世の中には何度も結婚・離婚を繰り返す人がいる。トシミツさん(53歳)は、20代から3回の結婚と離婚を繰り返してきた。そんな彼が今思うこととは――。

 

 

■離婚するたびに孤独になって……

 

最初の結婚は大学を卒業して2年後の24歳のとき。周囲は早いと反対したが、学生時代からつきあっていた彼女と一刻も早く一緒になりたかったのだという。

 

「大好きでしたから。結婚してすぐ子どもができて、僕はとても幸せだと思っていました。ただ、僕が転勤が多かったので彼女には大変な思いをさせた。そこをわかってあげられなかったんですよね」

 

30歳までに3回の転勤を繰り返した。そして30歳の誕生日に突きつけられたのは離婚届だった。彼女自身もキャリアを追求したかったのに、「あなたの人生に巻き込まれているだけで、自分の人生が終わってしまう」と泣かれた。

 

「彼女は子どもを連れて実家に戻りました。友だちもいない転勤先でひとりの部屋にいると寂しくてね、何度も死にたいと思いましたよ」

 

それでも3年後には2度目の結婚をしていた。相手は4歳の娘をもつひとつ年上のシングルマザーだった。ひとりでがんばる彼女に惚れたとトシミツさんは言う。

 

「このときもとっても幸せでした。彼女も娘も本当にかわいくて。彼女との間に子どももほしいと話していたんです」

 

ところがなんと、その彼女は前夫とヨリを戻してしまう。再婚して2年ほどで前夫と再会、迷いに迷って前夫を選択したらしい。あなたはいい人だけれど、娘はやはり本当のパパと一緒にいたいらしいと言われてショックのあまり自分から家を出た。

 

 

■どうしてうまくいかないのか

 

30代後半でまたもひとりになってしまったトシミツさん。もう結婚はしないと決めた。当時住んでいたのは大阪。ここが性に合って転勤生活も長くなり友人もたくさんできた。もう転勤をしたくないと思っていた40歳のとき、今度は北海道へ。

 

「北海道もいいところでした。5年ほどいましたが、その間によく通った飲み屋の娘さんと懇意になって……。43歳で3度目の結婚をしました。彼女は当時、35歳。店を継ぐことが決まっていたので、もういっそ僕も店で一緒に働こうかなとも思っていたんです」

 

ところが2年後、急遽、九州の営業所へ所長として転勤することに。トシミツさん、若くして所長に抜擢されるほどやり手のビジネスマンなのである。

 

「やはりどんなときも仕事に助けられてきた側面があるし、所長というのはやりがいのあるポスト。辞められなかった。妻もそれをわかってくれたので、しばらくは九州と北海道で連絡をとりあいながら別れて暮らしていたんです」

 

だがそんなとき、店を切り盛りしていた彼女の父親が倒れてしまう。母はつきっきりで看病、店を経営するのは彼女しかいなかった。父の知り合いから紹介された板前さんを雇って店を続けたが、その板前さんと彼女が抜き差しならぬ仲になった。

 

「やっぱり男と女は一緒にいないとダメだなあと思いました。彼女がわざわざ九州にやってきてその話を正直にしてくれたんですが、怒りはわかなかった。別れて暮らしている以上、どうしようもない。彼女はその板前さんの子を妊娠していたので、もう僕の出る幕はないなと思って」

 

一緒にいるから小競り合いが絶えないのだ、夫婦は適度に距離感があったほうがいいと言う人もいる。だが離れて暮らしていると心も離れるとトシミツさんは言う。それもまた真理なのかもしれない。

 

「今は東京で働いています。おそらくもう定年まで転勤はないと思う。振り返ると、人生、仕事ばかりで結局、家庭という居場所も作れず、この先、ひとりぼっちでどうするんだろうなあと他人事みたいに考えることがあります」

 

とはいえ、4度目の結婚を考えないでもないらしい。

 

「ただ考えてみたら、3回も結婚しているくせに落ち着いた結婚生活を一度も送ってないんですよ。今さら他人と妥協し合って仲良く生きていける自信もない」

 

今は決まった恋人もなく、スポーツジムへ行ったり学生時代の仲間と旧交を温め合ったりと「楽しく」暮らしてはいる。だが先のことを考えると、「孤独な老後」という文字が頭にちらちら浮かんでいると沈んだ表情になった。

情報提供元:citrus
記事名:「「どうしてうまくいかないのか…」3回の離婚を経験した53歳男性が今思うこととは