ゲームやエンターテイメントなど、VRは様々な領域で普及が進んでいます。

ですが、現在までのところヒット作となったVRコンテンツはまだ数が少なく、一般的には知名度も高くないのが現状です。

VRの認知度を一気に高めるようなコンテンツの登場が望まれますが、「漫画」が重要なカギになるかもしれません。

元Oculus専属の日本人アーティストは、VR x 漫画という組み合わせに強い関心を抱いており、VR漫画には大きな可能性があると述べています。


「VR漫画」が持つ大きな可能性とは

「VR漫画」に大きな関心を寄せているのは、元Oculus Story Studioのメンバーであり、現在はFacebook Social VRチームに所属するアーティスト、Goro Fujita氏です。

Goro Fujita氏はVR空間で読める漫画に強い関心を持っており、

「VR漫画はモノになる」

との確信を見せています。

「ドラゴンボール」をVRで楽しむ

Fujita氏はTwitterにて、同氏が制作したVR漫画のデモ映像を投稿しています。

題材として選んだのは、世界的にファンの多い漫画「ドラゴンボール」です。

デモ動画ではドラゴンボールに登場するワンシーンをVRで描いた様子を確認できます。

描かれているのは「ドラゴンボール」の名シーンの一つで、ピッコロが悟空の長男である悟飯をかばって死ぬシーンです。

コマ中のセリフや効果音がアニメーションで動いたり、3Dの登場人物を様々な角度から眺めたりなど、VRならではの鑑賞方法を確立しています。

アニメではなく漫画であるため、使用されているエフェクトや表現は従来のアニメとは大きく異なっています。

この新しいVR表現を、Fujita氏はMangaとAnimeを組み合わせた造語で「Manime」と名付けています。

VRは漫画業界のゲームチェンジャーになる?

Fujita氏はツイートで、この「ドラゴンボール」のVR漫画はあくまでコンセプトで、実際にリリースする予定はないとのことです。

Fujita氏はむしろオリジナルの作品を制作することに関心を抱いており、VR漫画が持つ可能性について言及しています。

昨日、(Quillを使って)「スパイダーマン」を描いていた時、何かしっくり来るものがあった。それで、毎日のペインティングにもっと時間を使いたくなったんだ。そこで早速、「ドラゴンボール」を題材にしたVRデモを作ってみた。あの名シーンでのピッコロは最高だった!これは本当にやりがいのある取り組みだった。こんなコミックがあったら絶対に読みたいと思う。Quillを使ったコミックはきっとモノになるよ。

また、(Quillなどを使って)VR内でシーンを制作する方法は、これまでに使ったどんな手法よりも素早く制作ができると、VRツールのメリットにも言及しています。

VR漫画を制作する際のメリットとして、従来の漫画よりも容易に制作できる点が挙げられます。従来のアニメ制作のように専用のソフトウェアを扱う必要がなく、また漫画であるため声優を起用する必要もありません。

VRデバイスと、Quillなどのツールがあれば1人でも制作が可能であるため、アイデアとスキルがあれば、手間とコストをかけずに読み手をあっと言わせる「VR漫画体験」を制作することも可能です。



漫画をVRで楽しむ時代に

「VR漫画」の可能性に興味を抱いているのはFujita氏だけでなく、現在おもに日本国内において様々なVR漫画が実際に制作、配信されています。

2018年6月にはVR漫画「結婚指輪物語VR」の配信がスタートしており、Oculus Rift、HTC Viveで楽しめます。

また、漫画とゲームを融合したVR ADV「東京クロノス」も先日クラウドファンディングを終了し、2019年春の配信を予定しています。

VRで漫画を読む、という体験自体がまだ相当に新しいものですが、これまで2次元の画面で読んでいた漫画がVR空間に飛び出すことで、これまでになかった新感覚のジャンルとして定着するかもしれません。

Goro Fujita氏について

Goro Fujita氏は元Dreamworksのアーティストで、これまでに「Megamind(2010年)」「Madagascar 3(2012年)」「Penguins of Madagascar(2014)」、「Boss Baby(2017)」などの制作に参加しています。

2014年からはOculusのコンテンツ制作部門であるOculus Story Studioに所属していますが、同スタジオは2017年5月に閉鎖。その後同氏はFacebookのSocial VRチームの専属アーティストとして活動中。

Quillアプリの開発にも携わっており、また自身もQuillを使用した様々なアート作品を発表しており、Quillアプリ内からも同氏の作品を鑑賞できます。

また、Twitterでも作品を多数アップロードしており、クラウドファンディングのPatreonでは支援者向けにCGに関するオンライン講座も開いています。

まとめ

VRで漫画を読む、という体験自体がまだ珍しいですが、キャラクターがコマから飛び出したり、動いたり、セリフや効果音にアニメーションが付くことで、全く新しい漫画の楽しみ方が生まれます。

また、制作側にとってもQuillなどのツールを活用することで制作のハードルが下がるというメリットがあります。話題性や新規性もあるので、有望な分野かもしれません。

特に日本は漫画大国と言われるほどに漫画が定着した国なので、VR漫画は日本独自のコンテンツとして今後成長する見込みがあります。今後に注目ですね。

参考サイト:Road to VR









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情報提供元:VR Inside
記事名:「VR漫画が持つ可能性!元Oculus専属アーティストが示す確信