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VRタイリング技術がVR映像の配信を変える


VRヘッドセットを付けた男性

VRタイリングによってVR映像の配信が変わるかもしれない


360度自由に見回すことのできるVR映像は、VRゲームと並んで人気のあるVRコンテンツのカテゴリとなっている。


VR映像をあらかじめダウンロードするのではなくストリーミング配信するサービスもあり、スポーツの試合やコンサートの映像をVRでライブ配信することも可能だ。だが、これまでは解像度を上げるとファイルサイズが爆発的に増加してしまうという問題があった。


VRタイリング(VR tiling)と呼ばれる新技術は、高い解像度とファイルサイズの小ささを両立させるものだ。この技術によって、VR映像の配信サービスが変わるかもしれない。


従来のVR映像


VR映像配信


360度撮影が可能なVRカメラの低価格が進み、個人が360度映像を撮影することもできるようになっている。VR映像の編集機能を持つ映像編集ソフトやインターネット上で360度動画を共有できるサービスも増えてきたので、それを共有するのも容易になった。


企業が提供するVR映像の配信サービスでは、高画質のVR映像配信を目指すサービスやスポーツのライブ配信を行うサービスなども登場している。


帯域幅の問題


個人が投稿したVR映像を視聴する場合にも、企業によるVR映像の配信サービスを利用する場合にも共通して問題となるのが通信サービスの帯域幅だ。


従来のVR映像配信サービスでは、映像の解像度が低かった。これは高画質なVR映像のファイルサイズが非常に大きくなってしまうためだ。


解像度の高いVR映像をそのまま配信・視聴するには少なくとも15Mbsから20Mbps程度の速度を維持できる通信回線が必要になる。


Wi-Fi環境でもこれだけの速度が確保できないことは珍しくないし、携帯回線ではさらに難しくなる。もちろん通信量も増えてしまうため、使い放題サービスは必須だ。


VRタイリング技術は、より小さな帯域幅でより高画質なVR映像の配信を可能にする。


VRタイリング


瞳


VRタイリングの仕組み


VRタイリングの考え方は、Foveatedレンダリングと似ている。


Foveatedレンダリングではユーザの視野の端を低解像度にし、ユーザの視野の中心のみを高い解像度でレンダリングすることでGPUへの負荷を軽減している。VRタイリングでは、ユーザの視界の外を低解像度にする(または視界の外の映像は送信しない)ことで通信量を減らす。


人間の目で360度全てを一度に見ることはできないし、VRデバイスが一度に表示できる角度も限られている。ユーザの真後ろに当たる映像を常にフル解像度で送信し続ける必要はないのだ。


この技術はアイトラッキングを利用するFoveatedレンダリングと違ってHTC ViveOculusRift、あるいはGear VRといった一般的なVRヘッドセットに適用できる。


ユーザが見ている部分のみを送信する仕組みにすることで、従来のUHD解像度に相当するVR映像をHD映像並の通信量(5Mbps以下)で送信することができるようになる。また、20Mbpsあれば完全なUHDのVR体験を送信することが可能だ。


20Mbpsは4G+や5Gといった携帯回線でも確保可能な速度なので、これらの通信規格が普及すればWi-Fi環境でなくても高画質なVR映像を視聴できるようになるだろう。


VRタイリングの欠点


VRタイリングを実現するためにはパノラマ映像をタイル化する必要がある。


内部では複雑な符号化が行われているが、これはHEVCエンコーダによって行うことができる。エンコードにかかる時間が特別長くなることもないので、ライブ配信で使うことも可能だ。


ユーザにとって問題になるのは、VRタイリング技術が使われた映像を視聴しているときに頭を動かすと黒い部分が見えてしまうことだ。これはサーバから今まで送信されていなかったタイルを取得するために20ミリ秒から40ミリ秒かかるために起きる。通信環境によってはもっと長い時間が必要かもしれない。


これを防ぐためには、何らかの先読みが必要になる。恐らくはFoveatedレンダリングと同様に解像度を下げる方法が用いられるだろう。


360度全体またはユーザが見ている場所の周辺を低解像度で読み込んでおき、ユーザが見ている場所だけをフル解像度で読み込むのだ。


VRタイリングの長所


VRタイリングを使うことで得られる最大のメリットは、通信容量を小さくできることだ。高画質のVR映像を少ない容量で配信できるようになることは、サービスを提供する事業者とユーザの双方にとってメリットとなる。


また、ユーザが見ている方向に合わせて低解像度の映像と高解像度の映像を組み合わせて配信する方法が採用されれば追加のメリットもある。低解像度のレイヤーが「予備」として機能するのだ。


映像のストリーミング配信では、一時的に通信が不安定になると再生が止まってしまうことがある。低解像度の映像があらかじめ読み込まれていれば、画質は下がっても映像の再生を続けることが可能だ。


 


VRタイリングによって、VR映像のファイルサイズを最大で80%も削減することができるという。


この技術を使った映像配信サービスが一般的になれば、VR映像は画質が低い(または高画質だが頻繁にバッファリング状態になる)ということもなくなるだろう。


 


参照元サイト名:CED

URL:https://www.cedmagazine.com/article/2017/08/vr-tiling-technology-changing-game-virtual-reality-video


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