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嗚咽をしながら練習……声優・田中理恵のプロ技術にKENNも驚愕 海外ドラマ『ヒューマンズ』インタビュー



人間に代わり家事や仕事をこなす高性能AIロボット“シンス”が普及する現代に近い世界を舞台に、人間と人工知能の境界線が崩壊していく、近未来を予測するような不気味なSFサスペンスドラマ『ヒューマンズ』が10月11日(水)よりHuluプレミアにて配信スタート。


自我を持たないはずのAIロボットが隠し持つ過去の記憶とは……?



感情を持たないAIロボットと時折過去の記憶が蘇り微かに感情を表す主人公アニータを繊細な表現で演じ分けたのは、公開したばかりの『トランスフォーマー 最後の騎士王』で注目を浴びたジェンマ・チャン。AIロボットたちと行動をともにする謎の青年をコリン・モーガンが演じます。



2人の日本語吹替を担当する、声優の田中理恵さんとKENNさんにインタビュー。作品の難しい表現についてや、日常で使っているロボットのお話なども伺ってきました!


※すべての画像が表示されない場合はOtajoからご覧ください

http://otajo.jp/70092[リンク]


リアルな未来? AIロボット“シンス”を欲しいと思う?


――本作の魅力や面白いと感じた部分を教えてください。


田中:近未来というより、私達が生きている現代と同じくらいの時代の中で、高性能化した人型のロボットが家庭に召使いのように1体ずついるのが普通という世界設定になっていて、介護なども病院からAIロボットが派遣される。そんな高性能ロボットが普通に生活の中に存在しているという設定が面白いと感じました。一家に1体、人型のAIロボットがいるというのは、人間がもう1人いるようなものなので、どんな接し方をしているのかな?というところは見どころですね。実際に家族と同様に扱っている家庭があったり、そうじゃなくロボット・物として扱っている家庭もある。そういった背景を見られるのも面白いなと思いました。


KENN:田中さんがおっしゃった通り、現代の世界観の中でシンスと呼ばれるロボットがいて、当たり前のようにみんなと一緒に生活しているところが、「面白いな。もし現実にこんなロボットがいたら自分はどんな生活をするのかな」と、この作品に触れさせていただいて最初に感じました。その中で起こる人間関係だったりとか、それぞれの人間たちがロボットたちに対してどういう風に接するのかも各家庭によって全然違ってくるので、そこを垣間見れるのは面白いです。タイトルが『ヒューマンズ』ですが、まさに人間ドラマだなと思います。人間同士の機微だったりが、ロボットがいるからこそ、より如実に出てくるというか。


田中:逆にロボットがいるからこそ、その人の生活がひっくり返されることもあります。だから、英語タイトルロゴの“HUMANS”の“A”がひっくり返されているのはそういう意味なのかなと思ったんですよね。ロボットによって、何かリズムやサイクルなど、いろいろ掻き乱されたりするミステリアスさが、逆さまになった“A”に表れているのかなと思っちゃいました。


KENN:かと思えば、ロボットと人間が一緒にいることによってすごくピュアな思いやりが生まれる場面もあったりするので、一概にいけないものというわけでもないし、すごく良いものというわけでもないかもしれないし。そのひしめき合っている人間とロボットとの関係性の中で、僕らが普段生活していて気づけなかったところとか、勉強になることもありました。



――自分だったらシンスは欲しいと思いますか?


