「区からがん検診無料クーポンが送られてくるんだけど、受けたことある?」

 

今年30歳を迎えるE華は、児童館で参加している2歳児サークルのママ友に尋ねてみた。20代の頃は不摂生な生活を気にしたこともなかったが、母親になったことで心境の変化もあり、いつまでも健康でいたいと思うようになった。健康診断を全く受けていないことが気になっている様子。

 

 

「行かなきゃと思ってはいるけれど、毎年行きそびれちゃうんだよね…」と、ママ友の間でもがん検診を受けたことがある人はほんの数割というのが現状のよう。育児や家事、そして仕事に追われて自分の健康を二の次にしてしまう女性が多い日本では、様々ながん検診が無料であるのにも関わらず検診率が低いのが特徴だ。

 

今回がんの中でも注目したのは「マザーキラー(母親殺し)」の異名を持ち、女性特有のがんの中で、乳がんに続いて世界で2番目に多い疾患と呼ばれている。マザーキラー、その正体とは……。

 

 

 

■74人に1人がかかる子宮頸がん

 

マザーキラーの正体は、子宮頸がん。20代後半から40代前後の女性が発病しやすく、幼児を育てる世代の女性の罹患率が高いことからマザーキラーと呼ばれています。およそ74人に1人が子宮頸がんと診断され、子宮頸がんの前段階である異形成は6人に1人とも。数字からも分かるように、子宮頸がんにかかる確率は決して低くないのです。

 

 

子宮頸がんになってしまう原因は何なのでしょうか? 医師の山本佳奈先生に伺いました。

 

「子宮頸がんの原因は、高リスク型のHPV(ヒトパピローマウイルス)。

 

性交渉の経験がある女性の8割が1度はHPVに感染しますが、90%の人は免疫の力で治癒できます。10%の人は自然治癒せず、高リスク型のHPVに長期間感染すると、異常な細胞が増加。子宮頸がんの前段階となる異形成を経て、子宮頸がんへと進行していきます(山本先生)」

 

 

 

■「初期」に見つけることが何より大切!

 

初期症状がほとんどあらわれず、どんどん進行しているかもしれない子宮頸がん。ワクチンを打っても完全に予防はできないため、定期的な検診が大切だと山本先生は言います。
 

「日本は世界と比べると圧倒的に子宮頚がんの検診受診率が低く、国内では年々患者数が増加していますが、子宮頸がんは定期的な検査で早期に発見することができます。

 

がん細胞になる前段階の異形成で発見できれば、15分程度の簡単な手術で除去が可能。子宮の摘出手術などをせず、妊娠や出産に影響なく治療が行えるんです(山本先生)」

 

 

■2年に1回は受けたい子宮頸がん検診

 

子宮がん検診、行ってみようと思ったらその日がタイミング。自治体によって異なりますが、20歳以上の女性であれば2年に1回無料で検診を受けられるところが多いようです。一度お住まいの地域のホームページをチェックしてみましょう。無料クーポンが手元にない、地域指定の産婦人科でない場合は、自費診療になることも。3500~6000円程度かかるので注意してください。

 

「子宮頸がんの検査は、問診から始まり内診(視診)、細胞診(子宮の出口を綿棒やブラシでこすり、子宮頚部の細胞を直接採取)を行い、その細胞から正常か異常かを判断します。その日は出血することもありますが、5〜10分程度でほとんどの場合は痛みなく終えられます。費用の負担もなく、定期検診をすることで早期発見、治療をすることができるので、ぜひ2年に1回定期検診を受けてくださいね(山本先生)」

 

【参照】

各自治体のがん検診窓口/都道府県

子宮がん検診の検査方法

情報提供元:citrus
記事名:「アラサー、アラフォー女性を襲うがん! 検診率の低さが引き起こす“マザーキラー”とは