1千件もの逮捕実績を挙げた手腕を買われて1995年、日本初の潜入捜査官に任命された元大阪府警巡査部長の高橋功一氏。潜入捜査官となる前には、警察庁長官賞、府警本部長賞等、多くの表彰を受けています。そんな高橋氏に警察でノンキャリアから出世する難しさについて聞きました。

ノンキャリアの警察官人生が決まる

警察官には階級以外にも区分が存在します。それが「キャリア」と「ノンキャリア」と呼ばれるもの。キャリアとは国家公務員総合職試験に合格した警察官を指します。そして、キャリアとノンキャリアの大きな違いは昇任のスピードです。

「ノンキャリはスタートはみんな一緒で、警察官として配属される前に警察学校に通うのですが、この時の成績や適性で担当教官に赴任先を決められます。この時点でその後の警察官人生がほぼ決まってしまう」と話します。

「田舎は事件なんかほとんどないから、いくら意欲があっても出世はムリなんです。その代わり、都市部の署への配属は出世コースですが激務が待っています」とのこと。「僕は最初、大阪府警の南警察署に配属されて勤務先は戎橋の交番。東京でいう歌舞伎町みたいなところで、毎日が事件の連続でした」と振り返ります。

「でも、そうやって真面目に勤務してると、上司が評価してくれて、昇任試験などに受かるとそこで初めて捜査に関わることができる。捜査班に配属されるとさらなる激務が待っているんですが…」というのです。

ノンキャリアは交番に落とされる

「5~6人で班を作って捜査に当たるんですが、メンバーが完全に揃っている班なんかなかった」といいます。「むしろ逆に全員揃っているような班だと『お前んとこ仕事してないやろ?』ってバカにされるんですから(笑)」というのです。

「その部署では相当鍛えられました。転属初日に『キミ明日から北海道やから』って飛ばされたんですよ(笑)。右も左も分からないのに『原野商法の被害調書を書いてこい』と2週間、調書を取りながら稚内から札幌まで回りました」と話します。

「捜査官が新任かどうかなんて、勾留中の被疑者にとっては関係ないでしょう? 彼らも人生かかってるわけですから、私らも真剣にやらざるを得ないんです」とのこと。そして「もしそれがダメだったらすぐに交番に落とされる」というのがノンキャリアの現実というわけです。

「潜入捜査の時は…胃に穴が2回開きましたね。今でも苦しかった当時の記憶がフラッシュバックして夢に出てくることもあります。それでも私は、警察に対して恨みつらみはいいたくないんです」と振り返ります。

「警察官という仕事が好きだったからやっただけですから。だって好きじゃなかったら、生死をかけた捜査なんかできないですよ」と話してくれました。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「元潜入捜査官が語るノンキャリ警察官の出世の壁