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親の稼業を継がなければならない──そんな男にホリエモンが投げかけた言葉とは?




年末年始、大阪に帰省して、久しぶりに父と世界情勢や日本の政治経済の現状と企業のこれから……などについて語りあかした。



 



すでに80歳を超える父の知識は、一応「最高学府の経済学部卒業」の肩書きを持つ私のソレをいまだ圧倒的に凌駕しており、「オマエは56歳にもなってそんなことも知らんのか」と何度も呆れられ、次第に「だから、エエトシしていつまでもフラフラしとんのや」といった“単なる説教”へと、話題はすり替わっていた。私の父は普通のサラリーマンなので、実際はあり得ないのだけれど、仮に父が自営業者で、その稼業を継がねばならない……みたいなことになっていたら、こうした“針のムシロ状態”が毎日続くのか……と想像しただけでウンザリしてしまった。



 



そういえば、過去に「ホリエモン」こと堀江貴文氏も、こんなことを『DIAMOND online』で語っていた



 




ぼくは事業継承なんて基本的にめんどうだからやめちゃえ、って思っているから。引き継ぐ企業の価値がマイナスであることも多いし、たとえプラスであっても、残存者利益を狙うか、今のうちに売っちゃうかという二択があれば、僕は後者をおすすめします。トータルの労力は少なくて済む。自分の好きなことができるしね。だって、多くの場合、感情論でしょう。親に申し訳が立たないとか、世間の目が気になるとか……。だから本当に親身になってアドバイスをするなら「現在価値で売って、あなたのしたいことをすればいい」となる。




 



私も堀江氏のその意見には、まったくもって同感である。父より優れた経営センスを持ちあわせているとは到底思えない私が「ボンクラ二代目社長」のレッテルを貼られるのは火を見るよりも明らかだし、自分より年上の番頭格の重役とかに“上から命令する”才能も度量もない。他人に売るなり任せるなりして、そこで手に入れたいくらかのお金で「セカオワハウス」(※人気バンド『SEKAI NO OWARI』のメンバーが共同生活する一軒家のこと)のような、くりえいたーのシェアスペースでもつくろうか……(笑)?



 



ちなみに、堀江氏が対談形式で前出の発言をぶつけている相手は、江上喜朗(37)というヒトで、祖父の代から3代続く老舗自動車学校『南福岡自動車学校』の社長に、30歳で就任。みずから「かめライダー」と名付けたキャラクターのタイツコスチュームを着て教壇に立ち、最初は奇天烈なパフォーマンスをはじめとする性急な経営改革が反感を呼んで退職者が激増し、売り上げも激減の一途をたどるものの、やがてその強い想いが社員の心を動かし、業績V字回復を成し遂げ、現在では業界で福岡県№1企業にまで成長させた立志伝中の実業家である。2017年にダイヤモンド社から『スーツを脱げ、タイツを着ろ!』なるタイトルの自著も刊行なされている。



 



警視庁がまとめた運転免許統計によると、日本国内では公安委員会指定教習所の卒業者数は1992年には250万人超だったが、2016年には156万人にまで落ち込んでいるという。免許取得が可能になる18歳人口が少子化で年々減少しているためだ。しかも、今後は「クルマの自動運転化」といった避けようのない向かい風が吹き荒れるであろう、まあ間違いなく“斜陽の産業”であり、そんななか、江上氏は「交通事情が60年前の日本そのもの」らしいカンボジアのプノンペンで今年8月、日本では初の自動車学校をオープンし、さらには、アフリカのウガンダでも学校開設の準備中……と、持ち前のフットワークの軽さを武器とし、“中期的”な戦略を打ち立てている。



 



昨年12月に開催されたプノンペンでのレセプションパーティ。カンボジアの交通大臣や公共交通運輸省副大臣も出席


 



「ホリエの教え」と完全に逆行する江上氏の成功を、対談上で堀江氏はこう分析する。



 



 




事業の成功に頭の良し悪しはあまり関係ない。一歩踏み出すかどうかですから。これはたくさんの人たちとお会いする中で、心からそう思うようになりました。



 



(「じゃあ、私は“バカになれ”というメッセージを伝えていけばいいんですかね」という江上氏の問いかけに対して)うん、バカになっていいんだけど、ただ、僕は無責任に「親の仕事を継げ」とは言えない。表現を変えれば江上さんくらいバカになれなきゃ、改革するのは難しいよって。だから、頭がいいとか、悪いとかの話じゃないんですよ。やり抜けるかどうか。




 



私は、江上氏のごとくタイツを着てホリエモンに会いに行くこともできないし(※待ち合わせ場所だったホテルのラウンジで、江上氏は本当にかめライダーの扮装で登場し、堀江氏を大いに困らせたとの噂)、自分から営業をしたことすらほとんどないほど、性格的に腰も重い。したがって、もし同じ立場なら、親の会社を売っぱらって怪しげなサロンをつくり、そこに集まった気の合う仲間同士、お金が尽きるまで狭いコミュニティ内でお互いを讃え合う(=お互いの傷を舐め合う?)のが関の山なのである。


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