WEC 2018-2019年スーパーシーズン第6戦 セブリング1000マイルレース 決勝
- 2019年03月18日 13:00:00
- テクノロジー
- JCN Newswire
TS050 HYBRID 7号車(小林 可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)
決勝 : 2位、252周、ピットストップ13回、スターティンググリッド : 2番手、最速ラップ(1分41秒800)
TS050 HYBRID 8号車(中嶋 一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソ)
決勝 : 1位、253周、ピットストップ13回、スターティンググリッド : 1番手、最速ラップ(1分42秒360)
中嶋 一貴、セバスチャン・ブエミ、フェルナンド・アロンソの3名が駆るTS050 HYBRID 8号車が、フロリダの熱狂的なモータースポーツファンの見守る中、8時間で終わることとなったレースのチェッカーフラッグを先頭で受けました。今シーズンの3勝目を挙げると共に、ドライバーズタイトル争いでのリードを15点へと拡げました。
小林 可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの7号車はレース中盤、接触による修復を強いられましたが、8号車に続く2位でフィニッシュ。チームにとっては今シーズン5度目となる1-2フィニッシュを達成しました。小林はレース中、1分41秒800の最速ラップタイムをマークし、前日、フェルナンド・アロンソが予選でマークしたコースレコードに続き、新たにセブリングでの歴史に名を残すこととなりました。
チームにとって初めてとなるセブリングでのレースは、強い日差しと、28度というやや暑い気温の下で開始されました。ポールポジションの8号車はブエミがステアリングを握り、序盤からレースをリード。これを2番手につけたロペスの7号車が追い、プレッシャーをかけ続けました。
その展開のまま2時間を迎えようかというあたりで降雨があり、SMPの17号車が激しくクラッシュ。フルコースイエローに続き、破損したタイヤバリアの修復のために、セーフティカーが導入されました。これで一旦レースは仕切り直しとなりましたが、15分ほどのセーフティカーランを経ての再開後は、7号車の小林が8号車のアロンソを僅差で追う展開に。
近郊で強い雨が降り始めましたが、雨雲はコースを避けて路面はドライのまま。暗くなっていく中でもTS050 HYBRID同士によるバトルが続きました。レースが半分の距離を過ぎたとき、8号車の中嶋は数秒差で7号車のコンウェイを抑えての走行。3位のレベリオンには3周差がついていました。
しかし、4時間半を過ぎたところで、ロペスの駆る7号車がGTクラスの車両と軽く接触。この影響で7号車はエンジンカバー及び車両後部のボディパーツ交換を強いられ、4分間のタイムロス。7号車は首位の8号車から1周遅れとなり、2台のTS050 HYBRIDの首位争いはここで終わることとなりました。
これにより8号車は充分なマージンを持っての首位走行に。ブエミは難しいことで有名なセブリングのコース上での混雑を、大きなリスクを負うことなくかわしながら首位をキープ。7号車も諦めることなくハイペースでの周回を重ね、3位以下との差を更に広げていきました。
終盤の3時間、2台のTS050 HYBRIDは、ドライバーにも車両にも厳しいセブリングのコースで高い信頼性を示し、ノートラブルで周回を重ねていきました。しかし、レースが残り30分ほどとなったところで、コース上では雨が降り始め、最後の試練が待っていました。
チェッカーまであと僅かというところで、雨脚は強さを増していき、2台のTS050 HYBRIDは残り20分あたりで同時にピットインし、ウェットタイヤへと交換。しかし、コンディションは更に悪化し、チームは再度のピットインを決断。最後まで着実に走り切るべく、共にエクストリームウェットタイヤへと交換しコースへ復帰しました。
残り12分というところで、LMP2クラスの車両がクラッシュを喫し、セーフティカーが導入。その後も雨脚は弱まることなく、セーフティカー先導のまま、最後のステアリングを託された8号車の中嶋がトップでチェッカー。7号車のコンウェイがこれに続き、TOYOTA GAZOO Racingは1-2フィニッシュでセブリングのレースを制しました。