KENN:僕は欲しいですね、洗濯をやってほしいです。料理はキッチン周りを自分で片付けながらすることはできるんですけど、洗濯が苦手なんです。昔、服屋さんでバイトをしていて、1日何百回って服を畳んでいたんですけど、飽きちゃって(笑)。


田中:じゃあ、キレイな畳み方とかできるんですね。


KENN:一応できるんですけど、そこまで自分のためにキレイにやることもないだろ、って洗ったものはペッてそのままにしちゃうんです。


田中:私は食器の洗い物が好きじゃないんですけど、その辺よりも、英会話とかの語学を自宅で全部シンスに教えてもらいたいな。習い事が外に行かなくても全部家でできるみたいな(笑)。そういうのがあったらすごく便利ですよね。シンスだったら高性能だから各国の言語や勉強を教えてくれそう。


KENN:あと、僕は服のコーディネートをして欲しいです。「じゃあ今日はこれを着ていってください」みたいな。自分で考えなくていいから(笑)。


田中:前日の夜とかに決めておけばいいのに、大体直前になって「どうしよう、どうしよう!(天気見て)今日雨じゃん!」とか悩むときはありますもんね(笑)。


ロボット感を出すために息継ぎも瞬きもせずアフレコ!?



――演じられたキャラクターの紹介をお願いします。


田中:アニータは、元々レオと行動していたんです。でもある出来事をきっかけに、プログラム通りにしか行動しない別人のようなシンスになってしまった。だけど、やっぱり普通のシンスとは違って、1話から少しミステリアスな雰囲気を秘めているという演出にはなっています。「このシンス危ないかも?」と思わせる。


KENN:1話からすごかったですよね。意味深な感じで終わって気になる。僕が演じるレオは、過去にアニータと思われる女性と別れ別れになって、彼には彼の目的があって必死になっている、というところから始まります。ものすごく人間臭いキャラクターで、頭脳明晰だとかそういったずば抜けた才能はないんですけど、がむしゃらに頑張っているところが彼の魅力です。彼にも謎があって、徐々に明かされていきます。



――演じる上で苦労した点や気をつけた部分はなんでしょうか?


田中:人間の形をしているんだけど人間じゃないので、プログラムされた感じの喋り方をやらなければならなかったので、すごく難しかったんですよね。アニータの購入者のホーキンス家の人たちが普通に喋っているのに対して受け答えするのに、ロボットっぽいプログラミングされた感じの決められた音域だけのところでコミュニケーションをとるというお芝居をするので、すごく難しかったです。


KENN:そもそも役者って演じる時に感情を出すってお仕事じゃないですか。それを逆にベクトルを向けなきゃいけないって作業ですもんね。


田中:あと、できるだけ息継ぎをしないようにしてました。


KENN:えー! そうだったんだ! うわ、だってすごい長台詞とかもありましたよね?


田中:だから鼻で息を吸いながら台詞を喋るみたいな。口で息を吸うとノイズが入るから、なるべく一気に言えるところは台詞を一気に言っちゃうとか、いろいろ考えてやりましたね(笑)。息を吸うとなんか人間ぽくなっちゃうなーとか考えながら。


KENN:すごい。マイク前でそつなくこなしてらっしゃるから。そんな息苦しいことやってたんですね。


田中:自分の台詞のところだけ瞬きもせずにやってたんだよ! 目が乾いて乾いてしょうがなくて(笑)。「やばい!画面が霞んでくる」とか思いながら第1話やってました(笑)。



――話数を重ねるごとに慣れたりされたんですか?


田中:全然慣れなかったです! 自分の台詞のところは「私、本気出せ!」みたいな感じで目を見開いてやってました(笑)。


KENN:すごいストイックだな~。


――吹き替えの台本には息継ぎのブレスの位置が書かれていたりしますが、やはりアニータはあまりなかったんでしょうか?


田中:ほとんどない感じですね。演じてらっしゃる女優さんの台詞に合わせてブレスを付けましたけど、そこで確実に息継ぎをするかというと、息継ぎをせずに間だけ置いて一気に言うということをやっていましたね。だから一つの台詞を言うのに苦しいところもありました。特に、第1話のキッチンで笑うところが一番苦しかったです! もう家で何回も何回も嗚咽しながら台詞の練習して(笑)。辛かったです。あそこも大体ほとんど息継ぎせずにやりました。もう、なるべく人間味がないようにやろうと努めましたね。



――KENNさんは何か気をつけた点はありますか?


