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シリーズ王道の「猿の惑星 キングダム」 オリジナル第1作で見たあの景色が


(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

「猿の惑星」を改めて振り返ってみると、オリジナルシリーズ5作品は、100年単位で時代を行き来しながら進行した。それに比べて、11年の「猿の惑星 創世記」からスタートしたリブート(再構築)版は数年単位で猿が人間を上回っていく過程を着実に描いてきた。

「創世記」「新世紀」(14年)「聖戦記」(17年)を通した主人公がチンパンジーのシーザーだ。アルツハイマー治療の試験薬を投与された母猿から生まれ、その高い知性で猿界の偉大なリーダーに成長する。3作品では人類との共存を望みながら、紆余(うよ)曲折の末、闘いを余儀なくされた。

新作「猿の惑星 キングダム」(10日公開)は、そのシーザーが亡くなってから約300年後という設定だ。

支配者として君臨するプロキシマス・シーザー(ケヴィン・デュランド)は、「元祖シーザー」とは対照的に狭量な独裁者だ。人類由来の武器を装備しているが、それは旧式で、より強力な新式を求めて、鉄扉とコンクリで固められたかつての人間の武器庫をこじ開けようと躍起になっている。

今回の主人公となる若きチンパンジーのノア(オーウェン・ティーグ)は、鷹匠(たかじょう)のようにタカを操り、狩りをする部族の一員で、彼らは高圧線の鉄塔を改造して住み処にしている。

人類は野生化して、プロキシマスの配下にいいように狩られている。オリジナル第1作(68年)で、チャールトン・ヘストン演じる宇宙飛行士がタイムスリップの末に見た異世界を思い出す。

そんな状況下に、言葉を話す不思議な人間の女性ノヴァ(フレイヤ・アーラン)がノアの前に姿を現す。人類の秘密を握る彼女は、プロキシマスから追われる身で、巻き添えをくったノアの村は焼かれ、部族はプロキシマス軍の奴隷として連れ去られてしまう。

難を逃れたノアはノヴァとともにプロキシマスに立ち向かうことを決意するが…。

今回からメガホンを取るウェス・ボール監督は「メイズ・ランナー」シリーズで知られ、前3作のテイストを尊重した堅実な仕事ぶりだ。猿たちの豊かな表情や滑らかな動きは一段と洗練され、海辺に築かれたプロキシマスの王国やノアの住む「鉄塔村」の造形の随所にこだわりが感じられる。「鷹匠」の設定が効いていて、これが終盤に見せ場を作る。

奇をてらわずにシリーズ王道の匂いが漂わせながら、最終盤にノヴァの秘密が明かされる。否応なく次回作への期待が膨らんだ。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)

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