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心霊写真も写ルンです


 ちょうど30年前の1986年7月1日、画期的新商品が発売された。後にレンズ付きフィルムの代名詞ともなる、富士フイルムの「写ルンです」だ。当時はカメラ店の他にキオスクなどの駅売店や土産物店でも販売され、買ったその場で即撮影、後は現像に出すだけという気軽さが大いにウケ、爆発的なヒット商品となった。翌年にはコニカ(現DNPフォトイメージングジャパン)も同様のレンズ付きフィルムを発売したばかりか、家電や大手スーパーによるOEM商品も発売され、日常生活へ急速に浸透していった。

 レンズ付きフィルムは社会現象と呼べるほどの売れ行きを見せた一方で、とある不吉な噂もささやかれるようになった。

 それは、写ルンですは「霊も写ルンです」という、ダジャレとも本気ともつかないものだった。ところが信じる人は意外に多く、彼らがレンズ付きフィルムで撮影した心霊写真なるものも、まことしやかに広まっていったのである。

 噂の出どころやきっかけはわからないが、オカルト話の例に漏れず、まずは都市部の中高生によって拡散されたと考えられている。ただ、噂の拡散経路はもうひとつあった。意外なことに、それは不動産業者とされているのだ。

 まず、レジャーシーンでの使用をメインとしていたレンズ付きフィルムにとって、中高生は主要な顧客層であり、特に写ルンですは夏の行楽シーズンを狙って新製品を7月1日に発売していたほどでもあり、両者の結びつきは必然とさえ言える。では、不動産業者とレンズ付きフィルムの結びつきは、どのようにして生まれたのだろうか?

 それは不動産の物件写真である。考えればアタリマエのことで、物件写真が不動産取引に欠かせないのは素人にも容易に想像できるだろう。もちろん、高額物件は建築写真家に任せていたが、多くの不動産業者は自らの小型カメラで賃貸物件や住宅、マンションを撮影していた。だが、既にフラッシュ内蔵オートフォーカス機が主流だったと言っても、特に機械が苦手な人々にとってカメラは敷居が高く、レンズ付きフィルムの登場は当時の不動産業界にとって画期的な出来事でもあったのだ。

 特に喜ばれたのはカメラを持ち歩かずとも出先で買えること、さらに「フィルムの装填や取り出しが不要なこと」で、また最後まで使いきらずに現像しても惜しくないことなどであった。

 当時はバブル景気のまっただ中で、不動産取引は件数も価格も急上昇していた。レンズ付きフィルムは不動産業界のニーズとマッチし、特にフラッシュ内蔵モデルは「不動産業者のセカンドバッグに必ず入っている」ほど愛用されたという。

 そのような背景のもとに、写ルンですには「霊が」写ルンですとの噂が出回り始めたのである。

(続く)

*写真イメージ

【記事提供:リアルライブ】
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