VR空間で他者と交流する際、バーチャルな外見である「アバター」が必要になりますが、現在ではより表情豊かで、本物の人間らしい動作をアバターで再現可能になりつつあります。

先日、Oculusのアバター機能である「Oculus Avatars」がアップデートされ、ユーザーの声や動きに合わせて、アバターに口や眉の動きを加えることが可能になりました。


アバターの動きがよりリアルに、Oculus Avatarsがアップデート

Oculus Avatars自体は、Oculus Riftが発売された2016年にリリースされたものですが、従来のアバターはユーザーの頭と手の動きのみを反映することが可能でした。

ですが、新たに実装されたアバター技術「Expressive Avatars」によって、アバターに表情を加えることが可能になった他、アバターのカスタマイズ用のアイテムも多数追加されました。

Expressive Avatarsとは

アバターの眉や唇を動かす「リップシンク」機能は、現在では多くのバーチャルユーチューバーが使用していますが、導入には専門知識やスキルが必要になり、一般ユーザーにとってはハードルが高いのが現状です。

また、HTC Vive Pro Eyeのように、アイトラッキング機能を搭載したVRヘッドセットであれば、ユーザーの視線の位置をそのままアバターに反映できますが、現時点ではこのようなVRデバイスはまだ一般的ではありません。

そこで、Oculusはユーザーの頭の動きや音声に応じてアバターの表情を変えることで、一般ユーザーでも表情豊かなアバターを使用できるようにしました。

ユーザーの動きに応じて表情が変わる

と言っても、現在発売中のOculus製品はアイトラッキング機能を搭載していないため、Expressive Avatarsでは、ユーザーの頭の動きと声をベースにして、アバターに表情付けを行います。

Expressive Avatarsの開発に際して、Oculusは人間の眼の動きに関する研究を行い、例えば人間が周囲を見回す際、眼球に接する空気の量が増えるため、まばたきの回数が増える、といったことを明らかにしています。

こうした人間の眼の性質がアバターに反映されており、例えばVRヘッドセットを着けた状態で辺りを見回すと、アバターも瞬きを繰り返します。

特に、現行のVRヘッドセットは視野角が狭く、Oculus Rift/HTC Viveの視野角は110度ですが、人間の裸眼の視野角は約200度と、倍の差があります。

このため、VRヘッドセットを着けると普段以上に頭をよく動かすため、まばたきの機能などは、アバターのリアルさを表現する際に重要な要素になります。

声もアバターの表情に影響する

また、頭の動きだけでなく、声もアバターの表情表現において重要な要素になります。

VRヘッドセットに内蔵されたマイクでユーザーの声を拾い、声のピッチの変化に伴って眉が動いたり、目を見開いたりするので、よりユーザーの感情とアバターの表情とがリンクします。

ですが、ユーザーの唇の動きをアバターに反映するのは難しく、唇は言葉を発する少し前から動き、また発話中にも唇の形は様々に変わるので、音声のみから唇の動きを読み取るのは困難です。

そこで、Oculusは「differential interpolation」という技術を採用し、ユーザーが発した音声に対して、中間的な口の形をアバターで再現します。これによって、傍から見ると、ユーザーの発話とアバターの口の動きとが「大体合っている」ように見えます。

ある程度リアルに見える

Expressive Avatarsは、おもにアバターの表情表現を重視していますが、アバターのモデル自体は最小限のテクスチャに抑えているとのことです。

これは、アバターが余りにもリアルに見えすぎるとかえって不自然に見える、いわゆる「不気味の谷現象」を回避する為ですが、Oculus RiftやOculus Goなど、スペックの異なるVR機器同士でも同質のアバターを表示するためとも考えられます。

また、Oculusは今後、アバターの瞳孔の拡大・縮小や、ユーザーが座った状態でも立ち姿勢のアバターを操作できる機能、他者のアバターとインタラクションする際のサイズ調節など、よりリアリティと自然さを追求したアバター技術の開発を行っていくとのことです。



Oculus Avatarsもアップデート

ちなみに、Oculus製品にはアバター編集機能である「Oculus Avatars」がバンドルされていますが、今回のアップデートにより、Oculus Avatarsにも複数の新規アイテムが追加されました。

新たに数百種類のアバター用の顔立ちや髪型、アクセサリー、口紅などが追加され、より自分好みのアバターにカスタマイズ出来ます。

アップデートはOculus Rift、Oculus Goで既に利用可能で、2019年春に発売予定の一体型VRヘッドセット「Oculus Quest」にも今後対応するものと思われます。

まとめ

Oculus Riftで使用できるアバターにアップデートが追加されました。

アバター編集機能のOculus Avatarsでは、様々なアイテムやスキンが追加され、自分好みのアバターにカスタマイズしやすくなりました。

また、ユーザーの動作や感情に合わせて、アバターの口や眉の動きなどを同期する新技術も実装されたことにより、よりアバターを通してのコミュニケーションにリアリティがもたらされます。

VR空間で交流する機会が増えていくであろう今後、こうしたアバター技術の重要性はより高まりそうです。

参考サイト:VRScout









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情報提供元:VR Inside
記事名:「アバターの動きがより本物の人間っぽく!Oculus Avatarsがアップデート