仮想通貨の「スケーラビリティ」とは?初心者向けに専門用語を解説!

インターネット以来の技術革新といわれるブロックチェーン。経済産業省の試算によると国内のブロックチェーン関連の市場規模は67兆円に達すると予測されています。その応用は金融とITの相乗であるフィンテック分野に限らず、流通分野をはじめ幅広い分野への適用が期待されています。

そうした仮想通貨やブロックチェーンを活用するためにはまず専門用語を知ることが第一です。そこで今回は「スケーラビリティ問題」とそれに関連した「ハードフォーク」について学びましょう。

仮想通貨における「スケーラビリティ」とは?

「スケーラビリティ」とは、ITの分野で機器・ソフトウェア・システムなどの拡張性のことを指します。システムの利用や負荷の増大、用途の拡大などに応じて、どれだけ柔軟に性能や機能を向上・拡張できるかを表した言葉です。ソフトウェアの場合、小規模な機器やシステムから大規模なものまでを同じソフトで対応できることを意味する場合もあります。

スケーラビリティの高いことを英語では「scalable(スケーラブルな)」と表現します。
実際にスケールを拡張する方法には二つの考え方があり、高機能の機器やシステムに交換することで規模を拡張することを「スケールアップ(scale-up)」と呼び、運用する機器やシステムを増やして負荷分散を行いながら規模を拡張することを「スケールアウト(scale-out)」と言います。

仮想通貨の仕組みとスケーラビリティ問題

ブロックチェーンの仕組み

一般にコンピューターネットワークにおいてデータ交換の仕組みには、「クライアント・サーバ型」と「P2P型」の2種類があります。ブロックチェーンはP2P(ピア・ツー・ピア)というネットワーク方式を採用しています。

ブロックチェーンは、クライアント・サーバーに相当する「中央」にネットワーク全体を管理するコンピュータが存在せず「分散」しており、ユーザー同士が管理を行っています。これが「P2P(ピアツーピア)方式」という形式で、「分散型取引台帳」とも呼ばれています。

このように、ブロックチェーンは複数のコンピュータに分散されて管理されるため、取引ごとのリアルタイム更新には対応できないというデメリットがあります。ビットコインは10分単位でデータをまとめて承認するという限界・難点があるのです。

マイニングの仕組み

では設計された当初に発行できるコインの総数が決められています。新しいコインを発行するには「マイニング(発掘)」と呼ばれるコンピュータでの計算競争を行い、その勝利者になる必要があります。

マイナーと呼ばれる勝利者は新しいブロックを作成して既存のブロックチェーンに接続する権利を得ます。この新しいブロックの中に、自分宛ての取引記録を収納することが許されます。これがマイニングのインセンティブになります。
マイニングには大量のコンピュータをフル稼働させるため、膨大な電力コストが必要となりますが、その対価として新しいコインを発行できる権利が得られるわけです。

このようにビットコインでは、「新しいコインを発行する」という作業を人間の欲望に基づく競争によって行い、マイニングに参加する皆が相互に了解を行うことで、中央管理組織のような「信頼できる第3者」が不在でもネットワークの信頼性を担保できる「コンセンサスアルゴリズム(合意の仕組み)」というシステムを実現しているのです。

「スケーラビリティ問題」とは

「スケーラビリティ問題」とは、ブロックチェーンのネットワークが拡大し、送金の遅れや手数料の増加、処理速度の低下などのマイナスの現象が引き起こされる問題のことです。ブロックチェーンのネットワークに参加する人やノードの数が増えることが要因で発生します。

ノードとは英語の「node(節や結び目という意味)」で、IT分野ではネットワークに接続されているコンピューターひとつひとつを指します。ノードの基本的な役割はトランザクションの検証ですが、ノード数が増加することによってノードの検証に時間を要するようになり、その結果、スケーラビリティが問題となります。
 

「スケーラビリティ問題」で起こったハードフォーク

「ハードフォーク」とは元々ソフトウエア開発分野の用語で、プログラムを新しいものに更新する際に、もとのソフトと新しいソフトとの間で互換性がないことを指します。
「ハード」とは「強烈な」の意味。「フォーク(fork)」とは分岐、分裂という意味です。

実際にはブロックチェーンのハードフォークは、2017年にビットコインから(BCH)が分岐して誕生した事案が話題となりました。この際、開発コミュニティ内で対立が起こり、新しいルールを採用するブロックチェーン(ビットコインキャッシュ)と旧ルールを採用するブロックチェーン(ビットコイン)の2つに分かれたのです。
では2016年にハードフォークが起き、従来のイーサリウムとに分裂しました。このきっかけは投資ファンド「ザ・ダオ」からの大量の資金流出です。イーサリウムのコミュニティはハードフォークを選択し、すべてのマイナーが新しいコードに沿ったマイニングを始め、奪われたイーサリウムは元の持ち主に戻されました。
しかし、フォークを認めなかったマイナーは古いイーサリウムをそのまま使い続け、イーサリウムクラッシックとして別の名称で呼ばれるようになりました。

仮想通貨は市場が順調なときでも価格変動が大きいことからハイリスクと言われます。フォークの可能性が高まれば価格変動が予測しづらくなり、市場は乱調になります。このため、仮想通貨の取扱上、ハードフォークは要注意です。

仮想通貨の問題点を知るために「スケーラビリティ」は要チェック!

仮想通貨・ブロックチェーンはITの分野でインターネット以来の革命的な技術と言われますが、日進月歩で進化しており、また、多額の金額が絡むことからその取扱には十分な知識が必要となります。

「スケーラビリティ問題」はブロックチェーンの基本的な性質に由来する問題であり、実際には新旧2つのブロックチェーンが分岐する「ハードフォーク」に関係してきます。「ハードフォーク」は既にビットコインやイーサリウムで起きていますが、今後も起きないとは断言できません。その時の対策としても、過去の事例を十分に学んでおくことが大切です。

情報提供元:BITDAYS
記事名:「仮想通貨の「スケーラビリティ」とは?初心者向けに専門用語を解説!