【不朽の名作】独自のSF設定でかぐや姫を描いた「竹取物語」
そのSF要素とは、原作では月へ帰ったという点を、より明確に月からきた地球外生命体とし、UFOなど、当時ブームだったアイテムを盛り込むという形にしたところだ。なお、主役の加耶(かぐや姫)は沢口靖子が演じている。他にも、かぐや姫の父親がわりになる竹取の造を三船敏郎が、母親がわりの田吉女の若尾文子が演じ、さらに大伴の大納言を中井貴一、帝役を石坂浩二にするなど、当時の有名俳優をそろえた形の作品だ。総製作費約20億円、当時としても現在においてもかなりの予算を費やして完成した作品といえる。
映像に関しては予算の潤沢さを示すように、服装も雅やかで、作品の舞台である平安初期の雰囲気がよく出ていると言えるだろう。建物の内装などもかなり質感にこだわっているようで、安物っぽい印象は受けない。冒頭の牛車が駆ける大通りも、奥のほうまで建物が設置されており、かなり色彩的に美しいものとなっている。
さて、『竹取物語』というと、日本人ならば古典を読まずとも、絵本などでなんとなく、大まかなストリーラインは知っている話だ。2013年に制作されたスタジオジブリのアニメ映画『かぐや姫の物語』では、大筋の改変はほぼなしで話を進めたが、この作品では、SF要素を盛り込む他にも若干の改変が見られる。まず、原作の男を翻弄するファムファタール(運命の女)としてのかぐや姫の要素を極力抑えている点があげられる。常識の通じない、どこか超人めいた部分のあるかぐや姫を、普通の“女性”として描こうとしている印象を受けるのだ。そのことにより、かぐや姫に、あるかも定かではない宝物を探してこいと、無理難題を吹っかけられるひとりである、大伴の大納言の扱いが良くなっている。かぐや姫が、大伴の大納言だけは本気で「龍の首の珠」を探してくると信じている描写があり、探してきた暁には結婚しようと明確に思っているのだ。
あとは帝の立ち位置も若干変わっている。かぐや姫を得体のしれない存在だと思っている点では同じだが、原作ではかぐや姫に心を奪われる役どころとなるのが、側近たちが公務をほったらかして宝物を探しに行ったことに憤り、かぐや姫をあくまでも権力者として、積極的に自身の管理下に置こうとする立場になっている。そういった物語展開上の理由もあり、本来帝がやるべき役割の部分を、大伴の大納言が代行している部分もある。他にも、盲目の少女・明野が所々でかぐや姫に助言する立場で出てきたりと、原作からの改変が見られる。
しかし、そういった改変により、ストーリーに斬新さを覚えるかと思うと良くも悪くもそうではない。大筋ではかぐや姫の心境がどうであれ、男たちを翻弄しているのは確かで、しかも故郷に最終的に帰ってしまうのも一緒なので、そこまで大きく変わったという印象は受けない。まあ、主役であるかぐや姫が嫌なキャラクターであるという悪いイメージを受けないことでは、大勢に観てもらう映像大作としては正解だろうが。沢口の演技もそのキャラ設定に合っており、異星人らしい掴みどころのない部分もあるが、原作のように男への軽蔑の眼差しだけではなく、ちゃんと恋愛感情もあり、悪女っぽく見えるというよりは、意思の強そうな女性という印象だ。
ストーリーの改変と共にこの作品で注目なのがSF要素だが、こちらは現在とは比較にならないほどUFOや地球外生命体に関する特集番組が組まれていたこともあり、クライマックスのUFOの描写にはかなりの気合が入っている。CGもない時代にここまでの造型を表現するのは結構大変だったのではないだろうか。とはいっても、やはりエフェクト合成に関しては、若干安っぽさを感じてしまうが…。
ちなみに、この作品より10年前に公開された洋画の『未知のとの遭遇』の影響があるのか、似たような演出が所々で見られる。あと、龍と戦う大伴の大納言のシーンも龍がどこか安っぽい。製作会社が東宝ということで、同時期のゴジラシリーズと同じ技術が割かれているはずなのだが、やっぱり武器が弓矢とモリで、火薬が使えない影響なのだろうか。それでも、SF要素の部分では、市川監督得意のおどろおどろしい演出が光り、得体のしれない雰囲気を感じることができるので、観ていて飽きないシーンにはなっている。
