WRC 第3戦 ラリー・メキシコ プレビュー: 高い標高と気温が試練を課すラリーに3台のヤリスWRCで挑む
- 2019年03月01日 18:00:00
- テクノロジー
- JCN Newswire
第2戦ラリー・スウェーデンではタナック/ヤルヴェオヤ組が優勝し、ドライバー選手権とコ・ドライバー選手権でトップに立ちました。同時に、チームもマニュファクチャラー選手権で首位に浮上しました。そして迎える第3戦ラリー・メキシコは、今シーズン最初のグラベル(未舗装路)ラリーです。競技の中心となるサービスパークは、メキシコ中央高地グアナファト州のレオンに置かれ、その周辺の山岳および丘陵地帯が戦いの舞台となります。SS(スペシャルステージ)が展開される地域の標高は全体的に高く、最高地点は2,737mに達します。標高が高いエリアでは空気中の酸素の量が減るため、エンジンの出力は通常20%程度低下します。また、最高気温は摂氏30度前後と高いためエンジンの温度が上がりやすく、高い冷却性能が要求されます。
チームは過去2年、このラリーでオーバーヒートに苦しみ上位フィニッシュを果たせていませんが、今シーズンは対高地、対高温対策を例年以上に入念に施して臨みます。ラトバラとミークは以前にラリー・メキシコでの優勝経験があり、ミークは昨年も総合3位でフィニッシュしています。タナックはドライバー選手権トップとなったため、最初にグラベルステージを走行する金曜日に関しては、出走順が1番手となります。ラリー・メキシコのステージは通常その大部分がドライコンディションであり、道の表面はルーズグラベル(滑りやすい砂利)で覆われています。そして、先頭走者はそれを掻きながら走らなくてはならないため、後続の選手よりもタイヤのグリップ力が得にくい、かなり不利な路面コンディションでの走行となります。
ラリーは、今年も古都グアナファトの中心部で開幕。3月7日(木)の夜に、デイ1として全長1.14kmの市街地SSが1本行なわれます。本格的なグラベルステージは翌日のデイ2から始まり、全長31.57kmのエル・ショコラテ(SS2/5)を含む8本のSSが行なわれます。9日(土)のデイ3は全部で9本のSSが設定され、そのうちオタテス(SS11/14)は今大会最長となる全長32.27kmのステージです。ラリー最終日10日(日)のデイ4は、3本のグラベルSSを走行。最終ステージのラス・ミナス(SS21)は、トップ5タイムを記録した選手にボーナスの選手権ポイントが付与される「パワーステージ」に指定されています。ラリーは4日間で21本のSSを走行し、その合計距離は313.87km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1,003.49kmとなります。
トミ・マキネン(チーム代表)
我々はスウェーデンで素晴らしい勝利を手にしましたが、メキシコでも良い戦いができると確信しています。高い標高と高い気温により、これまでは常に厳しい戦いを強いられてきました。しかし、この1年の間に、そのような状況におけるクルマの信頼性とパフォーマンスの両方を向上させるべく、多くの作業を重ねてきました。特に、冷却系については力を入れて開発しました。先週スペインで行なった事前テストはとてもうまく行きましたので、準備は十分にできていると思います。
オィット・タナック(ヤリスWRC #8号車)
スウェーデンの優勝は我々にとって素晴らしい経験でしたが、すぐに焦点をメキシコに切り替えました。スウェーデンの翌日月曜日から2日間グラベルテストを行なうため我々はスペインに直行しました。テストでは多くの異なることを試し、メキシコに向けてできる限りの準備をしました。チーム全員が一生懸命働いてきたので、メキシコではきっと競争力があるはずです。選手権のリーダーなので、私は金曜日のステージを最初に走らなくてはなりません。簡単ではないでしょうが、昨年のメキシコでは出走順が早いスタートからでも良い結果を得ることが可能だと理解したので、頑張りたいと思います。
ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)
メキシコを待ち遠しく思います。特に、フィンランドの冬の終わりに暖かい日差しを浴びることが楽しみです。ここまでのところ、私が望んでいたようなシーズンスタートとはなっていません。しかし今回のメキシコではポジティブな要素があります。それは金曜日の出走順が8番手と、有利な位置からスタートできることです。先週はスペインでとても良いテストができました。クルマは昨年のラリー・オーストラリアで優勝した時とほぼ同じセッティングで、いくつか小さな調整を加えました。もっとも重要なのは、高い標高と高い気温に対する準備が完全にできていると、我々チームが自信を持って臨めることです。
クリス・ミーク(ヤリスWRC #5号車)
先週スペイン南部で2日間テストを行ないました。フィンランド以外のグラベルコースでヤリスWRCを運転するのは初めてでしたが、私にとっては本当に意味のあるテストで、クルマはとても運転しやすく感じました。ここ数年、メキシコでは良い戦いができています。2017年は優勝し、昨年は優勝争いに加わり3位でフィニッシュしました。今回は違うクルマですが、再び勝利のために戦えることを願っています。モンテカルロとスウェーデンは非常に複雑なコンディションで、簡単にミスをしてしまうようなイベントでした。しかし、メキシコは通常コンディションが前2戦よりも安定しているので、楽しみです。
2018年のラリー・メキシコ
2018年のラリー・メキシコは、グラベルラリーに初めてヤリスWRCで出場したタナックが序盤快走。金曜日の競技が終わった時点で総合3位につけ、さらに上の順位も狙える速さがありました。しかし、土曜日の朝、ターボのトラブルに見舞われデイリタイアに。翌日曜日に再出走し、パワーステージではベストタイムを刻み総合14位でラリーを終えました。ラトバラは金曜日にオルタネーターのトラブルでデイリタイアとなりましたが、再出走を果たし総合8位でフィニッシュしました。なお、エサペッカ・ラッピは金曜日にコースオフによりデイリタイア。再出走を経て総合11位で完走しました。
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、“ALL FOR WIN”を合い言葉に2019年シーズンを戦い抜きます。トリプルタイトル獲得を目指し、チーム一丸となって大きな目標にチャレンジします。皆さま、今シーズンも応援を宜しくお願い致します。
本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
https://global.toyota/jp/newsroom/toyota/26894548.html
概要:トヨタ自動車株式会社
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