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「事故、減るかも…」「居眠りしても大丈夫?」ドライバーの“顔”をチェックすれば、高齢者の交通事故は減る!?




前回のコラムで、高齢ドライバーによる交通事故防止のアイデアのひとつとして、いすゞ自動車と日野自動車の路線バスや観光バスに搭載されている、押しボタン方式のドライバー異常時対応システム(EDSS)を紹介した。





そこでも書いたことだが、今年両社の観光バスに搭載された進化型のシステムでは、運転士や乗客がボタンを押す手段だけでなく、運転席に設置されたドライバーモニターが異常を感知した場合にも、自動的にハザードランプとクラクションを作動させながら減速、停止するようになった。





このシステムに使われるドライバーモニターはデンソーが開発したもので、2014年からいすゞや日野などのトラックやバスに採用されている。2018年には既存のトラックに装着できる後付け方式のドライバーモニターも用意している。





乗用車ではアイサイトでおなじみのスバルが、昨年発売された現行フォレスターに、いすゞや日野と同様のシステムを装備した。インパネ中央に内蔵したカメラがドライバーの顔を認識し、居眠りや脇見運転などを発見すると、警報音や警告表示で注意するというものだ。





さらにフォレスターでは同じ機能を用いた、おもてなし機能も備えている。運転席に座ったドライバーが誰かを目線によって検知して、シートの位置やドアミラー角度、エアコン設定、メーター表示などを自動的に再現するというもので、最大5人まで識別可能となっている。





外国車では昔から安全性に真剣に取り組んできたスウェーデンの乗用車ブランド、ボルボが2020年代初めに発売する次世代モデルから、すべての車種にドライバーの状態をモニターする車載カメラを標準装備すると今年3月に発表した。





ドライバーの状態を常時カメラでモニターし、長時間にわたりステアリング操作がない、ドライバーが長時間目を閉じているか路面を注視していない、走行中の車線を逸脱するほどの蛇行運転をする、反応時間が極端に遅いなどの異常を感知すると音や光などで警告。ドライバーが信号に反応せず、死亡や重大な怪我に至る事故を起こす危険性がある場合は、車両側の制御を行うという。





車両側の制御としては、具体的には最高速度の制限、コールセンターへの警告などの方法を考えており、最後の手段として車両を自動で減速させて安全に駐車させることまで含めている。2020年代初頭に発売する次世代プラットフォームを用いた新型車から導入予定としている。



 



 



 



■運転中の「パニック状態」にどう対応していくか?



 





自動車の安全性はトラックやバスより乗用車のほうが優れていると考える人が多いようだ。たしかにそういう部分もあるけれど、ドライバーモニターについては、少なくとも日本ではトラックやバスのほうが進んでいたことがわかる。





トラックやバスのドライバーはほとんどの場合、仕事でハンドルを握る。しかも乗客や荷物を時間通りに届けなければならない。運転中に眠気を感じたからといって、その場で仮眠を取ったりすることは難しい。だからこそ乗用車に先んじての導入は理解できる。





ただし気になることもある。現状では居眠りや急病、脇見運転などの検知に限られていることだ。前回のコラムでも書いたが、最近の交通事故報道で目立つのは、ペダル踏み間違いや路肩への接触などによってドライバーがパニック状態になり、大惨事につながっている事例である。





もしパニック状態にあることをドライバーモニターで検知し、自動的に減速、停止というモードに入れることができれば、事故を減らせる可能性がある。





裏を返せばそれだけ人間はミスが多い生き物であるということ。安全技術が進化するのは歓迎すべきことだが、それに甘えるのではなく、ドライバーひとりひとりが安全運転を心がけるという基本を忘れないことが大切でもある。

 


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