VRスタジオHere Be Dragonsが11億円を調達

VRゲームの世界では、コンテンツのマルチプラットフォーム対応が盛んになっている。

現在でも特定のデバイス専用として配信されているコンテンツは存在するが、Reviveのような非公式ツールの使用も含めて考えるならば「完全に特定のデバイスに独占された作品」はかなり少なくなっている。

この流れにより、ヘッドセットのメーカーがスタジオに資金を提供して独占タイトルを開発してもらうという方式は減少しつつあるようだ。

変化の理由にはVRゲームを購入するユーザが増えたことで売上によって開発費用を賄うことができるようになったため、というものがある。しかし、VRコンテンツの制作に多額の費用がかかることは事実だ。

VR映像コンテンツを制作するスタジオ、Here Be Dragonsは制作費用となる1,000万ドル(11億円)の資金を調達したと発表している。

Here Be Dragonsの資金調達

札束

スタジオへの期待

Discovery Communicationsが主導した資金調達ラウンドで、Here Be Dragonsは1,000万ドルの資金を集めることに成功した。

このラウンドの結果、Discovery Communicationsの幹部であるRebecca HowardがHere Be Dragonsの取締役会に参加することになる。

金額の大きさは、このスタジオへの期待の大きさを示す指標だ。Here Be Dragonsはこれまでにも世界の一流企業と協力してVRコンテンツの制作に取り組んできた企業なので、これだけの資金を集めることができた。

過去にパートナーとして関わった企業には、ナイキ、サムスン、The New York Time、GEなどがある。

資金の使いみち

今回の投資ラウンドで集められた資金は、スタジオ内の様々な部門を構築するために使用される予定だ。

その中でも、特にクリエイティブな開発に力を入れるとCEOのPatrick Milling-SmithはTech Crunchに対して語っている。

VRコンテンツにはまだ新規性という魅力が残されているものの、安価なモバイルVRの進化やデバイスの値下げによって徐々にVRデバイスが普及しつつある。

珍しさだけでVRコンテンツを視聴してもらえる時代は終わり、徐々にコンテンツの質が持つ重要性が高まりつつあるのだ。

消費者が質を重視するようになると、コンテンツの制作資金や人的資源といったリソースに限りのあるスタジオは生き残りのための厳しい競争に晒されることになってしまう。

Milling-Smithによれば、同社がパートナーとする企業の多くは単なる新規性ではなくプレミアムなVR体験を重視している企業だ。

この資金によって、さらに質の高い充実したVRコンテンツが作られるようになるだろう。

Here Be Dragonsの作品

攻殻機動隊

VRコンテンツを制作するスタジオの名前では分からなくても、Here Be Dragonsが関わったコンテンツを見たことがあるというVRユーザは多いだろう。

同スタジオが制作に携わっている作品の数は非常に多い。公式サイトで紹介されている最近の作品だけでも、有名なものがいくつもある。

360度動画 攻殻機動隊

日本の作品である『攻殻機動隊』がハリウッドで実写化された『Ghost in the Shell』の360度動画は、当メディアでも過去に紹介している。

この動画をOculus Studios、REWIND、Dreamworks、Paramountといった企業とともに制作したのがHere Be Dragonsだ。

UnityのリアルタイムレンダリングエンジンとUnreal Engine 4によって作り出された映像で、作品の世界に入り込む体験が可能だ。

この作品は、Oculus RiftまたはGear VRでの視聴に最適化されているが、VRヘッドセットがなくてもFacebookのページにアクセスすれば無料で見ることができる。

Here Be Dragonsの作品紹介ページでも、埋め込まれた映像を視聴可能だ。

木になるVR体験

他にも、熱帯林の保全を呼びかけるNew Realityの『Tree』を制作したパートナーとしてHere Be Dragonsの名前がある。

木そのものに「なる」という体験は様々なイベントで展示され、高い評価を獲得した。

公式サイトを見ても5月23日のカンヌ映画祭以降は展示の情報が更新されていないが、今年に入ってからもサンダンスやトライベッカの映画祭、TED 2017などで展示されている作品だ。

 

Milling-Smithは、VRだけでなくARに対しても積極的に取り組む姿勢を見せている。

彼はAppleのARKitが持つポテンシャルを楽しみにしていて、「新しい技術革新が新しいコンテンツを生む」と語った。

資金を獲得したことで、よりリッチな体験をもたらすVR/ARコンテンツの開発を進められるだろう。

 

参照元サイト名:Tech Crunch
URL:https://techcrunch.com/2017/08/09/here-be-dragons-virtual-reality-studio-raises-10-million-from-discovery/

参照元サイト名:Here Be Dragons
URL:http://dragons.org/

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情報提供元:VR Inside
記事名:「世界的VRスタジオHere Be Dragonsが11億円の資金調達を終了