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石原さとみ 母として37歳新境地 産後の抜け毛に体の崩れ生かし出産後初の主演作


母となり映画でも母親の役を演じる石原さとみ。年を重ねても相変わらずの透明感で「美しい!」の一言です(撮影・垰建太)

華やかなイメージを一新させる新境地に挑んだ。石原さとみ(37)の出産後初の主演映画「ミッシング」(吉田恵輔監督)が17日に公開された。誰もが知る国民的存在として10代、20代を駆け抜け、現在1児の母。監督への直談判で射止めた復帰作は「奇跡的なタイミング」だった。女優として転機を迎えた同作の撮影中は家族が支えになったという。仕事や子育てに奮闘する現在を聞いた。【加藤理沙】

★沙織里として100%

同作の脚本を初めて手に取ったのは約4年前。母となり、改めて読んだ時「怖くて仕方なかった」という。

「7年前に直談判して、脚本を初めて読んだ時は想像していたんです。子どもを失うって相当つらいだろうと。実際に産んで、自分の命より大切な存在ができた。失ったら…と思った瞬間、苦しくて涙が出てきた」

突然失踪した、幼い愛娘を捜し続ける母沙織里を熱演。自身の産後の抜け毛や体の崩れも生かしながら、役作りに取り組んだ。

「入り込まないとうそになる気がして、沙織里として生きることに100%でした。産後でホルモンバランスが崩れている部分もあり、壊れないか不安でした」

誹謗(ひぼう)中傷や事実をゆがめるマスコミによって、心を失う沙織里の感情のうねりは想像以上だ。

「演技はなく、抑えたくらい。さじ加減は監督が調整してくださった。失踪して3カ月後の話なので時間の経過も考えました」

夫婦間の温度差も如実に描かれ「青木さん演じる豊の発言に、リアルにイラッときて『さっきのなくない?』と言ったこともありました」と笑う。「夫婦のシーンはどこを撮っても成立する気がした」と明かした。

吉田組に「経験と時間が宝物」としみじみ語る。

「映画が決まった4年前は跳びはねるほどうれしくて、撮影前は自信がなくて、現場では『わからない』を言い続けた。ただ、客観的に見ると幸福度が高く、夢がかなった気持ちです」

今後も吉田組参加を熱望しているが「次は10年後ですって。長い! ショック~」と悔しそうに笑った。

★育児はずっと事故

以前「日曜のヒロイン」に登場したのは約20年前。当時16歳。持参した紙面を見ると「若い! こんな昔の紙面も残っているんですね」と素直なリアクション。当時は「29歳で結婚、30歳で男の子、32歳で女の子」と言っていたが「思い通りいかないよ」と笑った。

さらに「女優で1番になりたい」という当時の目標には「1番とかないよ。子どもの体重とか数字ってうそをつかないけど、人が人につける順位は正確ではないと思う」とつぶやいた。

20年10月、一般男性との結婚を発表し、22年4月に第1子出産を報告。同作での復帰に「妊娠、出産を経て、得たことを知っているからこそ、失ったつらさを体現できた」と喜んだ。

「撮影前、覚悟が必要だと感じて、家族にも脚本を見せました。『こういう作品に入ります。だから助けて欲しい』と。実際、心が壊れないように支えてくれました。笑わせてくれたり、栄養を取らせてくれたり。映画は3週間の撮影期間だったので、お互いの両親が来てくれて全面的にサポートしてくれました」

同作を見た家族は大号泣だったと明かした。

「目を腫らして再会しました。撮影中も支えてくれた上に、子どもを失った親の話なので、見るのもつらいと思いましたけど『見て良かった』と言われました」

プライベートでの石原は「育児書をめっちゃ読むタイプ。うちは怒らない育児」と母の顔を見せた。

「モンテッソーリやレッジョ・エミリア教育、教育法は一通り勉強しました。私が『育児書の通りなってない!』って言うと、家族が『そううまくいかないのが育児でしょ』ってなだめてくれます(笑い)」

母になり「自分自身が大きくなった」と分析する。

「私はルーティンが好きだけど、そういかないのが子育て。仕事なら計画が崩れると、ある意味事故じゃないですか。それで言うと、育児はずっと事故! 想定外! 風邪ひくし、ご飯を食べない日もあれば食べる日もある。でも、良いんです。生きてて元気に笑っていることが百点だから」

★仕事をしたい欲求

02年から女優業をスタート。芸能界の第一線で圧倒的存在感を放ち確固たる人気と地位を築いた。

「若い時は夢と目標を持ってました。20歳で夢を描いて、25歳からの5年間で20代前半で描いた夢はほぼかないました」

順風満帆に見えたキャリアの中で「30代はすごく悩んだ」と打ち明けた。「アウトプットばかりだったので学びたかった。舞台も挑戦しました。映像作品でも学びたい欲求と求められる部分、それらをどう調整できるか悩みました」。

そんな中、吉田監督の「さんかく」(10年公開)と出会った。アラサー男女が女子中学生に振り回される三角関係を描いた一作だ。

「同じ動線で同じように目標を立ててもダメだと、自分の真反対を考えたとき、吉田監督作品に出会って、すぐに会いに行きました。結婚や出産もあり、ようやく30歳の頃に動いていたことが形になった。長期間に感じますけど、私は近道な気がしています」

現在37歳。35歳の時に「プライベートの時間を含めた10年プラン」を書いた。家庭と仕事のはざまで葛藤の時期にある。

「仕事をしたい欲求がすごく出てきている。だけど、子育てもすごく面白い時期で楽しい。それでも、やりたいと思える作品に出会えたら本当に幸せだなと思います」

数多くの作品に出演してきたが「まだまだやりたい役はあります。でも、まだ内緒」とちゃめっ気たっぷり。「この監督とこういう作品でこんな役を演じたいと言いに行きたいんです」と目を輝かせた。現在はどんな俳優になりたいのか。

「見てくれる方にワクワクしてもらえたら良いですね。今回、子育てをしている中でこの役柄を演じることができたのは実体験がすごく生きたんです。だから、自分自身の人生経験が役に生きる仕事であるので、プライベートでもいろんな体験をしたいですね」

家庭という土台があるからこそ、石原はさらに輝き続ける。

▼夫の豊役を熱演した青木崇高(44)

愛する娘が失踪してしまう夫婦という役で、とてもつらい物語でした。やはり感情的になるシーンが多かったのですが、共に泣き、共に喜び、ひとつひとつ丁寧に向き合うことができました。感情における強い信頼関係がないとできないことです。そしてそれは石原さんの女優としての、母親としての覚悟からくるものだと感じました。本当に素晴らしかったです。

◆石原(いしはら)さとみ

1986年(昭61)12月24日、東京都生まれ。02年、第27回ホリプロスカウトキャラバンでグランプリ受賞。03年、映画「わたしのグランパ」で女優デビュー、日本アカデミー賞ほか6つの新人賞受賞。同年、TBS系「きみはペット」で連ドラ初出演、NHK連続テレビ小説「てるてる家族」のヒロイン役も。映画「北の零年」、ドラマ「アンナチュラル」など多数出演。主演ドラマ「Destiny」がテレ朝系で放送中。157センチ。血液型A。

◆「ミッシング」

娘を持つ母親が主人公の物語。娘の失踪事件をきっかけに、情報の荒波に巻き込まれ翻弄(ほんろう)されていく母の姿を描く。共演は中村倫也、青木崇高、森優作、小野花梨、細川岳ほか。

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