お腹を引き締めながらお尻を引き上げる「プランク with ヒップエクステンション」
今回ご紹介するエクササイズは、お腹引き締めに効果的な「プランク」というエクササイズと、お尻の筋肉である大殿筋のエクササイズである「ヒップエクステンション」を融合させた「プランク with ヒップエクステンション」というものです。
- 肘を付いた腕立ての体勢をとり、頭から足を結ぶラインが一直線となるようにします。この時、腰が落ちないように腹筋を使ってお腹を引き上げるようにします。
- その体勢のまま、上の写真のように片方の足を床から離し、骨盤が動かないように固定しながら、膝が股関節よりも上に位置するまで股関節を伸ばしていきます。そこから更につま先を外側に向けて捻りを加え、大殿筋が収縮していることが感じられるところで1秒程度静止し、ゆっくり下ろすようにします。
左右それぞれ10~15回を、1分程度の休憩を入れながら3セット行うようにします。
エクササイズ効果を高めるポイント
このエクササイズで効果を高めるために押さえておきたいポイントが2つあります。
1つは、お腹を引き上げる際、おへその部分を凹ませるようにしましょう。そうすることで腹筋群の深層部にあり、腹圧を高める働きをする腹横筋に効かせることができ、お腹引き締め効果につなげることができます。
もう一つは、股関節を伸ばしたら、そこから更につま先を外に向けて捻りを加えることです。これがお尻の筋肉に効かせるコツです。お尻の筋肉である大殿筋は「股関節を伸ばす」という働きの他に、「股関節を外側に向かって回旋させる」というそれがあるからです。
エクササイズ効果が感じられない場合に行っておきたい2つのストレッチ
しかし、実際にエクササイズを行ってみると、「お腹やお尻に効果が感じられない」という声も。
例えばエクササイズを行ってみると「お尻ではなく背筋に効いてしまう…」という場合、その理由として骨盤が動いてしまっていることが考えられます。股関節の運動の土台となるはずの骨盤が前傾しながら動いてしまうと、股関節ではなく腰椎を伸ばす動作となってしまい、そのため背筋に効いてしまうのです。
股関節を伸ばそうとすると骨盤が前傾方向に動いてしまう場合、股関節伸展動作が制限されている可能性があります。
股関節伸展動作を制限している要因として、股関節屈筋である腸腰筋の緊張が強くなっていることが考えられます。そこで骨盤が動いてしまうという場合、「腸腰筋への静的ストレッチ」を行います。
また、「エクササイズ中に骨盤が動いてしまう」ということは、お腹の筋肉も十分効いていない可能性があります。なぜならば「骨盤が動いてしまっている」ということは、「お腹の力が抜けてしまっている」ということでもあるからです。
そこで腸腰筋へのストレッチと合わせて、「骨盤後傾方向への動きを高める動的ストレッチ」を行うとよいでしょう。
(1)股関節伸展動作を制限している「腸腰筋」への静的ストレッチ
- 脚を前後に大きく開き、前脚の膝を立てて後ろ脚は膝が股関節よりも後ろに位置するように股関節を伸ばします。
- 立てた前脚の膝の上に両手を乗せて、重心を上体の真下に預けて骨盤を後傾させることで、後ろ脚の太もも付け根部分にある腸腰筋がストレッチされます。骨盤を後傾させやすくするコツは、目線をお腹に向けることです。
左右それぞれ20~30秒間、筋肉が心地よく伸ばされていることが感じられる強度で伸ばし続けるようにします。
腸腰筋へのストレッチ効果が感じられない原因
「腸腰筋へのストレッチ効果が十分に感じられない…」という方、写真Aのように骨盤が外へ向いてしまった状態でストレッチを行っていませんか?そうすると腸腰筋を伸ばしているつもりでも、しっかりと伸ばされていないため、ストレッチ効果がダウンしてしまいます。
そのためストレッチ中は、写真Bのように骨盤を正面に向けるようにしましょう。
(2)骨盤後傾方向への動きを高める動的ストレッチ
- 四つん這いの体勢から、背中を軽く反らせて骨盤を前傾させます(写真上)。
- そこから背中を丸めて骨盤を後傾させる動作を10回繰り返します(写真下)。
ゆっくりと動かすようにし、骨盤を後傾させる動作を少しずつ大きくしていくようにしましょう。
ヒップアップのカギは「腹筋」!?
2つのストレッチを行ったら、もう一度エクササイズにトライしてみましょう。すると骨盤が後傾させやすくなるため、腹筋の力が抜けにくくなり、お腹に効かせやすくなります。また腹筋がしっかり使われるようになると、股関節の運動の土台となる骨盤が固定されるようになるので、大殿筋にも効果が感じられるようになるハズです!
そう考えるとヒップアップ効果を高める上で、腹筋は重要なカギを握ると言えるかもしれません。そのためヒップアップに効果的と言われるエクササイズを行う場合にも、腹筋をしっかり機能させた上で行う必要があると言えます。
ヒップアップさせたい方、早速今日から腹筋をしっかり使いながら、ヒップアップエクササイズを行ってみましょう!