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【調査報告】子持ち看護師の89.6%の人が働きたいと回答するも子育てが障害に


家事や育児と仕事の両立が難しい職種のひとつと言われる看護師。実際、妊娠・出産を機に仕事を辞めてしまったという人も多いのではないだろうか。退職後に再就職しようと思っても、時間が不規則だったり、夜勤があったりすることでどんな働き方が自分に合っているか悩んでしまう人も多いかもしれない。

そこで今回、自宅に看護師等が訪問して利用者の病気や障害の具合に応じた看護を行う訪問看護ステーション蒼(https://ao-minato-tokyo.jp/)は、看護師(今は働いていない + 結婚してお子さんがいる)を対象に「子持ち看護師の働き方」に関する調査を実施した。

子育てと両立できたら働きたいと考える看護師が大多数

はじめに「子育てと両立出来たら働きたいですか?」と質問したところ、約9割が『はい(89.6%)』と回答した。続けて、働きたいと回答した人に「働く為の行動をしていますか?」と質問したところ、『勤務先を探している(50.0%)』『出産前の勤務先への復帰を検討している(28.9%)』『特に行動していない(21.1%)』という回答結果になり、約8割が実際に求職行動をしていることが明らかになった。中でも新たに勤務先を探している人が多いようだ。

働くにあたっての障害は保育園や学校との兼ね合い 64.2%

「働くにあたって何が障害ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『保育園や学校との兼ね合い(入園できるかどうか等)(64.2%)』と回答した人が最も多く、次いで『勤務時間(59.2%)』『経験のある業務内容と求人内容の違い(29.4%)』と続いた。再就職を検討する場合、まず子どもの預け先について悩む人が多いようだ。また、勤務時間が障害になっていると感じている人も多く、育児と両立できるかどうか不安に感じていることがうかがえる。

次に、前述の質問で働きたいと思わないと回答した人に「免許を持っているが働きたくない理由は何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『労力と報酬が見合わない(47.6%)』と回答した人が最も多く、次いで『子育てを重視したい(47.6%)』『夜勤ができない(42.9%)』と続いた。看護師は体力・気力が必要な仕事であり、報酬が見合わなければ働き続けるのは難しいと考える人が多いのではないだろうか。

子育てと両立できないと考え、再就職を検討していない人も多いことが判明

前述の質問で育児と両立できたら働きたいと回答した人に「働きたい形態はなんですか?(複数選択可)」と質問したところ、『クリニック等(56.1%)』と回答した人が最も多く、次いで『総合病院(40.0%)』『大学病院(25.0%)』と続き、約6割がクリニック等で仕事復帰したいと考えていることが明らかになった。その理由としては次のような回答が寄せられた。

■クリニック等で働きたいと考えている理由を教えてください
・時間外勤務が少なそうだから(30代/長崎県)
・休みがとりやすい(30代/兵庫県)
・夜勤がないから(40代/東京都)
・フルタイムで働くことは考えてないので、短時間などで働けそうなイメージ(40代/新潟県)

働いていない理由、1位は「ライフスタイルに合う募集が見つからない」

「働いても良いと思っていても現在働いていない理由を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『ライフスタイルに合う募集が見つからないため(59.4%)』と回答した人が最も多く、次いで『急な休みを取るのが難しいため(52.2%)』『働く気が起きないため(16.7%)』と続いた。仕事を探してはいるものの、ライフワークバランスを重視した結果理想の勤務先が見つかっていない人が多く、もしも自身のライフスタイルに合う募集を見つけることができれば違った結果になることが示唆された。

次に、働きたい形態の質問で「訪問看護ステーション」「その他」以外を回答した人に「訪問看護ステーションでの勤務を選ばなかった理由はなんですか?(複数選択可)」と質問したところ、『働いたことがないため(46.1%)』と回答した人が最も多く、次いで『身近に勤務先がないため(37.7%)』と続いた。

32.8%が回答。訪問看護は「1人で対処するので孤独」なイメージ

「訪問看護ステーションの現状について、イメージに当てはまるものを教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『患者家族の対応が大変(40.8%)』と回答した人が最も多く、『1人で対処するので孤独(32.8%)』という敬遠気味なイメージが目立った。また反対に、第3位には『子育てと両立しやすい(32.8%)』という肯定的な回答が。では訪問看護ステーションの勤務には、どのようなメリットがあるのだろうか。

「訪問看護ステーションの勤務形態のメリットに関して、知っている点を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『夜勤がほとんどない(54.7%)』と回答した人が最も多く、次いで『色々な勤務形態の方を受け入れてくれる(週1勤務、午前中のみ勤務等)(28.9%)』『直行直帰可(スケジュール次第では、自宅から直接、訪問先を回り、そのまま帰宅)(25.4%)』と続いた。夜勤がほとんどなく、勤務時間の融通が利きやすい職場であれば、子育てとの両立もしやすいことがうかがえる。

【調査概要】「子持ち看護師の働き方」に関する調査
調査期間/2024年2月5日(月)~2024年2月6日(火)
調査方法/リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
調査人数/201人
調査対象/調査回答時に(子供を持ち、現在働いていない看護師)であると回答したモニター
調査元/株式会社エイムス 訪問看護ステーション蒼(https://ao-minato-tokyo.jp/)
モニター提供元/ゼネラルリサーチ

今回の調査で、子どもを持ち今は仕事をしていない看護師の人々の労働意欲や、それに対する障害などが明らかになった。大多数が子育てと両立できるのなら再就職したいと考えているものの、時間的な制限や夜勤などがある勤務先では働くのは難しいと考えている人が多いようだ。高齢化社会の進展や医療費負担の増大から、在宅での終末期医療の需要は増加している一方、働き手である看護師不足は日本の課題とも言えよう。シフトの柔軟性や働く時間の選択肢、フルタイムやパートタイムとフレキシブルな働き方の提供が必要になるだろう。ライフワークバランスを考えると訪問看護ステーションは夜勤がほとんどなく、時間の融通も利きやすいため子育てと両立しやすい勤務先のひとつではないだろうか。

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