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“超一流”のキャスト&スタッフで大いに笑わせる! 映画『ゾンビランド:ダブルタップ』最速レビュー[ホラー通信]



世界興収1億ドル超えという大ヒット、数あるゾンビコメディ映画のなかでも一際人気を博す『ゾンビランド』(2009)。ゾンビものによくある“死亡フラグ”を逆説的に利用した“生き残るための32のルール”や、ゾンビ殺しをゲーム的に楽しんだり、芸能人の豪邸を勝手に謳歌したりといった“終末世界を楽しむ姿勢”が痛快で、思い切り笑えてなんとも後味のいい映画だった。


そんな『ゾンビランド』から早10年。現実の時間経過と同じく主人公4人の10年後を描く続編『ゾンビランド:ダブルタップ』が登場である。ゾンビ社会を明るく生き抜く凸凹4人組、コロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)、タラハシー(ウディ・ハレルソン)、ウィチタ(エマ・ストーン)、リトルロック(アビゲイル・ブレスリン)が、キャストも同じく勢揃いだ。お前ら生きとったんかワレ……!



クセが強いよ! 新キャラ続々登場。



パッと見、キャスト陣の驚異的なルックスの変わらなさのせいで10年経ったようには見えないが、10年の年月はしっかりと経過している。ジェシー・アイゼンバーグなんてまだ学生に見えるけど……。※36歳です


人類のゾンビ化は進む一方で、物資も枯渇していき復興の気配はなし。コロンバスは前作で「時にはルールをやぶることも必要」と学んだはずだが、人間そう簡単には変わらないようで、“生き残るための32のルール”をいつの間にやら73に増やしていた。多すぎだろ。


なお、前作で恋が始まったコロンバスとウィチタはすっかりベテランカップルとなり、ややマンネリ気味。そこへ、アホみたいな策で奇跡的に生き残っていた全身ピンクのブロンドギャル マディソンが現れ波乱を巻き起こす。頭がキレてクールなウィチタとは正反対、口を開けばIQが伺い知れるマディソン。おバカなブロンドちゃんというステレオタイプなキャラクターも、ゾーイ・ドゥイッチの“ギャルみ”溢れる名演によって、殿堂入りさせたいほどの爆笑キャラに仕上がっている。



10年という時間経過がもっとも重くのしかかっているのはウィチタの妹、リトルロックだろう。わずか12歳でゾンビパンデミックに巻き込まれ、姉貴とその彼氏、そして粗野でデリカシーのないおっさんと一緒に10年過ごしてきた。その間、もちろん恋愛する機会などなかった。生き残りの人間は減っていくばかりだし、同世代と出会うことすらない鬱憤を溜めに溜めまくっている。


そんな彼女にも、ついに恋の季節が訪れる。「よかったね、リトルロック!(泣)」と涙目で祝福したいところだが、相手に少々不安が残る。このゾンビ社会でまさかの非暴力を貫くガンジー系ヒッピー男子・バークレーである(ただしイケメン)。現実逃避したいリトルロックの心情を象徴するかのような相手なのがなんとも泣かせる。




タラハシーにそっくり(?)な、ルーク・ウィルソン演じるワイルドガイ・アルバカーキや、ロザリオ・ドーソン演じる超タフな美女・ネバダも新登場。しかし、プレスリーの格好してみたり、美女を前に表情筋がゆるみまくったり、タラハシーは相変わらず楽しそうである。


残念ながら(?)、新キャラは生きている人間だけではなかった。10年の間に社会が復興しない代わりにゾンビは進化していたのだ。コロンバスが“T-800”(元ネタはお察し)と名付けた進化系ゾンビは、凶暴性もスピードもアップし、トドメの二度撃ち(=ダブルタップ)すらも効かないと来ている。果たしてそんなゾンビたちに彼らはどうやって立ち向かうのか。スリル満点、予算も大増量(※主観です)の壮絶バトルが待ち受けている!



“超一流”のキャスト&スタッフで大いに笑わせます。



前作の時点でウディ・ハレルソンとアビゲイル・ブレスリンはアカデミー賞ノミネート経験があったが、その後10年間でジェシー・アイゼンバーグとエマ・ストーンもアカデミー賞にノミネート(エマは受賞も!)され、無名キャストの低予算作品が多いゾンビコメディジャンルにしては異例の豪華キャストとなった。


更に、監督のルーベン・フライシャーは『ヴェノム』を、脚本のレット・リースとポール・ワーニックのコンビは『デッドプール』を手掛け、それぞれに大出世している。いわば“超一流”となったキャスト・スタッフでおくる新作なわけだ。しかし『ゾンビランド』は『ゾンビランド』。狙うはオスカー像ではなく観客の笑顔である。


「前作観たならどんなノリか分かってるでしょ?」と言わんばかりに、初っ端からアクセル全開で笑いをかっさらいにくる。試写では開始数秒で第一爆笑が巻き起こるというスピード感だ。のびのびとしたギャグを心底イキイキと演じているキャスト陣に思わず顔がほころび、こちらもどんどん肩の力が抜けてくる。この10年間実生活でも連絡を取り続け、絆を深めていたという彼らのコンビネーションは抜群だ。


固有名詞を盛り込んだ悪ノリギャグも連発、このあたりは本作の脚本家コンビが手掛けた『デッドプール』が好きな層のツボにもハマるかも。前作のファンはもちろんのこと、今作から興味を持って『ゾンビランド』の世界に足を踏み入れるのももちろんアリ。前作を踏まえてのギャグも盛々なので、鑑賞前には前作を予習しておくと更に楽しめる。



笑いだけではないのが『ゾンビランド』。主人公たちのドラマもキーポイントだ。前作では、ゾンビ・パンデミックさえ起こらなければ接点すらなさそうな4人が偶然出会い、同じ困難を乗り越えていくなかで、家族のような絆が生まれる様を描いていた。しかし、家族には家族の問題や衝突があり、人生にはどんな局面でも課題が尽きない。ふんだんな笑いの中にも、ゾンビランドファミリーの4人がそれぞれの立場で抱える葛藤を描き、共感し得るドラマになっている。



ビル・マーレイ、“また”出てます。


ところで、本作の予告編はご覧になっただろうか? まだの方はこちらをどうぞ。




[予告編が表示されない方はホラー通信の記事をご覧ください]


観てお分かりのとおり、前作に本人役で登場しエラいことになったビル・マーレイが再登場している(どんなエラい目に遭ったかは前作を観てネ)。


見どころ笑いどころ盛りだくさんの本作にして、観終わったあとは真っ先に「ビル・マーレイ最高だったね……」と口走ってしまう活躍ぶり。ビル・マーレイ目当てで鑑賞したい方もご期待あれ!


『ゾンビランド:ダブルタップ』

11月22日(金) 全国ロードショー



―― 会いたい人に会いに行こう、見たいものを見に行こう『ガジェット通信(GetNews)』
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