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本庶教授の和装に称賛の声! あなたの心とクロゼットに「正礼装」はありますか?


写真:TT News Agency/アフロ


本庶佑京都大学特別教授が和装でノーベル賞授賞式に出席された姿に称賛の声が集まりました。50年前に文学賞を受賞された川端康成さん以来とのこと。ストックホルム・コンサートホールで行われる授賞式は、受賞者はもちろんお付きの方や家族まで正礼装が義務付けられています。正礼装とは男性は白いボウタイの燕尾服、女性はイブニングドレスとされています。



 



同時に「民族衣装」での出席も公式に認められています。日本人受賞者の奥様方が和服で出席されるのは、そういうわけなのです。しかしこれまで日本人受賞者2名以外、民族衣装で出席した男性受賞者の例はありません。ちなみにノルウェーの首都オスロ庁舎で行われるノーベル平和賞の授賞式はドレスコードに寛容で、女性は民族衣装、男性はスーツで出席される方も多いようです。そういえばオバマさんも普通にスーツだった気が。



 



他国の受賞者が燕尾服オンリーな理由は明確ではありません(晩餐会後のダンスパーティに出席するのに燕尾服が相当だからでしょうか)。私物の燕尾服をお持ちならそれを着ればいいだけのこととはいえ、長年研究や学問に打ち込んできた方で、自宅クロゼットに燕尾服をお持ちという方はそれほど多くはないでしょう。皆さん、現地でレンタルされるのが一般的ですよね。にも関わらず、「五つ紋」の最高位の礼装を所有されている本庶氏は、これまでも各種式典への列席経験がお有りなのでしょう。高級絹織物で無形文化財に指定されている「仙臺平」の袴は国民栄誉賞を受賞した羽生結弦さんも着ていらっしゃいましたし、胸元の九寸白扇もアイリッシュリネンの白チーフの通じる正礼装の〆アイテムとしてじつに堂に入っていました。ノーベル賞に最高の礼を尽くした装いだったと思います。



 



礼を尽くすなら、人間の内と外の両方に。尽くすべき相手は、相手と場、そして自分です。相手に礼を尽くすならば、決して自分が目立つものではないはずで、黒またはグレーなどの無色が適当であるのも納得がいきます。場に礼を尽くすならば、場にふさわしく出席者全員と服装のテイストを揃えるべきです。ホワイトタイを求められているならば燕尾服で並ぶべきですが、五つ紋の紋付羽織は燕尾服に通じる日本の正礼装として受け入れられました。これが南太平洋の孤島出身の受賞者が「ペニスケースこそ我が民族の正礼装」と言い張ってもさすがに通らないでしょうけれど。



 



自分に礼を尽くせば自然と着心地を重視するはずです。窮屈な服に自分を押し込めておくのは不快極まりないですので。ならばレンタルで間に合わせるよりオーダーでジャストサイズで仕立てておくべきでしょう。ノーベル賞発表から授賞式の限られた期間で慌てないよういつかのための正礼装はクロゼットに用意しておくべきではないでしょうか。あなたの仕事が相応のものであるという自負があるのならば。



 



私のクロゼットにもテールコートが一着あります。結婚式で着たやつなので、もうサイズは合わないかもしれないけど、いざというときはお直しして着るつもりです。もちろん、私の仕事はノーベル賞のどの分野にも該当しませんし、ホワイトタイを要するパーティが開かれることもありません。しかし用意しておくこと自体が自身の仕事への矜持であって、同時に男の生き方を表すものだと思っています。一端の人物でありたいという信念、想いを表す服を、たとえ着る機会なくとも持っておくことに意味があると信じています。


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