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小学生から中高年まで…日本人が「スタンプラリー」に夢中になる理由




JR東日本の山手線を中心とした首都圏エリアで、今年の1月10日から2月27日まで「キン肉マンスタンプラリー めざせ全駅制覇!編」が開催された。スタンプラリーといえば、子ども相手に夏休みなどに各地で行われる恒例のイベントであるが、「キン肉マン」は大人を対象としたところがユニークだった。どれほどの人が参加したのかは分からないけれど、なぜかスタンプラリーは人気がある。



 





スタンプラリーは、いつごろから盛んになったのだろうか? そのルーツをたどってみると室町時代の霊場巡拝に行きつく。四国88カ所霊場巡拝のように寺社をひとつひとつ訪ね歩き、そこでいただいた御朱印を集める。こうした「お遍路」が庶民に知れ渡り人気となったのである。当時としては大旅行であったので、誰もが気楽に参加できるものではなかったが、身近なところでは江戸の七福神巡りが流行ったりした。ここにスタンプラリーの原点があるのだ。



 



戦後の混乱を経て、高度成長時代となり、1970年に大阪で万博が開催された。このとき、各国が出展したパビリオンに趣向を凝らしたスタンプが設置され、それをスタンプ帳に押して集めることが流行った。さらに、1970年10月14日の「鉄道記念日」(現・鉄道の日)に、当時の国鉄(現・JR)では旅行による列車利用促進を図るためDISCOVER JAPANキャンペーンが始まり、各駅には近辺の名所などのイラストを描いたスタンプが置かれるようになった。それを押して集めるためのスタンプノートも販売され、スタンプを集めることがポピュラーな趣味となったのである。DISCOVER JAPANキャンペーン終了後は、「一枚のキップから」「いい日旅立ち」「わたしの旅」とキャンペーンは受け継がれ、駅スタンプも更新されていった。



 





その後、単にスタンプを集めるだけではなく、規定の個数のスタンプを集めると景品がもらえるイベントが発生し、これをスタンプラリーと呼ぶようになった。地方都市の商店街で最初に行われたとの報道もあり、諸説入り乱れているけれど、大々的に行って広く知られるようになったのは、1985年の「つくば科学万博」で5つのパビリオンを回ってスタンプを集めたらバッジが貰える「スタンプラリー」だったのではと言われている。



 





その後、学校の夏休み期間などに鉄道各社がポケモンスタンプラリーを競って開催し、またたく間に人気イベントとなっていったのである。



 



スタンプラリーは鉄道会社や商店街、観光地などで行われ、あちこち回ることによって鉄道路線やエリアの活性化に貢献しているようである。参加費は不要のものが多く、有料のものでもせいぜい台紙や専用のノートを購入する程度で、参加へのハードルは低い。主催者としては、スタンプラリーそのものによる増収よりも、動き回るうちに消費するであろう飲食や買い物など付帯する収入、あるいは路線やエリアに愛着をもってもらいリピーターになってもらうなどの副次的効果を期待しているものと思われる。何よりも趣味的な事柄におけるコンプリートによる達成感をくすぐっているのでイベントに乗せられる人は多くなるのであろう。



 





筆者は、短期間に慌ただしく走りまわってスタンプをコンプリートすることには興味がないのでスタンプラリーを冷静に見ていたのであるが、昨年、東北でJRの「ポケモントレイン」に乗車したとき、アテンダントさんからスタンプラリーの台紙をいただいたので、試しに集めてみた。といっても、始発の気仙沼駅のものはすでに押してあったので、途中駅2つと終点の一ノ関駅のものを押せば完成する簡単なものであった。途中駅2つの停車時間は、それぞれ10分以上あり、2両編成の列車といっても1両はプレイルームなので、乗客は実質1両30人足らず。それも満席ではなかったし、こどもは半数くらいだったので、行列は短く楽なものだった。一ノ関駅にはスタンプが2ヶ所あり、ひとつは在来線改札、もうひとつは新幹線改札内と離れていたのが難点だった。結局、新幹線への乗換時間が短かったので、在来線改札のものは断念せざるを得なかったのは残念だった。



 





スタンプラリーではないけれど、JR北海道では、「わがまちご当地入場券」という写真と駅スタンプ入りの記念入場券を2017年夏から販売している。路線の走る101の市町村それぞれにある駅をひとつ選び、現地で発売しているもので、実際に足を運ばなければ購入できない。列車利用を促進するためのものだが、不便なところも多く、なかなか集めるのは難しい。



 



かように収集するのをあおるようなキャンペーンは多々あり、楽しみであると同時に泥沼にはまりそうなものもあるので、自制心をもって対応した方がよさそうである。


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