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世界で70人と言われる病と闘う芸人


※写真は再現になります


2013年、ある芸人が舞台の袖で倒れた。その芸人とは、芸歴8年の若手・加瀬部駿介。彼は世界で70人しかいない奇病と闘っている。一体どんな病なのか?



 



■太ももに溜まる謎の血腫



 





 



加瀬部は高校時代アメリカンフットボールのスター選手だった。その後、帝京大学でもアメリカンフットボールを続けた。そして芸人になって2年、それは突然起きた……。その日はライブの打ち上げ……お客のウケもよく、気分良く酒を飲んでいた。



 



その帰り道、派手に転んでしまった加瀬部。何かにぶつけたのか……太ももからかなりの出血が。大きめの絆創膏を貼って、その日は寝た。



 



そして翌朝……太ももに鈍い痛みを感じた。この程度で仕事を休むわけにもいかず、舞台に立つと……どんどん痛みは増していった。そして、あまりの痛さに全く動けなくなってしまった。



 



すぐに救急車を呼び病院へ。検査の結果、太ももに大量の血が溜まっていた。その圧迫で激しい痛みがあったのだ。しかもその血液はドロドロしたジャム状の血腫となっているので、切開してかきだすしかなかったという。



 



数日後、手術が行われた。それにより太ももに溜まった血を全てかきだした。これで元に戻ると誰もが思っていた。



 



2週間の入院を経て、復帰。それから2年は何事もなかったが、また同じく太ももが痛み出した。すぐに病院へ行くと、またも同じくドロドロの血腫が溜まっていて手術が必要だという。怪我をしたわけでもないのになぜ? 血が溜まったのか?原因はわからなかったものの、手術すれば治るだろう。そう思っていた。



 



そして……2年前と同じ手術を受けた。しかし2日後、痛みがぶり返した。手術したばかりのはずなのに、彼の太ももにはまた血が溜まっていた。その後もこの様な状況を繰り返し……加瀬部はなんと6回も同じ手術を受けた。



 



 



■原因は世界で70例しかないと言われた難病



 





 



このまま一生手術は続くのか……何よりも原因がわからないまま生きていくのか。絶望感に押しつぶされそうな加瀬部。そんな時だった。血液内科の権威に加瀬部の病状について主治医が相談したところある病名が浮かび上がって来た。それが……ラープスと言う血液の病。血液を固める物質が何らかの理由で無くなってしまい、出血が止まらなくなってしまう。



 



一方で、出血していない血管内ではなぜか血が固まり、血管が詰まりやすくなる。当時は世界に70例ほどしか報告がなかったという。原因は血液中の免疫細胞が血を固める物質を敵とみなし攻撃をするため。治療法としては、免疫細胞の活動を抑えるステロイド薬を投与し、攻撃をやめさせる方法しかない。



 



しかし、出血していない血管内では、血液が固まりやすくなってしまい、脳梗塞などを引き起こす危険もある。治療は薬を投与しながら、太ももの血が止まるのを願うだけ。それがうまくいかないときは……最悪の場合、右足切断の可能性もあるという。右足がなくなれば、芸人はキビシイ。それだけはどうしても避けたかった。そしてすぐに治療が始まった。ステロイドを投与することになった加瀬部。その間も何度も太ももに溜まった血を抜く手術が行われた。



 



しかし、同じことの繰り返しに頭がおかしくなりそうだった。やがて、ドロドロの血腫が太ももに溜まることを防ぐために傷口を開いたまま、投薬治療を続けるように。薬が効くのが先か、それとも足切断の判断が先か、祈るような日々を過ごしていた。



 



そして、医師から驚きの一言が告げられた! なんと、薬が効き始め、数値が良くなってきたのだ。





その後、無事退院し復帰した加瀬部。病気を経験したからこそ今はコントをしている瞬間が楽しくてたまらないという。世界でも稀な病と闘う芸人、活躍を期待する。(2018年11月13日 ON AIR)


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