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アメリカ最大手の運送会社が、トラック運転手のトレーニングにVRを導入




世界有数の貨物輸送業者であるアメリカのUnited Percel Service(UPS)は、自社のトラック運転手用のトレーニングカリキュラムにVRを用いたシミュレーションを導入したことを発表した。


VRトレーニングは今年の9月から、全米9か所にUPSが保有するドライバー用の各トレーニング施設においてそれぞれ開始される予定だという。


アメリカでは小売り業最大手のウォルマートなど有名企業がVRを自社従業員のトレーニングに用いる例が目立つようになっており、今後同様の事例はさらに増加していくことが予想される


リアルなVR路上環境で安全運転のトレーニング



今回のVRトレーニングはUPSに所属するITエキスパートによって制作されたもの。従業員はHTC VIVEヘッドセットを着用し、トラックでの路上走行中に遭遇する危険を再現したシミュレーションを体験する。シミュレーションは、現実にトラックで走行する路上をリアルに再現した環境となっている。


上記の動画を見ると、トレーニングで従業員はハンドル型のコントローラーを使ってVR空間内のトラックを操作することになっているようだ。


交差点で直進しようとしている従業員が一時停止した後に目視で左右の安全確認を行っており、また他にも道路に縦列駐車している車を「危険だ」と声出し確認している様子も伺える。このようにドライバーとして基本的な安全確認の手法を再確認するカリキュラム内容となっていることが推測される。


VRトレーニングは「技術的に大きな飛躍」


UPSが保有するトラックの数は10万台にも上っているという。


当然その数に見合うだけの大量のドライバーを抱えていることになるわけで、ドライバーに対して安全運転を目指したトレーニングをいかに効率的かつ効果的に施せるか、ということは同社にとって大きな課題の1つであるといえるだろう。


VIVE公式サイトにはUPSの情報技術部主任のJuan Peres氏によるコメントが掲載されている。


それによると、VRがドライバーの安全運転トレーニングにおいて技術的な大きな飛躍となり、また、VR空間内で再現された路上環境は、テレビゲームを通じてバーチャル環境に目が慣れている若い世代にも通用する仕上がりになったとUSPは考えているようだ。


UPSによる従来のトレーニングでは、従業員はタッチスクリーンデバイスを用いたトレーニングを経験していたようだ。


VRトレーニングを採用したことで従来の手法と比較してどれほどのトレーニング効果の向上が見込めるのかについて、具体的なデータは公表されていない。しかしUPSはこうした手法よりも、「技術的な大きな飛躍」を果たしたVRの方が優れたトレーニングツールとなると判断したのだろう。


アメリカで広まるVRトレーニングの事例


先述の通り、UPSの安全運転トレーニングのみならず従業員教育にVRシミュレーションを導入しようとする動きがアメリカの各有名企業においては既に広まりつつある。


以下ではその代表的事例を紹介していこう


事例1:ウォルマート




小売最大手のウォルマートによる導入事例。


最大の安売りセール「ブラックフライデー」に向けたトレーニングを従業員に体験させることを目的にしているという。


同社は2017年度末までに全てのトレーニング施設でVRシミュレーターを導入する予定だと発表した。


事例2:HoneyGrow




飲食業大手のHoneyGrowもまたVRシミュレーションを従業員教育に導入している。


アメリカでの急速な店舗数拡大に合わせて、スピーディーな従業員教育を行うなどの目的から導入したようで、これにより、一定のサービスの質をどの店舗ても担保できるようになると見込まれている。


VRトレーニングには適さない仕事もある


Googleはエスプレッソマシンでコーヒーを淹れる作業をテーマにして、VRシミュレーションを用いてトレーニングした場合と、マニュアル動画を視聴させた場合とを比較して、前者の方が被験者により高いトレーニング効果が認められることを実験で確かめている。


もちろん、この実験はあくまでエスプレッソマシンを用いたトレーニングについてのみいえることであり、VRのトレーニング効果について、これを一般化して述べようとするならば、より多くの実験データを参照しなければならない。


また、VRトレーニングにはVR空間を用いるために自ずから限界が生じてしまうことも確かだ


例えばUPSのような安全運転を目的としたトレーニングにはRシミュレーションが適しているかも知れないが、Googleは上記の実験について自ら「コーヒー(を淹れる)という題材は良くなかった」と振り返っている。


このようにVRトレーニングに適した業種、業務内容というのが存在することは確かだ。


しかし、少なくとも導入を検討する企業の数はアメリカでは増えていくであろうし、こうした流れが日本企業の間でも生まれてくる日も近いかも知れない。


参照URL:

VIVE

https://blog.vive.com/us/2017/08/15/ups-rewrites-the-rules-of-driver-training-using-htc-vive/


UPS

https://www.ups.com/us/en/Home.page


Google

https://www.blog.google/products/google-vr/daydream-labs-teaching-skills-vr/


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