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映画クロスレビュー:貧困・人種問題を真摯にとりあげ、パーフェクトなエンタメに仕上げた一本『ブラックパンサー』



【ストーリー】

若き国王ティ・チャラ、またの名を漆黒のヒーロー<ブラックパンサー>。2つの顔を持つ彼の使命は、祖国である超文明国家ワカンダの“秘密” ──“ヴィブラニウム”を守ること。

それは、世界を破壊するパワーを秘めた鉱石だった。突然の父の死によって王位を継いだティ・チャラは、人類の未来をも脅かすこの国の“秘密”を守る使命を負う事に。

だが――「私に、使命が果たせるのか…?」

ミステリアスな新ヒーローが躍動する、ハイスピード・アクション・エンターテイメントが幕を開ける!


監督:ライアン・クーグラー(『フルートベール駅で』、『クリード チャンプを継ぐ男』)


ティ・チャラ/ブラックパンサー:チャドウィック・ボーズマン

エリック・キルモンガー:マーク・ラファロ

ナキア:ルピタ・ニョンゴ

オコエ:ダナイ・グリラ

エヴェレット・ロス:マーティン・フリーマン


http://marvel.disney.co.jp/movie/blackpanther.html


(C)Marvel Studios 2018




公開されるやいなや全世界で大絶賛されている『ブラックパンサー』。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のファンはもちろん、アメコミ原作映画には馴染みがないし、途中から入りづらいと敬遠していた、という人にこそぜひ観ていただきたい作品です! なぜなら本作はMCUシリーズの最新作でありながら、この作品単体で観ても全然大丈夫なのです。


『ブラックパンサー』の最も優れたところは、その深みのあるストーリーです。父親の突然の死で王位を継ぐことになった若き王子、その正体は世界最強の戦士ブラックパンサー。そして彼の前に現れる謎の青年エリック・キルモンガー。物語はこの二人を主軸に、ワカンダ王国の大いなる秘密を巡る戦いが壮大なスケールで描かれます。国を守る責任の重さと家族への愛情など、さまざまな心の葛藤にゆれる国王役チャドウィック・ボーズマンの見事な演技。そしてマイケル・B・ジョーダン演じる宿敵エリック・キルモンガーのなんと魅力的なこと! そこには単純な“善と悪”の構図はありません。復讐譚という普遍的な物語をベースにしつつ、貧困問題、人種差別といった深刻な問題を真摯にとりあげ、なおかつパーフェクトなエンターテインメントとして仕上がっている本作には、新しいヒーローものの誕生を確信しました。


さらには舞台がアフリカのため、目がさめるようなカラフルで斬新な民族衣装の数々も見逃せません。野性的なアフリカン・アートを模した戦闘服や、有機的でなおかつメカニカルな最新兵器のデザインの美しさにもうっとりします。そして国王を守る最強の女性戦士たちのしなやかで躍動的なアクションにもほれぼれ! 画面を明るくする天才科学者の妹シュリ(レティーシャ・ライト)は日本でも大勢のファンがつくことでしょう。CIAエージェントのマーティン・フリーマンの大活躍もありますよ! 見所満載の本作、くれぐれもお見逃しの無いよう。


【プロフィール】♪akira

翻訳ミステリー・映画ライター。ウェブマガジン「柳下毅一郎の皆殺し映画通信」、翻訳ミステリー大賞シンジケートHP、月刊誌「本の雑誌」、「映画秘宝」等で執筆しています。


シュリちゃんのスピンオフを熱望


ブラックパンサーは『シビル・ウォー』で鮮烈なデビューを飾ってるし、新たに何を描くんだろうと思っていたら、ド直球のヒーロー誕生物語でした! 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』や『マイティ・ソー バトルロイヤル』といったヒャッハー系作品と比べると非常に硬派で、社会的メッセージ性が強く、単体として上手にまとまった作品という印象。それが米国で大大大ヒットしている理由でもあるし、一方でもしかしたら物足りなさを感じちゃう人もいるかも?


