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映画『愛なき森で叫べ』は園子温版アベンジャーズ!? 「実際の事件に、これまでの作品のキャラクターたちが出てきたら……」



Netflixは6月25日、2019年夏以降に配信する最新ドラマ、映画、ドキュメンタリーを一挙に紹介する「Netflixオリジナル作品祭」を開催。


2019年秋に配信予定のNetflixオリジナル映画『愛なき森で叫べ』からは、椎名桔平、満島真之介、でんでん、園子温監督、プロデューサーの武藤大司が登壇し、トークセッションが行われた。


今作は実際の猟奇殺人事件にインスパイアされた実録シリーズ第3弾。村田丈(椎名桔平)は一見、快活で好ましい人物だが、実際には他人を巧みな話術と暴力で支配し、金を搾り取り、出会った人々を残虐な犯行へと巻き込む冷酷な先天的犯罪者。彼に出会い運命を狂わされた女性たちとその家族の物語を通じて、いつ自分が善悪の狭間に落ちてもおかしくない現代社会の本質を描き出す。



「プロデューサーの武藤さんからNetflix での映像化のお話があり、(実際の事件の)再現ではなく自分なりの物語が作れるのであれば、ということで引き受けた」と制作スタート時のエピソードを語った園監督。


今作には『ハザード』『自殺サークル』『Strange Circus 奇妙なサーカス』『冷たい熱帯魚』『恋の罪』といった園監督作品に登場した村田、美津子、妙子、シンなど、おなじみの名前のキャラクターも登場することに触れ、「実際の事件に、これまでの作品のキャラクターたちが出てきたら、彼らがどう事件を動かしていくか、新たな火花が飛び散るのを期待して台本を作りました」と語り、さながら園子温ユニバースとも言える過去作品との連なりを明かした。



天性の詐欺師・村田を演じた椎名は、「『新宿スワンⅡ』でお会いする前からずっと園監督と一緒に仕事をしてみたくて、今作も何でもやろうと思って参加したけど、思った以上にいろいろとやらされましたね(笑)。村田は明るくポップな性格で、底抜けに明るいキャラなのに、殺人鬼なんです。役作りしてもこれは無理だな、と。一つの人物の中に混在しているものがたくさんあって、シーンごとに監督の方向性にもっていくことを毎日考えながら演じていました」と、撮影当時を振り返った。



愛知県豊川市出身でぴあフィルムフェスティバルを目指す青年シンを演じた満島は、かつては園監督の撮影現場で助監督を務め、今作が園監督作品への出演3本目。「僕が初めて見た園監督の作品『HAZARD』で、オダギリジョーさんが演じていたのがシンという役なんです。オダギリさんのシンに魅了されていたころの感情を思い出しながら演じました。シンは豊川から夢見て状況してきた青年で、監督と同じ境遇だったので、監督をイメージして精一杯演じさせて頂きました」と、思い入れの強いキャラクターを演じたことを明かした。



また園監督作品の常連で村田の被害者となる尾沢役のでんでんは、「園監督の作品は常に手抜きができないから本当に大変。何度もたたかれるシーンがあって、顔が腫れるまで実際にはたかれたけど、完成したのを見てみたら全部カットされていた……」と、苦笑いを浮かべた。


今年2月に心筋梗塞のため緊急搬送され、この日のイベントが復帰後初の公の場となった園監督は、「一回死んでよみがえった。すべての原因はこのNetflixの映画です。これのストレスのせいで倒れたと言っても過言ではない。大変な長い時間をかけて作りました。慰謝料をNetflixに請求しようかな」と冗談交じりに話し、作品の完成度に自信をのぞかせた。



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