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イチローの「後悔などあろうはずがありません」は選ばれるべきだったのか? 新語・流行語大賞の「選考委員特別賞」という懐疑的な枠


写真:AP/アフロ


 



年末恒例の『2019ユーキャン新語・流行語大賞』の発表と表彰式が12月2日、都内で開催され、令和最初の年間大賞は「ONE TEAM」が受賞。トップテンには「計画運休」「軽減税率」「スマイリングシンデレラ/しぶこ」「タピる」「#KuToo」「○○ペイ」「免許返納」「闇営業」「令和」(50音順・順位なし)が選ばれた。



 



さて。ここにもう一つ ──「選考委員特別賞」として今年加わったのが、3月21日午後11時に行われたイチローの引退会見で、「後悔はあるか?」と問われた際の、あの名ゼリフ「後悔などあろうはずがありません」であった。



 



引退後も、草野球チームを結成し、ひいては野球人気底上げのため、草野球リーグ創設の構想まで提唱する……など、相も変わらずのアグレッシブな動きを見せ、さらに、つい最近には政治利用と捉えられている感の強い、いささか乱発傾向にある「国民栄誉賞」の4度目の打診を固辞した……との噂が世間を賑わせたり……と、ますますお株が上がりまくりなイチローである。「歴史的な〜」と形容してもまったく遜色のない引退会見から、多少強引なかたちでもありがたいお言葉を、なんとか抜粋したかったのだろう。ちなみに、選考委員サイドはその理由を



 



「日本語として研ぎ澄まされた話の上手な人が、あえて文語めいた言葉で返したこの表現に対し、特別賞を授与することを決めた」



 



……とコメントしている。



 

ちなみに、「選考委員特別賞」ってヤツは、今年“だけ”の“特別な賞”というわけではなく、2017年には「9.98」(日本陸上男子100メートルの悲願であった9秒台を実現した桐生祥秀選手が受賞)、2016年には「復興城主」(熊本地震で被災した熊本城の復興支援を募ったときのキャッチコピー)……ほか、過去にもたまに設けられていたりする。



 

最初は正直、「気持ちは痛いほどわかるけど、それをやってしまえば、もはやなんでもアリじゃないか」みたいな風に、どちらかと言えば“後出しじゃんけん”といったニュアンスで、この賞に関しては懐疑的な印象を抱いていた。イチローが自身の引退に向けて語った、あまりある重みと深さに満ちた文言を安易に「流行語」のひと言で括ってほしくない……なんて想いも、少なからずあった。



 



が、よくよく考えてみると、この「新語・流行語大賞」最大のネックとなっている

 



「一年の前半に流行った言葉は、世間的に忘却さえやすく、受賞対象から外されてしまいがち」





……という不公平な実状を補うのに「選考委員特別賞」は一種の必要悪(?)であって、いくらそれが「後付け」であろうが「予定調和」であろうが、ある程度はしょうがないのかもしれないなぁ……って気もしなくはなくなってきた(※実際、イチローの引退会見は3月、熊本地震は4月だった。桐生選手が9秒台を出したのは8月だったけど…?)。





 

いずれにしろ、『新語・流行語大賞』にかぎらず、「特別賞」なる“+1”の発想から生まれた称号には“与える側”にとっての、いろいろと複雑でデリケートな“事情”が含まれているのではなかろうか?


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