あまり大きく公開されていませんが、首都高速はこの夏、2020年春から一部利用方法について値上げの方針を発表しています。ところが、値上げ額もさることながら、値上げする理由がじつに不可解なのです。そこで、発表された首都高の値上げの内容がどのようなものなのか確認していきましょう。

横浜北西線に合わせて首都高を値上げ

首都高速が値上げの方針を発表したのは、2019年8月30日のこと。その内容は、現在建設中の横浜北西線が2020年春に開通するのにあわせ、東名高速から横浜北西線へ連続走行した場合に限り、現状の普通車が最大1320円のところを、最大1800円にするというものです。

横浜北西線は、すでに開通済みの横浜北線と東名高速の間をつなぐ路線で、完成すると東名高速から横浜市内まで首都高速一本で走行可能になります。当然、横浜から先も首都高速は延びているため、とくに千葉方面との間では渋滞が多い都心環状線・中央環状線の迂回ルートが完成することになります。

さらに、料金が現状のままであれば東名高速と東関道方面間の場合、横浜青葉IC~高谷JCTを首都高で移動可能になれば、横浜青葉IC~東京IC間の通行料金分も節約でき、よりおトクに走れることになるのです。

首都高の値上げで湾岸道の迂回が割高

ところが、8月に発表された値上げ案がそのまま実施されると、東名高速との連続走行では首都高速の上限料金が上がるため、横浜青葉IC~高谷JCT間であれば東名高速経由より横浜北西線経由の方が、距離がほぼ同じにも関わらず通行料金が高くなってしまうのです。

首都高速では値上げの理由について「料金据え置きの場合、横羽線を含む横浜・川崎市内や羽田空港周辺の交通量が増え、渋滞や周辺環境への影響が懸念される」と発表しています。実際、横羽線に関してはかつて自動車の排気ガスを巡る公害訴訟(川崎公害訴訟)にも発展しました。

とはいえ、現在は首都高速湾岸線が開通したことで横羽線の渋滞は減少。湾岸線についても6車線あるため、神奈川県内に限ればまだまだ通行量に余裕があります。
なお、湾岸線経由で横浜横須賀道路へ向かう場合は、今回発表された値上げ案でも対象外。というのも、こちらを値上げしてしまうと、横浜北西線開通が主に狙う、保土ケ谷バイパス混雑解消への効果が薄くなってしまうためです。

横羽線経由だけ首都高の値上げも可能

元々、横浜北西線を建設した狙いのひとつに、東名高速方面と東京湾岸方面を高速道路でつなぐことで、物流ネットワークを強化するといったものがあります。また、横浜北西線経由で東京湾岸へ向かう自動車が増えれば、都心環状線や中央環状線の渋滞も少なくなるはずです。

しかし、首都高の値上げが計画通り実施されると、湾岸線方面への迂回ルートを使う人はさほど増えず、都心環状線や中央環状線の渋滞はそのままとなる可能性が高くなります。もし、横羽線の渋滞が心配であれば、ETC限定で横羽線経由だけ割高にすれば済む話です。

実際、首都高速では現在もETC限定で「都心流入・湾岸線誘導割引」「ロードプライシング割引(大型車・特大車限定)」といった形で横羽線を迂回すると割引になるサービスを実施しています。正式な値上げ発表はまだですが、どのような形になるのか今後に注目です。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「2020年春予定の「首都高値上げ」プランの不可解