架空の超文明国家ワカンダには5つの部族が暮らしており、それぞれ役割や文化が異なります。その中のひとつに国境を守る役目の部族がいるんですけど、彼らの戦い方がめちゃくちゃカッコイイんですよ。この映画のハイライトシーンと言っても過言じゃないくらい。ヴィランのバックグラウンドも古典的かつ新鮮だし、アフリカの民族音楽とヒップホップを融合した音楽とか、アガるポイントを挙げればキリがないです。


そんな中でもやはり特筆すべきは、王女であり天才科学者のシュリちゃんですよね。ももクロの百田夏菜子さんが吹替えを担当するとのことでチョイ役かなと思ったのですが(←失礼)、意外や意外、前評判の高いオコエ先輩のお株を奪うほどの大活躍を見せてくれました。メカ担当のプリンセスとして、是非スピンオフのドラマシリーズを作って欲しいレベル。アベンジャーズは難しくても、S.H.I.E.L.D.には勧誘した方がイイんじゃないっすかね。


『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』があと2か月と経たずに公開される異常事態の今年。予告編のとおり、またワカンダの部族たちが集結するのであれば、それだけでアサムズアップ間違いなしです。『インフィニティ・ウォー』を全力で楽しむためにも劇場にGOですよ!


【プロフィール】よしだたつき

PR会社出身のゆとり第一世代。俺たちの夏菜子版も見に行くっきゃない!


マーベル初心者の僕が心の底から楽しめた!


アベンジャーズ、実は全然わかってない僕なんです。

いや、アイアンマンとかキャプテンアメリカとかハルクとかアントマンとか、キャラクター単位ではわかってるんです。けれどシリーズ欠かさず観てます! ってファンの人の会話には混じれず「うわあ、楽しそう」っていつも思いながら「へー」とか「ほー」とか相づち打つくらいのアベンジャーズ初心者の僕なのですが、『ブラックパンサー』は心の底から楽しんでしまいました。


どうやらアベンジャーズって各キャラクターごとの世界観のつながりで楽しめる構造らしいんですが本作『ブラックパンサー』に関してはお話がこの世界でほぼ閉じているんです。つまり僕みたいなマーベル初心者が予備知識ゼロで観ても、爽快に楽しめるようになっていました。


舞台は僕らの知っている世界とつながっている、全く知らない世界。その描かれ方がとにかく緻密で丁寧なので、最初に思ったのは「リアルってすごい」という(微妙に間違った)感想。言うてもそこそこいろんなものを見たり経験してきたオトナが「こんな現実もあるのか!」って引きずり込まれるパワーが場面ごとに満ちています。本当に。


単純な戦いだけじゃない、苦悩と決断に満ちた2時間を映像の美しさとともに堪能してください。アベンジャーズ初心者の方であればなお、是非!


【プロフィール】オサダコウジ

特撮と豆が好き。四頭身の抜群のスタイルを活かして、様々なコスプレに挑戦中。http://getnews.jp/archives/2020355


部族の伝統と最新テクノロジーの融合が超クール!


去る1月末に『ブラックパンサー』のロケ地取材で、韓国・釜山に行っていた私。映画観た時は「あの場所も、この場所も出てる!!」ってめっちゃ興奮しました。部族の伝統的なバトルの部分はワカンダで行われますが、カーアクションやブラックパンサーが街中を暴れるシーンはほぼ釜山だったので、行った甲斐があったとホクホクしています。

(記事はこちらから http://getnews.jp/archives/2018116/)


さて、『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』(2016)で初登場したブラックパンサー。単体作品でどの様な活躍を見せてくれるかと思いましたが、カッコよかったですね~。まず、ワカンダの皆さんがスタイル良すぎ、ファッションが素敵すぎ、スーツにカラフルな布巻いてってあんた……センスありすぎ!とギュッとハンカチを噛みしめまくり。そして音楽。今年のフジロックフェスティバルにも出演が決定しているラッパー、ケンドリック・ラマ―の音楽とブラックパンサーの世界が見事に融合していてたまげました。もっと、とってつけたようなカッコよさ(そういうのも好きですが)かと思ったら、ラップと太鼓の音とか伝統音楽がすごくなじんでいて。ああ、音楽って精神を鼓舞するためのものだよな、と人間の本能について考えてみたりもしました。


猛スピードの車のタイヤを爪でおさえる、とか、ビルにぴょーんってのりうつる“パンサー”的なアクションは思ったより少なめだったので、もうちょっと観たかったという気持ちもありますが、陛下の活躍今後も期待大であります。


【プロフィール】藤本エリ

ミステリアスなキャラクターが好きなので、バッキ―(ウィンターソルジャー)推しなんですが、猫科が好きなのでブラックパンサーも好き!


―― 会いたい人に会いに行こう、見たいものを見に行こう『ガジェット通信(GetNews)』
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