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HTC、株取引を停止。Googleへスマートフォン事業を売却する予兆か?


海外メディアUploadVRは、HTCが株取引を停止したことを報じた。



HTC、予想されていた決断を実行か?


同メディアによると、HTCが「重大情報を公開する」に先立って同社の株取引を停止した。


同社はこの株取引停止に関して、市場の噂と憶測に対するコメントは控えるという声明を出し、詳細は何もわからない状況である。


もっとも市場では、ついに同社がスマートフォン事業をGoogleに売却するのではないか、という見かたが大勢を占めている。というのも、この売却の噂は以前からあったものだからだ。


そして、そもそも同社がスマートフォン事業を売却するという噂がたったのは、今では同社の「虎の子事業」とも言えるVR事業を存続させるために事業再編を水面下で進めていたと解釈できるのだ。


以下では、このほどの株取引停止に至るまでの経緯を本メディアの過去記事を参照しながら、時系列でまとめていく。


VR事業をめぐるHTCのこれまでの動き


自社のスマホ製造工場を売却


売却されたHTCの上海工場


2017年3月17日付の記事において、同社が上海にあるスマホ製造工場を売却し、その売却でえた資金をVR事業にあてると報じた。ちなみに、売却でえた資金をVR事業にあてるという情報のソースは、同社のお膝元である台湾のメディアである。


売却された工場は2009年に設立され、かつては中国市場に向けて携帯電話機の製造を行っており、2011年の時点では毎月200万台を生産していたという。しかし、2013年になるとほとんどのラインでは製造を中止した。需要が減少したためである。


この時点では、操業が停止した不採算工場を処分した、という小規模な事業再編の域を超えない動きであった。


VR事業を売却?子会社化?


2017年8月25日付の記事では、同社がVR事業部門を独立させるか、場合によっては他社に売却することも含めて今後の方策を考えていると報じた。


以上の報道のソースは海外メディアBloombergだったのだが、HTCの内部関係者からのリークをもとにしていると推測された。


HTC内部関係者は、同社VR部門の売却は選択肢としては排除されていないものも、その可能性は低いと見ていた。というのも、同社VR事業は研究開発から製造に至る幅広い分野に跨る規模の大きなものであり、そうした事業全体を引き継ぎ経営できる企業が現れて買収に名乗りを挙げるとは考えにくいからだ。


その一方で、VR部門を子会社化するメリットは十分にある。そのメリットとは、先に引用したスマホ工場の売却に見るように、経営状況が悪化していたスマホ事業からの悪影響を遮断して、VR事業単体で採算のとれる経営を進めることができるようになるのだ。


現時点でこの報道を解釈すると、この時すでに同社はVR事業を存続させるためなら、それ相応の犠牲を払うことを覚悟していたのではないだろうか。


Googleとの噂


2017年9月8日付の記事では、同社がスマートフォン事業をGoogleに売却するに向けて交渉中であることを報じた。


以上の記事でも言及していたように、同社のスマートフォン事業はすでにピークを過ぎ次第に不採算事業化していた。そこにきて、Tech業界の巨人Googleが売却相手として名乗りを挙げたのならば、同社としては断る理由はなかったはずだ。スマートフォン事業売却でえた資金をVR事業に充てれば、この事業の経営を盤石なものにできるという計算がたつ。


GoogleがHTCのスマートフォン事業を手にした場合のメリットも明白である。Googleが展開するVRブランドDaydreamにおいて、Googleは自社製造スマホ「Pixel」をリリースしているのだが、このスマホの実質的な製造元はHTCなのだ。Googleがスマートフォン製造部門を手中に収めれば、Daydreamブランドのスマホ展開に新たな選択肢が増える。


以上の記事の日付と本日のHTC株の取引停止を鑑みれば、この時点でHTCのスマートフォン事業のGoogleへの売却はほぼ固まっていたと見るべきだろう。


今がスマートフォン事業の「売り時」?


大方の予想通りHTCのスマートフォン事業がGoogleに売却されると、この売却劇は世界のスマホ市場の大再編の嚆矢となるかも知れない。


売却の噂が報じられるまでの経緯で述べたように、GoogleにはHTC社のスマートフォン事業を手中に収めて「月並みな」Android端末の製造を拡大する意図はまずないとみてよい。Googleが狙っているのは、Daydream Readyスマホという「VRデバイス」の製造か、より挑戦的な戦略としては今年末に各デバイスメーカーから続々とリリースされる予定であるスタンドアロン型VRヘッドセットの製造に買収したデバイス製造部門を充てることだろう。いずれにしろ、Googleには何の変哲もないAndroid端末の製造など眼中にないはずだ。


また、以上の売却劇が進む同時期にAppleが新型iPhoneの発売を発表した。ところで、来年Appleは今年と同じようにまた「新型iPhone」だけを発表するだろうか?


本メディアで再三報じているように、Appleは水面下でずっとARグラスの研究開発を進めている。Apple製ARグラスが市場に受け入れられるためには、まず「AppleのAR」がユーザーに理解されなければならない。今回の新型iPhone発表は、こうした「AppleのAR」を世に知らしめる布石として考えられる。こうして見ると、「iGlass」もしくは「AppleGlass」の出現時期は、思っている以上に近いのではないだろうか。


いずれにしろ、今後の世界の情報端末市場において、スマートフォンの価値が今以上に上がる見込みはほとんどないと見ることができるように思われる。


来年の今頃にHTCに関する報道を振り返った時、同社は高値がつくギリギリのタイミングでスマートフォン事業を売却できた、と解釈しているかも知れない。


HTCが株取引を停止したことを報じたUploadVRの記事

https://uploadvr.com/htc-stock-trading-halted-speculation-builds-google-sale/


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