KENN:僕は田中さんとは逆に、人間臭くやろうと。元の役者さんもそうされているし、細かい息遣いだったり間だったり。基本的に明るく振る舞ったりという感じではないんですけど、目的のために必死になっている様を表現する時に、辛い中、声を絞り出したり、そういった息と間の芝居をすごく意識しましたね。


力尽きるロボット掃除機がかわいい(笑)


――田中さんは『ローゼンメイデン』や『ちょびっツ』など、以前も人間ぽくないキャラクターも演じられていますが、そういった役から今回影響を受けた部分はありますか?


田中:『イブの時間』という作品でもロボットの役を演じたんですが、今回はあの辺りの役に近いのかなと思います。でもドラマの吹き替えはアニメーションとはやっぱり芝居の仕方が変わりますよね。リアルな人間が声を当てていて、無機質な音として出すみたいな。アニメーションのアフレコだともうちょっと感情を入れるんですよね。だから、今回はインフォメーションセンターの定形のアナウンスじゃないですけど、それに近いです。きちんと丁寧語で話すけど、そこに感情はなくて、誰でもわかりやすい発音と音域でやるみたいな、そういう印象ですかね、アニータは。


KENN:じゃあ個性を消さなきゃいけないという感じですかね。


田中:個性は消していました。子どもに接するときは「やさしさモード」に入るみたいな設定があるという説明を受けたので、そのときは少し優しく話したりしましたが、大人と話すときは無機質な感じで、プログラミングされているという設定で芝居をやっていきました。



――KENNさんは、今回レオを演じるにあたって今までのキャラと違うなと感じた部分はありますか?


KENN:すごくセンシティブに語るように喋ったりとか、自分の感情の表現が細かい。間だったり顔の表情だったり、息や出す声などの表現を繊細に役者さんがやられているので、自分もそれを日本語でどういう風に表現しようかといろいろ研究させていただいています。原音と同じようなボリュームだったり声の出し方をしてしまうと、日本語だと伝わりづらい部分があるかもしれないので、日本語でやる場合は母音をもっと強くしないと画とマッチしないかな、などいつも考えつつやっています。


――注目して見て欲しい登場人物は?


田中:私は警察官のピートとカレンですね。注目して欲しいというか、自分の中に刺さる感じでした。


KENN:僕はマックスですね。台本のト書きにもいつも「かわいいマックス」って出てくるたびに書いてあるんです(笑)。あとミリカン博士も好きです。みんなキャラクターが立っていてすごく魅力的ですね。言い出したらきりがないくらい。


田中:きりがないですね。一人ひとりに注目のエピソードがあります!


――現在使っているAIのサービスやロボット家電などありますか?


田中:ロボット掃除機は使っていますね。便利ですけど、充電に戻ってくるときに、充電器の段差で入れなくて力尽きて、大体私が直接持って充電のところに戻す。


KENN:かわいいですね(笑)。僕はスマホで、予測変換とかお世話になってますね。だから元々苦手な漢字がより苦手になっていく……。


――あったら欲しいなと思うロボットは?


田中:ヘアメイクロボットとか欲しい! ヘアメイクさんってお仕事以外ではなかなか巡り会えないですからね(笑)。女性としては、毎日プロ並みにキレイにしてくれるヘアメイクさんがいたら最高ですよね。そんなアンドロイドやロボットがいたらいいなと思います。


KENN:洗車をしてくれるロボット……。自分でやったりもするんですけど、なかなか出来ないときもあるので。自分でガソリンスタンドに行けよって話なんですけどね(笑)。


――ありがとうございました!


毎回1話ずつ台本を貰うので、キャストの2人も「え!?」と驚きながらアフレコをしたという本作。一体どんな謎や人間模様が繰り広げられるのか……。『ヒューマンズ』シーズン1(全8話)はHuluプレミアで毎週水曜日に1話ずつ追加配信。


ヒューマンズ:

https://www.happyon.jp/humans


[撮影:周二郎]


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