後は劇中の会話に関してなのだが、ほぼ現代風の言い回しとなっている。題材が題材なので、子供でもわかり易くと配慮した結果なのだろう。もちろん、平安時代当時の言葉そのままでやれば、現在と表現が違い過ぎて、意味がよくわからないのは確実なのだが、もう少し言葉のチョイスを考えてくれたらもっと雰囲気が出たかもしれない。とはいえ、当時のUFOブームなどを受けた、挑戦作としては良くまとまっており、結構楽しめる作品だ。
(斎藤雅道=毎週土曜日に掲載)
【記事提供:リアルライブ】
水谷隼氏、伊藤美誠からLINEのブロック解除「無理」と言われた衝撃理由にスタジオあぜん
元アイドルデュオ42歳人気女優、突然過去シングル曲流れ”生動揺”
「金八先生」生徒役の鶴見辰吾が小山内美江子さん追悼「母であり、心の羅針盤たる人でした」
【こんな人】小山内美江子さん「金八先生」降板はテレビ局との意見相違 教育への思い本物だった
【DeNA】「宮崎大丈夫」トレンド入り 宮崎敏郎が頭部ゴロ直撃で担架「試合どころじゃない」
「時間守らないのがおかしい」 水俣病被害者団体に批判電話やメール
車道脇歩く男児を見つけUターン 母親に電話つないだ男性に感謝状
【くら寿司】内部の人に聞いた!「原価の高いネタ・原価の低いネタ」社員いちおしの食べ方も
「金八先生」武田鉄矢が小山内美江子さん悼む「何度も何度も思い返そうと」最後に会ったのは16年
「腐ったミカンの方程式」加藤優役の直江喜一、小山内美江子さん悼み「母でもあった先生。。。」
何があった!?「エアコン」が想定外の壊れ具合!投稿者に話を聞いた
岡本夏生(56)、1600日ぶりにブログを更新した現在が衝撃
「ふてほど」25歳女優“薔薇ブラ”でポロリ寸前?過激衣装に「見えちゃう」「刺激強すぎ」
大物炎上系ユーチューバー”衝撃の預金残高”公開「すげぇ」「エグい」驚きの声
水原一平容疑者 最高刑「懲役33年」トレンド入り 「人生詰んだ」「稀代の詐欺師」の声
水原一平容疑者、歯科治療で大谷翔平から930万円だまし取ったことも判明
米大物俳優、大谷翔平と2ショット公開しネット驚愕「夢のような写真」
元セクシー女優の漫画家、自身の「無痛分娩」の経験振り返り「数時間後には麻酔きれて…」
ベッキー「私のシーン ほとんどモザイクあり」自身”衝撃出演シーン”紹介
ユーチューバーもこう氏、元彼女・成海瑠奈について赤裸々告白
何があった!?「エアコン」が想定外の壊れ具合!投稿者に話を聞いた
岡本夏生(56)、1600日ぶりにブログを更新した現在が衝撃
深夜のファミリーマート徘徊、必ず入っている「フエラムネのミニチュアおもちゃ付」を探し求めた結果……
完全にダマされた! 『ラヴィット!』あのちゃん“事故レベル”大暴走は『水ダウ』遠隔操作のしわざだった ネットも納得
ユーチューバーもこう氏、元彼女・成海瑠奈について赤裸々告白
ガーシー、またも綾野剛の暴露写真でネット歓喜「この写真見て笑っちゃう」
玉置浩二の妻、青田典子(53)の現在がとんでもない事になっていると話題に
小澤征悦と再婚した桑子真帆アナ(34)黒い過去が流出、衝撃の過去にネット騒然
ガーシー、佐野ひなこの暴露を示唆でネット騒然「ファンだったのに」
ガーシーが綾野剛のLINE公開でネット騒然「ショック」「すごいエンタメ」
水谷隼氏、伊藤美誠からLINEのブロック解除「無理」と言われた衝撃理由にスタジオあぜん
元アイドルデュオ42歳人気女優、突然過去シングル曲流れ”生動揺”
「金八先生」生徒役の鶴見辰吾が小山内美江子さん追悼「母であり、心の羅針盤たる人でした」
【DeNA】「宮崎大丈夫」トレンド入り 宮崎敏郎が頭部ゴロ直撃で担架「試合どころじゃない」
【こんな人】小山内美江子さん「金八先生」降板はテレビ局との意見相違 教育への思い本物だった
「時間守らないのがおかしい」 水俣病被害者団体に批判電話やメール
車道脇歩く男児を見つけUターン 母親に電話つないだ男性に感謝状
【くら寿司】内部の人に聞いた!「原価の高いネタ・原価の低いネタ」社員いちおしの食べ方も
「金八先生」武田鉄矢が小山内美江子さん悼む「何度も何度も思い返そうと」最後に会ったのは16年
「腐ったミカンの方程式」加藤優役の直江喜一、小山内美江子さん悼み「母でもあった先生。。。」