仮想通貨の「サイドチェーン」とは?初心者向けに専門用語を解説!

新しい投資先としてやビジネスでの活用が期待される仮想通貨・ブロックチェーン。経済産業省の試算によると国内のブロックチェーン関連の市場規模は67兆円に達すると予測されています。やなどの仮想通貨・ブロックチェーンは最新の技術分野だけにその活用には十分な知識が必要です。

そのためには、まず専門用語を知ることが第一です。今回は「サイドチェーン」とは何か?について学びましょう。

「サイドチェーン」とは

仮想通貨の代表的存在であるビットコインには取引の承認時間が10分以上かかることや、取引速度に限界があるなどのデメリットがあります。
また、イーサリウムのようなスマートコントラクトを実装する機能がない点もビットコインのデメリットです。こうしたビットコインの不十分な点を解消するためにサイドチェーンという考え方が登場しました。

ビットコインは参入が自由で、ソフトウエアを自分のPCやスマホにインストールするだけで利用できます。一方、参入に制限があるブロックチェーンもあります。
自由に参加できるブロックチェーンを「パブリックチェーン」、参加が制限されているものを「プライベートチェーン」と呼びます。「サイドチェーン」とはパブリックチェーンから派生した「もう1つの側面の鎖」、つまりブロックチェーンから分岐したチェーン(鎖)で、独自の仕様による実装が可能です。

例えば、確認のサイクルを10分でなくもっと短縮することや、マイニングの方法をプルーフ・オブ・ワーク以外の方法に変えることもできます。
また、サイドチェーンのなかで行われた取引記録をパブリックなものにしなくてもよいし、サイドチェーン内で流通するものもビットコインとは別の仮想通貨でもよいのです。

なぜサイドチェーンが作られた?

2014年に初めてサイドチェーンを提唱したBlockstreamという団体は、ビットコインの開発メンバーと暗号技術の専門家で構成されています。この団体はサイドチェーンの実装に関してのホワイトペーパー(論文)を発表しており、その中で「サイドチェーンには大きく分けて2つの役割・利用法がある」と記しています。

1つ目は、アルトコイン(ビットコイン以外の代替的な仮想通貨の総称)の代用です。サイドチェーンはビットコインの「親チェーン」から分岐し、独立しているため、従来アルトコインに実装されている匿名性・スピーディーな取引・コイン発行量の調整などのさまざまな技術的・経済的メリットを享受することができます。

2つ目は、サイドチェーン上での独自通貨の発行です。ここで重要なのは、サイドチェーンが「双方向のペグ(連携)two-way pegging」であること、つまりビットコインもサイドチェーン上で発行された独自通貨も、双方向での移動と取引ができるという点です。

サイドチェーンのメリット

サイドチェーンのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

第一に、ハッキング被害の軽減があります。
The DAOのハッキング事件から分かるように、スマートコントラクトのコードをすべて親チェーンに記述してしまうと、ハッキングされた際の被害が膨大なものとなってしまいます。被害の拡大を防ぐためには、ハードフォークなどをして親チェーンを分裂させる必要があります。
しかし、スマートコントラクトのコードをサイドチェーンに記述しておけば、たとえハッキングされたとしてもサイドチェーンを切り離すだけで被害を最小限に抑えることができます。

次に処理能力の向上が期待できます。親チェーンはサイドチェーンとの情報の共有、さらに新たな技術の搭載などを行い、ブロックの承認時間を短縮することができます。ビットコインでいうライトニングネットワークがこれに相当します。
サイドチェーンでビットコインを高速処理し、親チェーンに戻すのがライトニングネットワークのシステムです。これによって手数料の削減と承認時間の短縮が可能になります。

また、サイドチェーンを使えば、ハードフォークなどでブロックチェーンに大掛かりな変更を加えなくても新たな機能を追加することができます。
つまり、サイドチェーンを利用すれば、従来の仮想通貨の特徴を活かしながら他の通貨の特徴も取り入れることが可能になり、両者のいいとこ取りができるのです。

サイドチェーンの実装例

①「Liquid」

Liquidは、複数のビットコイン取引所・ウォレット・決済サービスなどの流動性プール(ビットコインの共同保管場)で、Blockstreamが初めて発表したサイドチェーンの実装例です。

サイドチェーン上には親チェーンのビットコインと1対1で交換できる「共同ビットコイン」が導入されています。
共同のプールなので、取引所などサービス間でのビットコインの移動が瞬時に可能となります。

また、利用者が共同でビットコインを保有することで、ビットコインを運用する各企業の破産リスクが低下するなどのメリットがあります。このLiquidには取引情報を隠すことができる機密トランザクション(Confidential Transactions)が実装されていますので、プライバシーも守られています。

Liquid内でのビットコインの移動を瞬時に行うため、Liquidの取引承認にはプルーフ・オブ・ワークではなく、選ばれた特定の承認者のみにより取引承認を行うやStellarなどのコンセンサスプロトコルに近い仕組み(ビザンティン・ラウンド・ロビン・コンセンサス・プロトコル, Byzantine round robin consensus protocol)を採用しています。

②「Rootstock」

Rootstockはビットコインを応用したスマートコントラクトプラットフォームです。スマートコントラクトを実装することにより、ビットコインにさまざまな機能拡張ができると期待されます。Rootstockの取引承認はマージマイニングを利用しているため、高いセキュリティ性が確保されています。

また、取引承認のプロトコルにDECOR+やGHOSTなどを採用し、サイドチェーンのブロック生成間隔は約10秒としています。このスピードのおかげで即時送金が可能となり、ビットコインのスケーラビリティ(取引量)も大幅に上がります。

「サイドチェーン」を知れば仮想通貨への理解が深まる

サイドチェーンはビットコインのデメリットを補うために開発されました。サイドチェーンはパブリックチェーンから分岐したもので、匿名性・スピーディーな取引・コイン発行量の調整などの技術的・経済的特性を持っています。

ハッキングされた場合でも、親チェーンからサイドチェーンを切り離すことで被害を最小限に抑えることができます。親チェーンの弱点を克服しつつ、別のブロックチェーンの優位点を取り込むという「良いとこ取り」を実現しています。

情報提供元:BITDAYS
記事名:「仮想通貨の「サイドチェーン」とは?初心者向けに専門用語を解説!