お気に入りのぬいぐるみ。少し汚れが気になってきたら、お洗濯をすればきれいを取り戻せます。色合いや風合いを損なわずに仕上げるコツを押さえ、長く一緒に過ごしましょう!
ぬいぐるみは自宅で洗える?
ぬいぐるみは洋服よりも縫製が粗く、立体的で中綿もヨレやすいので、決して洗いやすいとはいえません。また身にまとうものではないので、多少汚れが気になっても、洗濯を後回しにしてしまいがちです。
ただ何年も洗っていないぬいぐるみは、ダニの温床になっている可能性が高いです。ダニはアレルギーの原因にもなるので、お子さんが使っているぬいぐるみは特に、汚れがひどい場合は洗った方がいいでしょう。
自宅で洗濯できるかの判断方法
汚れた場合は洗った方がいいぬいぐるみですが、どんなものでも自宅で洗えるというわけではなく、洗えないものも多いです。
洗えるかを確認するにはまず、洗濯表示マークを確認してください。「水洗い可」のマークがあれば、自宅で洗えます。
洗濯機で洗えるマーク
自宅の洗濯機で洗えるマークは以下の通りです。
手洗いできるマーク
洗濯機は難しいものの、手洗いできる場合のマークは以下の通りです。
洗濯表示マークがついていないときの判断方法
洗濯表示マークが付いていない場合は、以下の項目を参考に自宅で洗濯ができるどうか判断してください。もし自宅での洗濯が難しいものの場合は一度クリーニング店に相談してみましょう。
【洗濯NG】色落ちしやすいもの
白い布を濡らして指に巻き付け、色落ちの程度を確認しましょう。ぬいぐるみに軽く押しつけたり、こすってみます。白い布に色がつくようなら色落ちしやすい素材といえるので、残念ながら洗濯は諦めてください。無理に洗ってしまうと変色する可能性があります。
【洗濯NG】大きすぎるもの
なかには子どもの大きさくらいのぬいぐるみもありますが、濡れたぬいぐるみというのは思った以上に重くなります。洗濯機で脱水しようと試みるも洗濯槽に入り切らず難しかったり、脱水が十分でなく乾くのに何日もかかったりするなど、洗うのも乾かすのも一苦労。乾くのに時間がかかることで、カビが発生する恐れもあります。容量10Lくらいのバケツに入らない大きさのものは、自宅で洗うのは諦めたほうがいいでしょう。
【洗濯NG】接着剤が使われているもの
顔や手足など、接着剤でパーツをつけられているものは洗濯を控えましょう。ぬいぐるみに使われている接着剤の中には水性のものが多く、水で洗うと接着剤が溶けてしまい、気がついたら目や口がなくなっていた……といった事態になる可能性も。残念ですが洗わないようにしてください。
【洗濯NG】古いもの(アンティーク)
古いぬいぐるみは、ぬいぐるみに使われている生地や糸が弱くなっていて、洗濯に耐えられない可能性があります。世代を越えて使用しているような、あまりにも古いものは洗えません。
【洗濯NG】革やリアルファーが使われているもの
革やリアルファーは洗濯に不向きです。どうしても洗いたい場合は人用のシャンプーやボディーソープなどを使えば洗えないこともないですが、シミになったり風合いを損なったりする恐れがあります。こういった素材の場合はクリーニング店のプロにお任せした方がいいでしょう。
【洗濯NG】機械が入っている、金属が使われているもの
動いたり、声を出したりする機能があるなど、ぬいぐるみの中に機械が入っているものは洗えません。ジョイント部分に金属が使われているものも、サビの原因になるため洗うのは控えましょう。
【洗濯NG】中綿が水に強くない素材のもの
ぬいぐるみの内部には、ポリエステル綿のほかに、スポンジ状のポリウレタンなどが入っている場合があります。しかし、ポリウレタンの場合は洗えません。
ポリウレタンは劣化しやすい素材のため、水につけるとあっというまにダメージを負ってしまいます。どうしても洗いたい場合は、事前に中綿をポリエステルに入れ替えるなどの対応が必要です。
【洗濯NG】素材がわからないもの
素材がわからないということは、どんな洗剤を使っていいのか、どんな洗い方をしていいのかもわからないということ。わからないものは洗わないほうが無難です。
ぬいぐるみを家で洗う際の注意点
以上の項目や洗濯表示マークを参考に、自宅で洗えると判断した場合でも、洗う前にさらにいくつか確認をしておきましょう。
まずぬいぐるみにはリボンや洋服などが付属していることがありますが、外せるものは外します。取れかかっているボタンなどがあれば、それも外して洗濯した後に付け直すようにしましょう。
最後に色落ちのテストをしてみて、大丈夫そうだったら慎重に洗っていきます。
ぬいぐるみの洗濯方法
準備するもの
- おしゃれ着用洗剤(中性洗剤)
