響が出ることはないから安全なんだとか。
ただし、精度が高いとは言えあくまで確率的な問題だということ、陽性反応が出たら羊水検査をする必要があることも合わせて説明がありました。
私は出生前診断と言ったら羊水を取るものしか知らなかったので、母体の血液から調べることができるならお願いしたいと思いました。
検査する?しない?夫婦の話し合い
うちには、すでに長女がいました。親はどうしたって子どもより先に死にます。もし、お腹の子に障害があったら、その子の面倒を長女に任せることになってしまう。
だから、非道かもしれないけど、産むか産まないかを選択するためにも、検査を受けるべきだと思いました。
主人にもそう話をしたところ、「実際、障害があるとわかったとして、堕ろせるのか?」と聞かれました。その答えに、とても悩みました。
頭では分かっていても、実際に動く心臓を見てしまうと、とても残酷なことをしているようで、思考は堂々巡り。
「障害があると決まったわけではないから、今悩むのはやめよう。それに、もし障害があったとしても、生まれる前に分かれば、産後に必要な体制を整えることもできる。だから出生前診断は悪いことじゃないよ。」
主人のその言葉に、とても心が軽くなりました。「出生前診断をする=産むか産まないかの選択」と思っていたので、それ自体を非道なことのように感じてしまっていたんです。
検査の結果は全て陰性
クアトロ検査は、血液検査の他に簡単な問診がありました。身内に心臓疾患のあるものがいるか、糖尿病のものはいるか、ダウン症患者はいるか、といったものだったと思います。
私が知る限り、身内にそういった人はいなかったと思うので、全て「いいえ」で答えました。
血液検査の結果が出るまでは、2週間ほどかかりました。海外の検査機関で行うようで、用紙に記載された文章は非常にまわりくどい表現をしていましたが、結果は陰性。
だからと言って、必ず健常である保証はないけれど、1つの安心材料にはなりました。
出生前診断をする意味を考える
出生前診断を批判されることがあります。それでも、長女の人生に枷を作りたくなくて、検査をしようと思っていたんです。
そんな私に、検査をすることは悪いことじゃないと、主人が気づかせてくれました。もちろん、その先にどのような決断が待っているかはわかりません。
でも、出生前に知れる情報が多ければとれる行動も増えると思います。なぜ検査をするのか?その必要性をきちんと理解して、受けることが大切ですね。