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阪神タイガース辞書発売!好きこそもののコラボ辞書で賢くなれるかも


三省堂が新しい国語辞典を2月下旬に発売する。「三省堂国語辞典 第七版」は、なんと阪神タイガース仕様という異例のコラボ。

ケースがユニホームを思わせるタテ縞で、表は球団のロゴマーク、裏は球団旗が描かれている。ケースから取り出すと、本体のビニール表紙は虎カラーの黄色、見返しは甲子園球場全体の写真が映っているそうだ。中身も本文の用例の一部を阪神仕様にしているとのこと。

これは、同社の出版局長が熱烈な阪神ファンということがきっかけだそうで、プロ野球に関する商品は多種多様あれど、国語辞典で球団とコラボ的な物は初めてだという。

近年、特に若い世代では、意味がわからない言葉があるとパソコンや電子辞書で即時に調べるのが通常。そのため紙の国語辞典の売れ行きは落ちているそうだが、一方で、辞書でページを探って意味を知った言葉は、時間をかけて苦労した分、脳に長く記憶されるとして推奨、そして愛用する人も根強いという。

そんな中で登場する、アナログな“阪神の辞書”だが、関西を中心に予約はかなり入っているらしい。お勉強の世界に一石を投じるかもしれない。

気になるのは、阪神のことを使用した“例”だ。

例えば、【阪神】という語の説明は、通常・・・

「大阪と神戸(コウベ)(を中心とする地域)。『 ― 工業地帯』」などと載っているが、この阪神仕様の辞書では・・・

「『― タイガース』」

となるそうだ。ド直球でド真ん中にストライクを投げ込んできた感じだ(笑)。

他でも、特に野球でよく使われる語の例文は、きっと阪神の選手の名前を出したりしてわかり易く説明してくれるだろう。

以前にもあった辞書の阪神例文

今回の三省堂国語辞典のような、パッケージまで阪神仕様という辞書ではないが、例文が阪神を完全に贔屓した内容であるとして、「トリビアの泉」という番組で紹介され話題になったことがある。それは、2003年に発行された「ジーニアス和英辞典 第二版」だ。一部を紹介すると・・・

【熱い】例文「彼はタイガースのこととなるとすぐに熱くなる」

【終える】例文「彼は阪神タイガースのグランド整備員としてその生涯を終えた」
【口ぶり】例文「彼は阪神タイガースの監督のような口ぶりだった」
【続く】例文「阪神タイガース優勝セールの行列がデパートまで2キロも続いていた」
【独走】例文「タイガースが首位を独走している」

【攻撃】例文「5回裏のタイガースの攻撃は赤星の二塁打で始まった」
【猛攻】例文「この回タイガースは打者10人の猛攻で5点を取った」
【すべりだし】例文「タイガースは今シーズン好調な滑り出しを見せた」
【独走】例文「タイガースが首位を独走している」
【力投】例文「上原の力投空しくジャイアンツは2対1でタイガースに敗れた」
【ぽんぽん】例文「タイガースの6選手がぽんぽんとホームランを打った」
【優勝】例文「タイガースが優勝した」
【喜ぶ】例文「阪神タイガースがセリーグ優勝をして関西ではどこでも皆が大いに喜んでいた」

――――― 阪神ファンにとってこんなポジティブになれる書物があるだろうか(笑)

これは、辞典の作成が神戸外国語大学の先生方が中心だったこと、更に編集部のスタッフに関西出身者が多かったこと、また、発行された2003年は星野仙一監督率いる阪神がぶっちぎりのリーグ優勝を果たしたこと、などから勢いで阪神贔屓の例文をしたためた、とされているそうだ。

難解な言葉も憶えられる?

紹介したジーニアス和英辞典の阪神の例文は、特に辞書で調べるほど難しい語で作られたわけではない。

今回の三省堂“阪神辞書”は、ただ面白がって出版するわけじゃあるまい。まだ見られないので推測だが、とても難しい言葉の語を、うまく阪神を絡めた例文で説明してくれるのではないか。難解な言葉でも、好きな阪神を絡めれば印象に残って憶えやすい、そういう意図があると思っている。

勝手に作ってしまうが、例えば、

「一家言(いっかげん)」意味:その人独特の意見や主張。また、ひとかどの見識のある意見。

例文「金本監督の選手起用が当たるのは、選手の心理を見抜く力に一家言を持っているからだ」

とか(笑)。

アリかもしれないコラボ辞書!?

もしかしたら、このようなコアなファンをターゲットにした辞書は今後も出せば面白いかもしれない。

「機動戦士ガンダム国語辞典」「新世紀エヴァンゲリヲン国語辞典」「ワンピース国語辞典」

「ドラゴンクエスト国語辞典」「ディズニーランド国語辞典」「嵐国語辞典」

「ダウンタウン国語辞典」「ももいろクローバーZ国語辞典」 ~etc

編纂は大変かもしれないが、好きな対象物から言葉を学べるというコラボ辞書は面白そうな気がする、お勉強道具なので、子供もおねだりしやすそうだ。

阪神辞書は、最初に2万部発行するとしているが、もしもけっこう売れ行きが伸びれば、今後このようなコラボ辞書は増えるかもしれない。

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