- 柔軟剤
- 洗濯ネット
- バスタオル
- バケツなどの容器
- ブラシ
洗い方
洗う前の下準備
洋服ブラシで、ぬいぐるみをブラッシングしてホコリを落としておきましょう。ひどい汚れがある場合は、中性洗剤の原液をつけて、軽くなじませておくと汚れがよく取れます。
洗濯機を使う場合
洗濯機で洗えるぬいぐるみはあまり多くありません。ウォッシャブルタイプで、洗濯表示に「洗濯機使用可」のマークがある場合のみ、洗濯機を利用してください。
1. 下準備を終えたぬいぐるみを洗濯ネットに入れて洗濯機へ入れる。
2. 洗濯モードを、手洗いコース(もしくはドライコース)に設定する。
3. 脱水時間を最小単位に変更する。変更できない場合は、脱水が高速回転に入ってから30秒ほどまわし、手動で終了させる。
なお、縦型洗濯機でもドラム式洗濯機でも手順は同じです。
手洗いする場合
基本的にぬいぐるみは手洗いします。洗濯機で洗うのと比べてもそれほど手間ではないので、ぜひチャレンジしてみてください。
1. バケツなどに水を溜め、規定量の中性洗剤を溶かす。
2. 下準備を終えたぬいぐるみをバケツに入れる。
3. 赤ちゃんを洗う要領で優しくなで洗いして、30分ほどつけ置きする。
4. バケツの中の水を何度か交換し、ぬいぐるみを揺らしつつ泡がなくなるまですすぐ。
5. バケツに規定量の柔軟剤と水を入れて10分ほどつけ置きする。
6. バスタオルにぬいぐるみを包み、洗濯ネットに入れて洗濯機で脱水する。
※脱水時間は最小単位に変更。もしくは脱水が高速回転に入ってから30秒ほどまわし、手動で終了させる。
なお、洗剤が残るとカビやシミの原因になります。すすぐ際は、しっかり洗剤をすすぎきってください。バスタオルに包んでから洗濯ネットに入れるのは、ぬいぐるみへのダメージを和らげるためです。
干し方と干す際の注意点
浴室乾燥もしくは外干し(陰干し)する
回転式のタンブル(タンブラー)乾燥は型崩れの原因になるので避けましょう。浴室に乾燥機能があれば使用をおすすめします。
外に干す場合は、しっかり乾くまでに2日ほどかかります。雨が2日以上降らない日を選んで洗濯するようにしましょう。干すときは陰干しをします。
洗濯ばさみは直接使わない
洗濯ばさみに吊るすと跡が残ったり、型崩れの原因になります。ぬいぐるみを洗って干す場合は、平干しネットを使うといいですよ。
平干しネットが大きすぎて邪魔になる場合は、洗濯ネットにいれて干してもOKです。
形や毛並みを整えて干す
洗濯でできたヨレや歪みなどがあれば、干す前に軽く整えます。
また洗濯後はぬいぐるみの毛並みがそろっていない状態なので、そのまま乾かすと、寝癖のような感じで固定され、毛並みが悪くなってしまいます。
毛足が短いぬいぐるみに関しては、濡れている状態でブラッシングしておくと仕上がりがきれいです。毛足が長いぬいぐるみは、濡れた状態でブラッシングすると毛が切れやすくなるので、乾いてからブラッシングします。
完全にかわくまでしっかり乾燥させましょう。
自宅でのぬいぐるみお洗濯<Before・After>
この通り、しっかり汚れが取れてきれいになりました!
ぬいぐるみの洗濯頻度
洗濯はどうしてもダメージとの戦いになります。ぬいぐるみは型崩れしやすいため、極力洗濯する頻度を少なくした方がいいでしょう。
ダニなどの発生を抑えるために、敏感肌のお子さんが触るような場合は年に2〜3回くらいを目安に洗濯してください。そのほかは、汚れが気なったときに舐めても大丈夫な除菌シートで、拭くくらいにしておくのが無難です。
ダニが気になる場合は、夏場であれば黒いポリ袋に入れ、2~3時間ほど天日干しするとポリ袋の中の温度が上がり、高温と乾燥に弱いダニを死滅させることができます。ぜひお試しください。
なおダニ退治用のスプレーはぬいぐるみの内部までは行き届かない場合があるので、完全ではありません。
コインランドリーではどう洗う?
自宅の洗濯機で洗えないような大きいぬいぐるみは、コインランドリーで洗おうと思う方もいるかもしれません。しかし、コインランドリーは設定を細かく決められないため、ぬいぐるみを洗うには不向きです。
また他の洗濯物と一緒に洗濯機に入れると型崩れの原因になるため、ぬいぐるみを洗う場合は単体で洗うことになります。洗濯のみでも1,000円ほどかかり、価格が高くついてしまいます。
大事なぬいぐるみはクリーニング店へ
クリーニング店に出すと2,000円ほど料金がかかりますが、自宅で洗濯してダメにしてしまうリスクを考えると、大事なものは持ち込んだ方がいいでしょう。
思い出のあるぬいぐるみは大切に手入れして、長く一緒にいたいですね。