パルス株式会社と順天堂大学は2019年6月11日(火)、共同で進めている『VRを用いた慢性疼痛緩和の臨床研究』 について、医療用VRシステムとして特許出願し、VRコンテンツ「うららかVR」を先行で提供開始したことを発表しました。


「うららか VR」について

「うららか VR」とは、順天堂大学大学院医学研究科 堀江教授、医学部麻酔科学・ペインクリニック講座 井関教授の臨床研究に基づき、

・入院時の不安緩和

・3か月以上続く慢性化した神経障害性疼痛の緩和

を目的として開発された医療用VRコンテンツです。

■ サービスの詳細・問合せ: うららか VR

特長

持ち運びが容易なモバイル一体型のVRで、あおむけに寝た状態でも使用でき、自宅や入院時のベッド等どんな姿勢にも対応しています。

家庭でも不安・慢性疼痛の緩和ができるVRサービスは世界初となり、特に神経引き抜け損傷、幻肢痛を含む、慢性の神経性の痛みを持つ方に、痛みや不安との向き合い方の提案として利用することができます。

順天堂大学での臨床試験において成績を収めた複数のVRアプリが収録されていて、利用する患者の状態に応じて推奨プログラムが変わります。

クリニック・医療提供者向けには、利用状況がリアルタイム集計される管理画面も用意されており、日々のVR利用者の痛み度合い等を管理画面から統計的に測定することが可能です。

※集計にはWiFi環境必須ですが、利用状況はオフライン時も端末に記録され、次回オンライン時に蓄積データがクラウドへ自動送信されます。

※最新のVR技術によるコンテンツは日々アップデートされます。

コンテンツイメージ画像




開発・研究チーム

堀江 重郎 氏

順天堂大学大学院医学研究科 遺伝子疾患先端情報学講座 教授

・1985年 東京大学医学部医学科卒業

・1993年 医学博士

・テキサス大学、東京大学、国立がんセンター、帝京大学等を経て

・2012年 順天堂大学大学院医学研究科 教授

・専門医:本泌尿器科学会指導医、日本腎臓学会指導医、日本癌治療学会暫定教育医、日本内視鏡外科学会腹腔鏡技術認定医

日本の泌尿器科を牽引しているキーオピニオンリーダー。

日米で医師免許を取得し、前立腺・腎臓・膀胱のロボット支援手術においては国内トップの執刀経験を有しており、機能を温存した低侵襲の手術の普及に貢献している。

またホルモン治療、がん緩和医療にも造詣が深い。

<堀江氏 コメント>

VRは瞬間的に患者様のいる環境を変えることができ、痛みを感じることへの「集中」「執着」から切り離すことができる可能性があります。これまでビデオゲームを行うと、知覚および手指を動かす運動神経が働き、不安や恐怖、疼痛と関わる脳内の「扁桃体」という領域に作用して、不安や恐怖、疼痛が減ることがわかっています。
またゲームで「報酬」を得るとドーパミンという脳内ホルモンが産生され、このドーパミンも痛みや恐怖を抑えることが最近わかってきました。VRでのゲームはこの脳への作用をさらに強化すると考えられます。

引用元:プレスリリース

井関 雅子 氏

・順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座 教授

・1984年 近畿大学医学部卒業

・2005年 順天堂医院緩和ケアセンターセンター長

・2013年 順天堂大学医学部麻酔科学 ・ ペインクリニック講座教授

・順天堂大学大学院医学研究科 疼痛制御学教授

・2018年 第52回日本ペインクリニック学会会長

・2019年 日本ニューロモデュレーション学会会長

・専門医:日本麻酔科学会指導医日本ペインクリニック学会専門医日本頭痛学会指導医、日本慢性疼痛学会認定医

本邦における疼痛学分野において、リーダー的存在の麻酔科医。

ペインクリニック領域において、様々な疼痛疾患を日々評価・治療している臨床家。

<井関氏 コメント>

慢性疼痛患者では、末梢、脊髄、中枢での痛覚伝導路の可塑的変化が発生し、脳内の痛みのネットワークが強固になっていくとされています。これらの変化により下行性抑制系の賦活化の低下、快楽・活力中枢の働きが低下しているという結果が脳機能画像からも証明されています。
一方で、疼痛患者が何かに集中しているときには痛みが軽減する、といった臨床での現象を応用して、脳の注意を痛みからそらすためにVRを医療に活用する、または、治療として定期的に利用することで痛みのネットワークが緩んでいくことが期待できるかもしれない、と考えます。

引用元:プレスリリース

木下 将孝 氏

・株式会社イグニス(パルス株式会社)開発責任者 VRデザイナー

・2018年 順天堂大学大学院医学研究科

・医学部泌尿器科学講座 協力研究員

<木下氏 コメント>

多科に渡る様々な症例を持つ患者様とのコミュニケーション一つ一つが設計図になります。
ご協力頂いている皆様・利用者様にはこの場を借りて心から御礼申し上げます。
一般的なVRコンテンツでは、VR体験中に心的ストレスを感じた瞬間に痛みが増加するケースや、使用する為にはベッドから起き上がらなければなりません。どんな姿勢でも使えるよう、患者様の目線で専用にデザインされたVRが必要だと考えました。例えば、点滴・シャント中でも快適に利用出来るよう 「VRに話しかける」といった音声入力操作を可能にする等の工夫を重ねています。また没入感に重要なVR映像のクオリティについて、VRカメラにより撮影した立体映像だけでなく、複数の独自開発技術により、CGであっても実写と遜色無い作品も収蔵しました。
毎日使っても元気になれるVRを検討して参ります。

引用元:プレスリリース

まとめ

場所や時間にとらわれず利用できること、患者さんの状態に応じてコンテンツプログラムが変わるなど、利用者目線で専用にデザインされた医療VRコンテンツ。

臨床試験の結果からも「効果に即効性があり痛みが緩和された」「息苦しさがなくなりいつもより深呼吸できた」など、効果は実証されているようです。

患者さんに寄り添った形で、痛み・苦痛・ストレスの緩和を体験することのできるこのシステムが、ひとりでも多くの人の役に立つことを期待します。

ソース:「VRを用いた慢性疼痛の緩和」に関するプレスリリース[PR Times]









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情報提供元:VR Inside
記事名:「VRで入院時のストレスや慢性疼痛を緩和!医療VRコンテンツ「うららかVR」先行リリース