2018年から2019年にかけて戦われているWECのスーパーシーズンは残り2戦となりました。TOYOTA GAZOO Racingはチームポイントにおいて2位に53点差で5月4日(土)に決勝が行われるスパ・フランコルシャン6時間レースへ挑みます。チームはこのレースで、最終戦を待たずしてのチーム選手権タイトル獲得を狙います。
村田 久武 TOYOTA GAZOO Racing WECチーム代表
TOYOTA GAZOO Racing、そしてTS050 HYBRIDが初開催のセブリング1000マイルレースで優勝出来て大変うれしいです。初めてのセブリングは挑戦し甲斐のサーキットでしたが、全てのチームメンバーがこの地でのレースに適応し、懸命に努力をしてきたことが報われました。最高の結果を成し遂げたチームと共に、このフロリダに集まってくれた多くの情熱的な耐久レースファンの皆様に感謝します。また明日も当地で米国の12時間耐久レースが行われます。ワクワクするレースになるでしょうから、ファンの皆様にはそちらも楽しんで頂ければと思います。
小林 可夢偉(7号車)
8号車は勝利に値する素晴らしい走りでした。我々も懸命に首位を争いましたが、接触でその権利を失ってしまいました。後半戦、逆転が難しいことは分かっていましたが、最後までプッシュを続けました。諦めないことが肝心です。チームとしては、1-2フィニッシュを果たせたことは最高の結果です。これはチームクルー皆の努力によるもので、本当に感謝しています。
マイク・コンウェイ(7号車)
また1-2フィニッシュを達成できたことはチームにとって良い結果です。我々はレースを通してプッシュを続け、前半戦では良い首位争いが出来ました。その中では何度も接触ぎりぎりでの走りを強いられました。最後は非常に難しいコンディションになり、特にコンクリート舗装の場所では、まるで氷の上を走っているかのようでした。今日の結果はちょっと残念ですが、まだスパとルマンが残っているので、プッシュを続けます。
ホセ・マリア・ロペス(7号車)
8号車に祝福を送ります。7号車のチームメイトの走りも素晴らしかったです。私自身は、コース上の混雑に苦しみ、とても厳しいレースになってしまいました。首位を走るセブ(セバスチャン・ブエミ : 8号車)を捕まえようとアタックしましたが、GTカーの動きを読み誤りました。不運でしたが、レースで戦っていればこういうことはたまに起こりえます。幸いにも車両のダメージはそれほど大きくなく、2位でレースを完走することが出来ました。この厳しいレースを2位でフィニッシュ出来たことに満足しています。
中嶋 一貴(8号車)
大変なレースだっただけに、セブリングで勝つことが出来て最高です。外部からは簡単なレースに見えたかも知れませんが、私は最初の担当走行時からコース上の混雑に苦しめられました。最後に再びステアリングを握ったとき、やるべきことは分かっていました。リスクを負うことなく、着実に最後まで走り切るということです。ドライコンディションでのTS050 HYBRIDには満足していましたが、終盤、雨が降ってきてからは大変でした。視界が悪く、路面グリップも信じられないほど低下しました。それだけに、無事にチェッカーフラッグを受けられて本当に良かったです。
セバスチャン・ブエミ(8号車)
長く待ち望んだ表彰台の真ん中に再び上がることが出来て本当に嬉しいです。コースの混雑を処理するのが本当に難しいレースでした。私の最初の担当走行時は、追ってくるホセがとても速く、首位をキープするためにプッシュしなくてはなりませんでした。彼らとの差を広げたかったのですが、彼らが接触を喫するまでは10秒以内の僅差での争いでした。私はリスクを最小限に抑えて、冷静な走行に努めました。7号車が接触を喫したあと我々は楽になり、最後まで問題なく走り切ることが出来ました。
フェルナンド・アロンソ(8号車)
我々にとって良い一日となりました。この非常に難しいサーキットでのレースへ向け、我々は多くのテストをこなし、準備をしてきました。好感触でレースウィークを迎え、特にポールポジションを獲得出来たことで、力強いレースが出来るという自信もありました。我々はリスクを最小限に抑えながらレースをリードし続けました。最後の降雨はとても心配でしたが、一貴があの難コンディションの中で素晴らしい仕事をしてくれて、セブリングという、耐久レースにとって伝統のコースで勝利を挙げることが出来ました。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/27200979.html
概要:トヨタ自動車株式会社
詳細は http://toyota.jp/ をご覧ください。
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