2017年に公開され、世界中でホラー映画史上稀にみる大ヒットを叩き出したスティーブン・キング原作ホラー映画 『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』
2019年には待望の続編も公開され、その恐ろしさ、完成度の高さが話題をさらったのは記憶に新しいだろう。
この映画を象徴するのは、なんといってもピエロのペニーワイズ役ビル・スカルスガルドの怪演と絶大な存在感。
実はこの映画、TVドラマとしてすでに実写化されたことがあり、その際は「ロッキー・ホラー・ショー」等で有名なティム・カリーが同役を演じていた。
ティム・カリーの演じるペニーワイズは当時番組を観ていた多くのこどもたちにトラウマを焼き付けたが、スウェーデンの名優ビル・スカルスガルドは、そんな恐怖の存在をアップデートしてみせた。
見た目が異なるだけでなく、放つフレーズや所作のひとつひとつが、絶妙に滑稽で、奇怪で、不愉快。1作目でも十分すぎる存在感を放っていたビルだが、続編でそれを上回る名怪演を見せてくれた。
恐怖のピエロを特殊メイクにより見事に演じたビル・スカルスガルド。特殊メイクをする前の素顔はこちらだ。
こんな男前が恐怖のピエロを演じているとは到底信じがたいほどのナイスガイである。
また、以下の動画では彼がペニーワイズ役のオーディションに臨む様子を観ることができる。
見た目はペニーワイズとは程遠いイケメンであるが、声や表情はたしかに映画の中のペニーワイズそのものだ。
そんなカメレオン俳優ビル・スカルガルドは、本作以外の有名映画にも出演。
兄のために不器用に奮闘するアスペルガー症候群の青年をハートウォーミングに演じた『シンプル・シモン』や、口から酸性の粘液を吐くアウトローなミュータントを演じた『デッドプール2』では、素顔の彼の甘いマスクと、一癖ある役どころを堪能できる。
恐怖のピエロ役だけでは終わらない幅の広い演技を見せる彼の今後の活躍に、ぜひ注目していきたい。